キューン(CUNE)6月26日からパリで「キューンの世界展開催




パリコレクションで「目玉」が注目される数年前、東京で「白目」や「腸」をテーマにしていた、あのブランドはパリでどう評価されるのか。


キューン(CUNE)はパリメンズコレクションが開催されている6月26日から7月2日まで、パリ3区のギャラリーONE STEP GALLERY(79 rue Charlot 75003 Paris)で、これまで発表したプリントやコレクション、ショーの画像などを集めたイベント「キューンの世界展(L'E xposition CUNE a Paris)」を開催します。同ブランドとしては初めての海外での作品発表。2015年春夏パリメンズコレクション会期中ですが、今回は2015年春夏最新作ではなく、本格的な海外進出を前に、これまでの作品やイメージを紹介。メディアやプレス、バイヤーだけでなく、一般の人にも公開されるものので、誰でも見ることができます。


2013/2014年秋冬パリコレクションでケンゾー(KENZO)やディオール(DIOR)が発表して世界的に注目を集めた「目玉」ファッション。今年は原宿などでも、「目玉」を取り入れたアイテムが話題になりました。「目玉」のモチーフやその流れを受けたアートやシュールレアリスムは2014/2015秋冬パリコレクションでも続いていて、日本のミセスブランドや量販ブランドの展示会でも登場しています。そうしたモチーフをいち早く打ち出していたのがキューン。2010年春夏コレクションのテーマは「白目(しろめ、と読みます)」。今シーズンのパリコレクションで登場した「腸」のようなモチーフも2009年春夏のテーマとしていち早く発表しました。メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京初参加となった2012/2013年秋冬コレクションでは「これまでのコレクションの中で評判の悪かった」腸と白目をテーマにしたインスタレーションが注目を集めました。鼻血なども以前から提案していたといいます。


また、2014/2015秋冬は、あのライオンの殺虫剤バルサンとのコラボレーション。バルサンのロゴ、缶をアンディウォーホルのキャンベルスープのように並べたプリント、煙のモチーフを使ったデザインをはじめ、腹巻きや北海道大学のパワースーツをファッションに取り入れたデザインなどを見せました。(ちなみに、防虫効果などの機能はありません)


6月25日から29日に開催されるパリメンズコレクションにぶつけたのは、もともとメンズが強かったため。白目やバルサンロゴのドレスなどコレクションではレディースのショッキングなデザインが印象的でしたが、次のレディースに向けたプレビューという位置づけではないようです。イベントはメンズが中心で、比率はメンズ70%、レディースが30%程度になる見通しと言います。パリでも東京と同様に、モデルを使ったプレゼンテーションやショーではなく、マネキンを使ったインスタレーションにこれまでの資料、画像、空間演出なども加えたものになるようです。デザインもコレクション話題となった白目や腸、バルサンなどの目立つモチーフだけでなく餃子などもプラスした、ブランドの本質を世界に紹介するものになります。


また、パリコレクションでは、デザイナーが何を考えているのかデザイナー自身から伝えることも大切ですが、今回はデザイナーの安田裕紀自身はパリには行かないなど、既成概念にとらわれないキューンらしいやり方は変えないということです。


コレクションの資料や動画を見たフランスや海外メディアからは好評というキューン。ラグジュアリーブランドや人気ブランドよりも先に目玉のモチーフを使うなど、アバンギャルドでエキセントリックなアイデアや日本のデザイナーに求められる「カワイイ」モチーフとディテールをリアルなアイテムにプラスしてきた東京のブランドが世界からどう評価されるのか。バルサンなどのモチーフは、モスキーノが発表したマクドナルドのように、海外から理解され、受け入れられるのでしょうか。


以前、このブログで(レディースの)パリコレクションで、ラグジュアリーブランドや人気ブランドのショーの会場の前でゲリラショーをしたらおもしろいと書きましたが、パリコレクションに先駆けて、脱服やアートモードという流れを提案したリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)、服の常識に異議を唱え、新しい提案を続けるアンリアレイジ(ANREALAGE)など、クールジャパンという枠や、トレンドや常識に当てはまらない新しい提案をしている日本のブランドはパリコレクションをリードする日本ブランドだけではありません。


今回のイベントが評価されるのか、実際のビジネスにつながるのか、コムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)とコラボレーションした山縣良和のようにラグジュアリーブランドや世界のトップブランドとのコラボレーションなどにつながるのか。それとも、日本のデザイナーのモチーフやアイデアはおもしろいけど、で終わってしまうのでしょうか。今後への影響という意味でも注目されそうです。


(写真はこれまでのプレゼンテーションのものです。今回のイベントとは関係ありません)






































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