ファストファッションの激戦区・銀座に「H&M」の日本1号店がオープン

 スウェーデン発のファストファッションブランド「H&M(ブランド名:エイチ・アンド・エム)」の日本1号店が13日、銀座にオープンする

 同日、銀座ガスホールビル跡地に開業する「GINZA gCUBE(ギンザ ジーキューブ)」のキーテナントとして出店するもので、4フロアの売場面積は1000平米。徒歩圏内には「ユニクロ」「ZARA」などファストファッションブランドも大型店を構えており、競争が激化するのは必至だ。同店では、OLキャリアとメンズビジネスをメーンターゲットに、レディスとメンズに絞り込んだ品揃えと、これまでにない高級感のある店づくりで、ファッション激戦区・銀座になぐりこみをかける。

(文/橋長初代)


銀座の街並みに合う、高級感漂う内装

 「ここまで内装にこだわった店舗は初めて。銀座という地域特性を意識し、東京スタンダードに合わせた内装でブランドイメージを表現した」

 H&Mジャパンの広報担当、ミエ・アントン氏がいうように、日本1号店となる銀座店は、高級感を重視した店づくりか印象的だ。とりわけ、大都市狙いで展開するレディスのハイファッションラインを集積した1階と、メンズスーツを充実させた地下1階は、黒を基調に床にも木材を使用し、重厚感のある内装で統一。「銀座の街並みからインスピレーションを得てエレガントな雰囲気に仕上げてある」(アントン氏)。

 H&Mは創業当時から、エリア内の一等地に出店することを立地戦略の最優先課題に掲げている。ブランドのイメージを高め、短期間で認知度を高めていくためだ。ニューヨークの5番街、ロンドンのリージェントストリート、香港のクイーンズロードと、いずれも大都市の超一等地に出店して話題を集めてから、近隣の地域に集中出店して拡大する戦略をとっている。

 銀座に日本1号店を出店するのも同社の戦略上、当然のなりゆきといえる。ただ、ここ数年、ラグジュアリーブランドの直営路面店のオープンが相次いだ銀座では、希望通りの売場面積を確保するのが難しいのも事実。昨年春オープンした上海1号店は3フロアで2200平米だが、銀座店はその半分にも満たない。そのぶん、テイストを明確にし、高級感のある内装で勝負しようする意気込みが伝わってくる。

 また、同社では幅広い商品バリエーションを展開し、立地や広さ、客層に応じてさまざまな品揃えで店舗を拡大してきた。それが“世界最強”といわれるH&Mの強さの一つであり、銀座店ではそのノウハウを生かし、OLキャリア、ビジネスマンに絞り込んだ品揃えを展開している。

 では、各フロアの商品構成と注目アイテムを紹介しよう。



“顔”となる1階は「モード感」前面に、おしゃれに敏感な層を狙う

 まず、銀座店の顔となる1階フロアには、レディスの最新モードを集積。エントランスを入ってすぐに6体のマネキンを陳列し、今シーズンの一押しスタイルを提案している。

 それぞれのスタイルは、壁面の棚とラックに分けて陳列し、売り場を見ればトータルコーディネートしやすいようにレイアウトしてあるのが大きな特徴だ。黒のジャケットとパンツには、グリーンやイエローのシャツと、同色のバッグ、アクセサリー小物を合わせる、といった具合に、販売員がいなくても売場でコーディネート提案がしっかりされている。これは、同社がセルフ販売を基本としているためだ。

 また、今シーズンは、黒を基調に鮮やかなトレンドカラーをアクセントで取り入れているため、カラー別でメリハリのあるわかりやすい売り場レイアウトになっているのも特徴といえる。

 基本的な売り場レイアウトや陳列方法は、他のフロアも同様。ただし、いかにおしゃれ感度の高い顧客を集客でき、幅広い客層に支持されるかは1階の売り場にかかっている。そのため、1階フロアは売り上げの確保よりもイメージ優先の売り場づくりに徹したようだ。

 価格は、デザインや素材にこだわったハイファッションラインを中心に揃えているため他フロアよりは若干高めだが、百貨店ブランドに比べるとかなりお得だ。例えばタックで膨らませた今年らしいパンツが9990円、ジャケットとしても着られるハーフコートが9990円、コンパクトなテーラードジャケットが7990円、プリントのワンピースが7990円、バルーンスカートが6940円といった具合。1万円以内で買えるものが多く、インナーと合わせても2万円以内で揃う。