ヨウジヤマモト2014/2015秋冬コレクション(YOHJI YAMAMOTO)




アートや日本、東京的なものと原宿でも流行している目玉。ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)は2014/2015秋冬コレクションで、山本耀司らしいビッグルックに笹田靖人の絵を乗せることで、タブーとしている(あるいは嫌いな)はずのアートや日本的なモチーフにチャレンジした。


本物の目の周りに、眉毛やまつげのようなメイクを施し、目を強調した今回。スタートは、数シーズン前の身体の美しさやハイヒールに挑戦したコレクションとは対照的な、ビッグなコートやケープ。80年代のカラスルックやコレクションのフィナーレ、着物、布団などを思わせるシルエット。山本の得意としているビッグルックを更に強調したような黒のデザインだ。


だが、今シーズンのコレクションは黒だけでは終わらない。ビッグなコートやケープの上に、2007年にはAKB48劇場で「AKB48イラスト展」を行ったこともある、笹田によるプリントや日本的なモチーフが次々と加わっていく。ビッグや重ね着、左右非対称の美などはあるものの、20年近く前に発表した、着物に靴をあわせた坂本龍馬のようなコレクションなどを除き、日本を思わせるコレクションをほとんど行わないヨウジヤマモトの服と「キモカワ」をアートに仕上げた目玉、口。山本を思わせる骸骨と美しい花を鎖で縛り付けたプリント。マンガ、リボンを付けた風神雷神、ロボット、歯車、富士山、動物、赤ちゃんなどが、時に入れ墨のように、時に着物やコラージュ、シュールレアリスムのように無秩序に共存する。それは東京的であり、歌舞伎者という言葉を思い出させるほど、力強い。


そして、大胆でショッキングなモチーフ。ビッグで直線的なラインはキャンバスのようにも見える(実際に着物は海外ではアートのように飾られるし、布団アートなども存在するが)。派手なプリントやモチーフはメンズでもよく使うもの。だが、メンズのようにユーモラスなものではない。目玉で作った目玉焼きのようなプリントもシリアス。


服はアートではない。アートコンプレックスなんか捨てちまえ。といいそうな、山本の作るそれらの作品は、アートや目玉、ラグジュアリーブランドのような、日本の現代アーティストとのコラボレーションぐらい、いつでもできるよ、バッグじゃ無くて服でもできるよという皮肉なのか。レイヤードスタイルとともに得意とするビッグで布の流れを活かした服の上には、海外で求められ、ブログでも喜ばれる日本的なものや、いかにも東京的(原宿的?)な子供カルチャーを乗せても大丈夫という自信なのかもしれない。もっともヨウジヤマモトらしいものとタブーの共存する挑戦的なコレクションだ。











































































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