①登場人物 
リック(仮名)主人公後の剣の達人
サキ(仮名)幼馴染。後の弓の達人
アッシュ(仮名)幼馴染。後のヤリの達人
リリー(仮名)幼馴染。
全員14歳の頃のお話。
参考資料・・・夢・妄想・記憶・トラウマ、等など…。(;゜∀゜)・∵∴ガハッ!

全てにおいて手抜きなので、後にまじめに完成させる可能性もあるかもw
と言う訳で、第1話赤いキャンディスタート。ヽ(゜∀゜)

いつも4人で遊んでいた。サキ、アッシュ、リリーそして俺リックだ。
『よーし橋まで競争だ!』
リリーはいつも置いてきぼり・・・。
『みんな待ってよ~!』

言い出したアッシュは早い。既に追いつけない位置に居る。
その後ろを、サキがものすごいスピードで追い抜こうとしている。
ふぅ、どう頑張っても、頑張らなくても3着確定だな・・・。
後ろを振り返ると、リリーが派手に転んでいた。

『うぅ・・・痛いよ。グスン』相変わらず鈍くさい
『おい、大丈夫かリリー?』
『うぅ、ひっく』リリーは泣き止まない。

『ほら、立てるか?』外見上怪我はなさそうだが、左足を引きずっている。
『左足くじいたのか・・・歩けるか?』
俺が聞くと、リリーは涙を流しながら首を横に振った。

『しょうがないな、ほら、』俺はリリーに背中を向けおぶってやることにした。
『グスン、ありがとう、リック・・・。』
橋までは走って10分くらいだが、このペースでは30分くらいかかるだろう・・・。
まぁ、先行してる2人なら、いつものように2人で面白い遊びを模索してることだろう。

『リック、ごめんね・・・重いでしょ』泣き止んだリリーが話しかけてきた。
『リリーぐらい背負って歩けなきゃ、一人前の剣士になれないからな。』
強がって言ってみたが、結構きつい。

『リリーは女の子なんだから、自分でペース決めて無理に走ること無いよ。
サキたちについて行ける方がおかしい。』
『でも、私も仲間だからできる限り急がないと・・・』
『それで転んで怪我したら、余計遅くなるだろ!今回みたいに・・・』
『でも・・・グスン』また泣き出しそうだ…。

『そうだリリー俺のポケットに手を入れて』
『えっ?』中には赤いキャンディが1個入っている。
『ソレ、リリーにあげる。食べてみな。』
『えっ、ありがとう』リリーが口に入れるとほっぺたが丸く膨らんだ。
口の中に甘さが広がっていく。

『あま~い。コレ、凄く甘くておいしいね。ありがとうリック。』
大事にとっておいたキャンディだけど、リリーが元気になったから良しとしよう。
そうこうしてる間に橋が見えてきた。

ふぅ、もうすぐだな・・・ん?
橋の前で5人が争っている様子が見えた2人はアッシュ達だ。
リリー、ちょっとこの岩陰に隠れてて。
え?どうしたのリック?
アッシュ達が誰かと喧嘩してるみたいだから・・・
そう言うとリリーは少し震えながらうなずいた。

さて、状況は・・・同年代なら3人くらい楽勝でかたづけるアッシュだけど・・・
相手の1人は20歳くらいの大人だった。他の2人は同い年くらいに見える。
アッシュは大人に押さえつけられて、止めに入ったサキが殴り飛ばされていた。
『お前ら!アッシュとサキに何しやがる!』
俺は、大人に殴りかかった。
殴られた大人はアッシュから離れたが俺の手をひねり上げた。
何だ?まだ仲間が居たのか。そう言いながら、俺に殴りかかった。
5発くらい殴られて、意識を失ってしまった。

いや!やめて!
リック・・・助けて・・リック!
リリーの叫び声で意識を取り戻した。
すぐそばにアッシュとサキが倒れている。
その傍で3人がリリーを押さえつけていた。

お前、こいつらの仲間だろ。恨むんならこの3人を恨むんだな。
たっぷり楽しませてもらうとしよう。
いやぁ!
リリィの衣服が切り裂かれる。

リリーに何しやがる!うぉぉぉ!
無意識に近くにあった大きな石を大人の頭に叩きつけていた。
何度も、何度も・・・
うわぁ!人殺し!
ひぃ!ラルフ兄さん!
残りの2人は泣き叫びながら逃げていった。
リック!リック、怖かったよ。リリーが抱きついてきた。
リリー・・・もう大丈夫だよ。そう言いながら倒れてる大人から目をそらした。
サキと、アッシュは意識を取り戻していた。
コイツは・・・まずいな・・・。サキがつぶやくように言った。
リリーにひどいことしようとしたんだ。殺されて当然だよこんな奴。
子供の喧嘩に後からつっかかってきやがって…。アッシュが言った。

とりあえず喧嘩のいきさつを聞いた。
サキとアッシュが弓で木の実を落として遊んでいると、2人が俺たちにもやらせろ
弓を貸せと言ってきた。ソレを断ったら、強引につかんできて弓の取り合いになり
弓が壊れてしまった。怒ったアッシュが一人を殴ると、2人とも逃げていった。
と思ったら、大人を連れて仕返しに来た。と言うわけだ・・・。
俺が考えても100%相手が悪いと思った。

だけど、これはどうしようもないな・・・。
俺は上着を脱いでリリーにかけてやった。
とりあえず、リターさんに全て話そう。

リターさんは俺たち4人の仮親のような人だ。
リターさんの所にいく間、誰も口を開かなかった。

おぉ、悪がき共がそろってどうした?
ん?なにかあったのか?全員の顔を見てただごとじゃないと悟ったリターさんは
まじめな顔になった。

詳しく話をし、現場に向かうことになった。
そこには、相手の2人と身分の高そうな大人が来ていた。
倒れている男の顔を見てリターさんの顔色が変わった。
『よりによって、アルフォンス家のラルフか・・・』

その言葉を聞いた俺は、覚悟を決めていた。
おそらく、厄介な立場の人間だったのだろう・・・。
俺程度の身分じゃ殺されてもしかたがないのかも・・・?
俺は、仲間に聞こえないようにリターさんに耳打ちした。

『俺はどうなってもかまわない。アッシュ達に被害が及ばないようにしてください
お願いです。』

その後、リターさんは相手の人と会話をして戻ってきた。
『すまない、リック君、君は悪くないのに、私にはこれ以上どうすることも・・・』
リターさんは泣き崩れていた。

※リックの2年間・・・
リックはアルフォンス家の奴隷として生活していた。
喧嘩相手の2人、ザクト、ガイのペットとして・・・
食事は、2人の飼っている犬と同じ物を食べさせられた。

ペットの癖に手を使って食うんじゃねぇ!と木刀で殴られてからは
犬と同じように、口だけで食べるようになった。

『おい、リック剣の相手をしてくれ。』ザクトは言った。
剣の相手と言っても木刀を持っているのはザクトだけだ。
リックには避ける事も許されていない。

オラァ!よくも兄貴をやりやがったな!オラァぁ!
木刀が激しく頭に当たり折れた。
額から血が流れる・・・。

オラッ!何してやがる!早く次の木刀もってこいよ!
リックは木刀を取りにいく。そしてザクトに手渡した。
『ザクト兄さん俺にもやらせてくれよ。』ガイだ。
もうかなり殴ったからな~、これ以上やったら大事なおもちゃが壊れちまうよ。
腹狙えよ、頭はもうだめだ。
ザクト兄さんズリィよなぁ。いつも兄さんばっかり、まぁ仕方ねぇ
おらぁぁ!
ぐぉぉ!ガイの一撃で俺はこらえられずに吐いてしまった・・・。
きたねぇなぁ、オラ!リック掃除しとけよ。今日はコレで勘弁してやる。
そう言うとガイは雑巾を投げつけてきた。

コレが毎日の日常になっている。俺は2年前から言葉を話さなくなった。
耐えていればいつかアッシュたちに会える。
いつかみんなに会ったときに俺が沈んでたら駄目なんだ。
リリーに笑ってやらないと。リリーは心に傷を負う。そう思いながら2年間耐えてきたんだ…。



※再会の約束
リターさん、リックは?アッシュが聞いた。
リックはアルフォンス家で働くことになった。死んだラルフの代わりに・・・。
君達が会いに行くことはできない。

リック・・・うぅ、グスン。ひどい目にあうんじゃないの?

何でリックなんだ!リックは助けに来ただけなのに!

リックが俺達をかばったんじゃないのか?俺達に何も無いってのがおかしいと思うよ。

みんな、リック君の決意を無駄にしないでくれ。殺されるわけじゃない。
また、いつか会えるんだ・・・。

リターさん本当のことを言ってください。俺たちは騒ぎません。
アルフォンス家の人を殺してリック一人が働きに行くだけで済むはずがない。
隠さないでください。

そんなにヤバイ相手なのか?

あぁ、全員殺されててもおかしくないほどにね・・・。

解った。サキ君には隠せない。本当のことを言うよ。
リック君は話の前に私に耳打ちしたんだ。
君達3人が無事で済むように、自分はどうなってもかまわないと・・・。

そんな!あぁ・・リック・・・

リリー堪えて、リターさん騒ぎませんので続きを・・・

始めは全員の命で償えって事だった…。
私が事の成り行きを説明し何とか抑えてもらおうと続けたんだ・・・
すると、リックだけでも死んでもらわないと気が済まないって言い出したんだ。

リリーは目を見開いて口を押さえて声を抑えるが涙は止まらない・・・。

そして、命だけは助けてほしい。私が何でも力になるって約束したら、
最終的に、アルフォンス家の奴隷として命だけは奪わないと約束したんだ。
そこまで話してリターはひざを落として床を叩いた。
私だって許せないんだ!だが、リック君と約束した。
君達に害が及ばないようにと!それ以上荒立てたらリック君の想いが無駄になる!

俺達にできることは無いのか?

リックを救い出すにはどうしたらいいんだ・・・

方法はある。私がメルヴィル様に頼んでリック君を買う。
メルヴィル様はアルフォンスより力がある。
私の後継者として育てていたリック君を奪われたと
事情を説明して頼めばきっと力になってくれる。

だが、メルヴィル様は今、遠征に出ている・・・。
2年くらいは戻られない・・・。

リターさん頼みます。リックを・・・俺達にできることならなんでもする。
サキとリリーもうなずいた。

解った。メルヴィル様は武芸が達者な方だ。
もしかすると、君達の誰かを気に入って欲しがるかも知れない。
メルヴィル様の力になることと引き換えにリック君を助けてくれるかもしれない。
そういう可能性もある。みんなは今以上に力をつけていてくれ。
私の力でどうにもなら無くても、君達の力で何とかできる日が来るかもしれない。
その為にも!力をつけていて欲しい。

解りました。リターさんありがとうございます。俺は弓を極める!

よし、力をつけるんだ!リックのために!

私は、みんなが手を出せないときに力になれるように、何か私にもできることを探してみる!

わかった、みんな私もしばらくはアルフォンスに動かされることになると思うので、
2年後にこの時間、この場所でもう一度会おう!



※本筋 メルヴィル様にお話を

サキ、久しぶりだな

おぉ、アッシュずいぶんたくましくなったな。

今なら、その辺の戦士にも負けないぜ!

俺も話したいことが山ほどあるよ。レクトって奴のこととか、伝説の鳥の事とか・・・

まぁ、お互い充実した2年間だったみたいだな。

あぁ、リックの為だからな。

サキ、アッシュ、久しぶり。

おぉ・・・

えっ?どうしたの?

いや、変わったな~って思って。

あぁ・・・美人過ぎてビビッた。

アッシュとサキも逞しくなって見違えたよ。

まぁ・・・あれだ、リックの為だからな。

アッシュ顔赤いぞ!そう、リックの為だ!

えぇ・・・リック・・・そうだ、リターさんはまだ?

リターさんは来ないかもしれない。
2週間くらい前、南の町で山賊との激しい戦いがあったんだ
丁度、俺も後半で居合わせたんだけど、組織で動いてて凄く手ごわかったんだ。

そこで討伐の指揮をしてたのが、なんとアルフォンスの野郎だった。
町のほうは俺が居なかったら正直やばかった。ひどい指揮だったよ。
アルフォンスの兵は壊滅状態だったね。

が、一人の戦士がアルフォンスの指揮で単身、山賊のかしらに突っ込んでいって、
護衛とかしらを一人で倒したんだけど重傷をおったそうなんだ。
その戦士が、俺の想像だと・・・リターさんじゃないかと・・・。

確かめるすべが無かったんだけど、ここに来ればわかると思って、
今日ここに居ないって事はやっぱりそうだったんだな・・・。

そんな!リターさんが居なくちゃメルヴィル様にあえない!

もし、それがリターさんならプラン2で行くしかないな。
俺も2年間でわりと名前が売れてるんだメルヴィル様には会えるよ。

おぉ、俺も山賊退治でアルフォンスに貸しができたし
会えれば何とかなると思ってたんだけど話が早い。

2人とも凄いな・・・私も頑張って魔法を覚えたんだけど実績ないから・・・
この指輪が何かの役に立つかもしれないけど・・・
リックを思う気持ちは絶対2人にも負けないのに・・・・グスン

おいおい、やっぱり泣き虫リリーは変わってないな。
リリーは居るだけでリックが喜ぶんだからいいんだよ!

そうそう、リリーの役目は助かった後のリックのフォロー
コレばっかりはリリーにしかできない。
さぁ、リターさんは駄目みたいだから俺達だけで行こう。

メルヴィル様にお話を・・・

前回の弓大会で優勝したサキと申します。
私の技を見たいとのお言葉をいただき参上しました。

おぉ、お前が例の弓使いサキか!会いたかったぞ!
サッズ草原の幻の鳥を射抜いたそうだな。本当なのか?

はい、特殊な矢を使いましたが、宜しければそちらの技も後ほどお見せいたしますよ。

おぉ、ぜひ拝見したい。して、そちらの2人は?

私はアッシュと申します。サキ、そしてこちらのリリーと共に
リターさんに育てられました。

ん・・・アッシュ・・・おぉ!豪槍のアッシュか!南の町の君の槍の噂も聞いているぞ!
アルフォンス軍を救っていただいたとも聞いている。
君の技も是非後で見せて欲しい。

はい、喜んでお見せいたします。その為に・・・鍛えてましたので。

それと、そちらのお嬢さんは・・・

私はリリーと申します。メルヴィル様。
私達3人はどうしてもメルヴィル様とお話がしたくて2年間待っていたのです…。
リリーは抑えきれずに涙を流した。

すみません、メルヴィル様。

いや、今日3人が尋ねてくること。実は知っていたんだ。
リターの見舞いに行った際、ほとんど意識は無かったんだが、私と気づくと
サキ、アッシュ、リリーの話を聞いてあげてくれと、
うわ言のように繰り返してたからな…。

メルヴィル様に詳しく説明・・・

なるほど、アルフォンス家のラルフ死亡の真実か・・・。
3人とも災難だったな。いや、リックとリターも入れて5人か。
しかし・・・みな頑張ったな。この状態なら私が間に入れば断りようもあるまい。

アルフォンス軍のピンチを救った豪槍のアッシュ…。
そして、リターは約束どうりにアルフォンスの力になって重傷。
その2人がリックを救って欲しいといってるのだから・・・。

私は・・・私はリックのために何をしたの・・・?リリーは悲しそうに
口に手を当てた。その手に光る指輪をメルヴィルは見逃さなかった。

おっと、リリーさんその指輪を見せていただけませんか?
リリーが手を差し出して見せると、メルヴィルは大きく笑い出した。
くっ、あははははは・・・

いや、失礼。どうやらリリーさんが一番の功労者だね。

えっ、メルヴィル様?どういうことでしょうか?

いや、少し前にどんな医者も治せない猛毒に苦しんでた貴族が居たんだが・・・
ソレを失われたはずの、伝説の魔法使いでも使えない魔法で
治してくださった女性が居てね・・・。

身分と名前を明かす事のできなった貴族が、お礼に指輪を渡したそうなんだよ。
もしまた会えた際に、その指輪を見せていただけたら、
できる限りのどんな御礼でもすると言ったそうなんだ。

いや~、この話を聞いた際はどんな魔女かと思ったんだけど・・・
こんな可愛らしいお嬢さんだったとは・・・

ははは・・・
そして、これから頼もうとしてる相手がアルフォンスだってんだから
笑わずには居られない・・・くっ・・・あはは

えっ!あの時の貴族様がアルフォンス様!

あぁ、その指輪さえ見せればリック君は助かるよ。

そして、もう呼んである。身なりを整えたリックをつれて
ここに来るように伝えてある。



アルフォンスです。メルヴィル殿。リックを連れてまいりました。
して、どのようなご用件でしょうか?

おぉ、今日は私とアルフォンス殿に話を聞いてほしいと3人の者が尋ねてきてな・・・
こちらの3人だ。アルフォンス殿も全員知った顔だぞ。

こちらは、弓大会優勝者でサッズ平原の幻の鳥を射抜いたサキ。

そして、先日の南の町の山賊退治の影の功労者の豪槍のアッシュ。

そして、失われたはずの魔法でアルフォンス殿の命を救ったリリーだ。
この3人、そしてリター、そして私の計5人から
アルフォンス殿に頼みがある。

リターの後継者、リックを返して欲しい。
事情は全て知った上で、全てをなかった事とし
リックを返して欲しいのだが如何だろうか?

え~、私はそちらのリリー様にその指輪を見せれば
できる限りのお礼をすると約束しました。
まさか、あの時の恩人がラルフが乱暴しようとした女性だったとは・・・
なかった事にしていただける。私にはそれだけで・・・
リックを返すだけでよいのなら喜んで。

リック、こちらに来なさい。今からお前は自由だ。

リック・・・リックなんだな・・・
リック・・・やっと・・・
リック!信じてた。また絶対会えるって信じてたよ。グスン

リリ・・・リリー・・な・・の・か・・・?久しぶりで声が出ない…。

リック君、コレを飲みなさい。
メルヴィルは、リックに水を差し出した。

リック・・・ひどい、こんな傷だらけで・・・

リリー。久しぶり、元気そうでよかった。久しぶりなんだ笑ってくれよ
俺は元気だぞ、剣の修行で傷が増えたけどな・・・。

ザクトとガイは君達の前に出ないように伝えておくよ。それで許して欲しい。

俺はあなたの元で働いていただけだ。2年間ありがとう2人にも伝えて欲しい。
みんなに会えないことだけがつらかった。リリー泣かないでくれ。
アッシュもサキも久しぶりだな。元気だったか?

リック、一人でかっこつけやがって、残されたりリーの事、考えろよな。
リリーはお前じゃなきゃ駄目なんだよ!

そうそう、泣き虫リリーをなだめるのはお前にしかできない。
俺達だってお前のために命かけれるんだからな!

サキ、アッシュ・・・全部知ってるんだな・・・。
ほら、泣き虫が泣いてるぞ!なだめてやれよ。
リック・・・クスン

アルフォンス殿、話を聞いてくれてありがとう。
いや、メルヴィル殿。礼を言うのはこちらのほうで・・・
では、せっかくの再会に水をさすので私は居ないほうがよさそうだ。
メルヴィル殿、本当にありがとう。では、また。

リック君体のほうは平気なのか?全員全て知ってるんだ無理はしないでいいんだぞ?

みんな知ってるのか・・・俺があの2人の奴隷だった事。
はは・・・働いてるって言えば安心すると思ったんだけどなぁ・・・。

バカ!安心するわけ無いだろう相手の名前を俺が知ったらどうするかぐらい
お前ならわかるだろう。アッシュとリリーはともかく、俺は騙せないぞ!
どんな生活してたか全部話せ!仲間だろ!

そんな傷だらけで、剣の稽古とか俺とリリーでもだまされないぞリック・・・。

全部話して、リック…。

リックは2年間の事を全て話した。
3人とも涙を流して聞いていた…。

お前、その生活でありがとうって、嘘でもよく言えたな。

みんなに会えたとき笑って…リリーに笑ってやらなきゃって思いで
耐えてたから・・・ははは

みんな全部知ってたなんて聞いたら笑うしかないなぁ・・・。ははは

その傷は全部私達のための傷なんだね・・グスン・・ごめんね・・・リック…

あぁ・・・リリー…。そうだ!リリー!

このシャツのポケットに手を入れてみて。

そこには赤いキャンディが入っていた。
アルフォンスの屋敷でみつけて一個くすねてきたんだ。リリーにあげるよ。

リック…。変わってないね。大好きだよ。

おーおー見せつけてくれちゃって

そう言えばアッシュ、リリーに見とれてたからな~

バカ!余計な事言うな!・・・俺には・・サーシャ・・

あははははは・・・

リリーはキャンディを口に入れた。
口の中には2年前とまったく同じ甘い味が広がっていた。