ベルンです。

 

 

丸の内 三菱第一美術館にて本日から開催された展覧会

 

「パリ オートクチュール 世界に1つだけの服」

 

に、本日 早速行ってきました。

 

 

約70点の、その人のためだけに作られた作品が展示されています。

 

オートクチュールの礎を作った(※)ウォルト氏に始まり、ジバンシー、イヴサンローラン、シャネル、ランバン、ゴルチエなど、20世紀、最もオートクチュールが盛んであった頃の世界を席巻したモードブランドが揃っていました。

 

(※)シャルル フレデリック ウォルト1年に2度の季節毎コレクションを始めた人であり、他にも生きたモデルに洋服を着せる(マヌカン)、名前の入ったブランドロゴの作成、デザイナー主導で洋服を作っていくことなど、現在のオートクチュールの在り方を築いた人物

 

そもそもオートクチュールとは、フランス語で ”haute (オート)”=「高級」を意味する形容詞"haut (オー)"の女性形。”couture (クチュール 女性名詞)”は「仕立て服」のことで、女性に向けた高級仕立服という意味を表しています。

 

この当時のオートクチュールの洋服は、衣服ではなく、もはや”作品”の概念でした。

 

特定の富裕層の方のためだけに、職人が布と糸を使い、手仕事のみで平面から立体へと作品に仕上げていく。

 

女性はパリの裏路地にあるメゾンへと馬車で向かい、自分のために作られた洋服を着て社交界へと向かっていったといいます。

 

彼らがアパレル業界にもたらした功績はとても大きいと思います。

混沌とした時代、思想を洋服へと投影することに成功し、それらを文化へと根付かせていってくれたことが、今の大きなアパレル産業へと繋がっているでしょう。

 

 

戦前は富裕層のためだけに作られていたオートクチュールでしたが、時代が変わり、より多くの人に作品を届けようとプレタポルテ(既製服)へと移行していきます。

 

1940年代には100を超えるオートクチュールのメゾンが存在したそうですが、1960年以降 激減し、現在ではオートクチュール組合の承認を受けているのは14のみになっているそうです。

 

今の流行とビジネスだけで作られた洋服には何も心に響きませんが、ファッションが時代を突き動かしていった当時の作品は、なにか訴えかけてくるものを感じます。

 

20世紀前半はオートクチュール、そして戦後はモードによって大きく躍進していったアパレル業界。

職人の手仕事の栄枯盛衰を感じました。

 

21世紀はどのように変化をしていくのでしょうか。

何も残せないような今の時代だからこそ、見るべき価値のある展覧会だと思いました。

 

5月2日まで展示されています。

 

やはりファッションは面白い。

改めて、この業界に携わらせていただいていることに感謝します。

 

 

ベルンでした!

 

 

 

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