BERUNです。




ブレイシーズとは英表記で、米表記にするとサスペンダーのことを指します。


ブレイシーズはスリーピーススーツのスタイルに必要不可欠なアイテムです。



ちなみに英国でサスペンダーと言うとガーターベルトのことを指すので、英国に行かれた際は注意が必要です。




なぜわたしが強くブレイシーズを着けるべきだと勧めるのかと言いますと、


ベルトで履くときより、パンツのシルエットが段違いに綺麗に見えるからです。




-伊達男日和--101215_1558~01.jpg

<Turnbull & Asser(ターンブル&アッサー)>

「ターンブル&アッサー」はイギリス王室御用達のビスポークシャツメーカーで、007のジェームズ・ボンドのシャツは「ターンブル」のシャツが使われています。






<HERCULES>

60年代物のヴィンテージブレイシーズ。
ゴムの伸びもなく色柄がほどよく土臭く、クラシックなスリーピースにハマります。





<E・MARINELLA>

こちらはイタリアのネクタイメーカー、「マリネッラ」。
ブラウン/ブルーの色合わせが美しい。




<RALPH LAUREN>

白とライトブルーの鮮やかな色合わせの一品。
夏の麻素材やペールトーンのスーツに合わせたい。





<RRL>

農夫感ただよわせる革の編み込み式の一品。
カジュアルなニットと合わせてハンチングと合わせたいです。





そもそもフォーマルの世界にベルトが使われるようになったのはそんなに昔の話ではありません。


元々ベルトは戦士の武具などをぶらさけるために作られた物です。

出処がフォーマルではないということに注目していただきたい。

それがおしゃれアイテムとなり、現代のカジュアルファッションシーンに乗り込んできました。



ツーピースのときにベルトを着けるのは仕方ありませんが、スリーピーススーツのときは絶対にベルトは着けないでほしいです。

ベルトを着けてしまうことでベストの末端部分が膨らみ、ベストからトラウザーズへとつながる流線型を殺してしまうのです。



話せばキリがありませんが、現代のファッションは機能性“だけ”を追求してきたため、フォーマルウェアで一番大切な美しさが損なわれてしまったのです。





ブレイシーズを着けるときは、トラウザーズを"履く"ではなく、"吊る"と言います。

それは腰で履くのではなく、肩から吊ったブレイシーズの中に入る、というニュアンスが近いと思います。


ブレイシーズを着用しているときはトラウザーズが下がるということが一切ないので、ストレスがまったくありません。

ベルトを着用しているときでは、どうしても知らぬ間に1、2センチ落ちているのです。

その1、2センチが落ちてしまうせいで、ワンクッションで仕上げた裾がツークッションになってしまいます。

何より一日着用しているときに不快な思い(わたしはこれをノイズといいます)を少しでもしてしまうと、それが積み重なりストレスになります。

一日中理想的なトラウザーズのシルエットを作り続けられるブレイシーズが、19世紀までの紳士たちに必要不可欠であったことは間違いありません。


また、ブレイシーズのカテゴリは「下着」です。

それを隠すために「ベスト」があり、純然たる下着で好きな色柄を着けるのは男のたしなみです。




人様と顔合わせするときにはしっかりと失礼のないように、自分も最大限華麗に振る舞うのが男なのだと思います。


ベルトはデニムを履くときだけで十分です。



今一度自分自身の気を引き締めるためにも、ブレイシーズに目を向けてみてほしいです。



ベルンでした!