２０１２年春夏パリコレクション会場スナップをスナップする２リック・オウエンス

２０１２年春夏パリコレクションでも会場周辺はファッションスナップ隊やブロガー、そして大手有力新聞のスナップを撮影する超ベテランカメラマンや業界紙の記者、そのほかのよくわからない人まで、さまざまなカメラマンであふれかえっています。

でも、その行動はファッションスナップ隊と著名ブロガーとではまったく違います。

スナップ隊が狙うのは１シーズン前のコレクション作品を身につけたセレブリティやショーに出演するモデル達、あるいは一昔前ならファッションヴィクテムと言われそうな、センスがいいというよりも一目でわかる派手な服や仮装行列風のヘッドドレスを装着した人たちです。彼らの狙いはほぼ同じです。だから同じ人に集中し、集団で一斉に移動します。そして、次々に写真を撮りまくります。

一方、同じように会場周辺で撮影する場合でも、著名ブロガーの行動はスナップ隊とはまったく違います。彼らは一人で行動します。会場周辺を歩き回っていても、探している時間が長く、めったにシャッターを押しません。
しかし、彼らにとって、これはという被写体を見つけると、声をかけ、あっという間に撮影終了。ある程度すると、コレクション会場の中に入ります。

また、コレクション会場に入っても、カメラマンスペースには入らず、客席の最前列に座ります。もちろん、ここでも撮るのは撮りたいものだけです。コレクションカメラマンのように全点を全身、バストアップ、さらには小物や靴、フィナーレのデザイナーまで、すべてを撮るようなことはしません。メゾンやカメラマンとはまったく違う角度から、違う視点で撮影する。

コレクションがライブ配信され、数時間後には全点の写真が公開されるいまだからこそ、彼らが求められているのかもしれません。