ベルンです。




本日は、上野で今展覧中の「カポディモンテ美術館展」に行ってきました。






15~16世紀のナポリで描かれたリアルな作品たち。


その当時の絵を見て感じたのは、昔の人間は動物たちとも仲がよく、生き物がみな運命共同体であるかのように感じられました。


時代が進み人類が知恵をつけていくごとに、どんどん他の動物達と差別化をはかり、壁を作っていっているようにみえます。


現代は加工された食品ばかり食べているせいで、食前に「いただきます」といい、生命に感謝する文化はうすくなってしまいました。





洋服で使われている生地はほとんどが"生きている物"。

ウールやレザーは動物であり、綿や絹は植物です。


そのように命を"着ている"以上、動物達のために愛を持って着るのが着る者としてのマナーでしょう。


よく物には命が宿ると言いますが、その命を吹き込むのは決して作り手だけではなく、売り手だけでもないのです。



何世代にも渡って複数のオーナー方に愛されてきた洋服だからこそ、ヴィンテージには新品には出せない風格があるのです。


歴史があり、前オーナーの想いもこもる。





-伊達男日和--100811_2227~02.jpg

こちらは最近購入した70年代のラルフローレンの革靴です。

左は全く手入れをしていない購入したままの靴。

右はわたしが磨いた靴。


乾ききった革は硬く固まってしまい、風合いを失ってしまっているのです。


それらを磨き終わったとき、息を止めていた革靴が息を吹き返すかのように再び光り出します。



物の輝きに比例して、履く本人の喜びも倍加していきます。



私はそのような、想いのこもった物をずっと提案し続けていきたい。




ベルンでした!