今回は、N会員のコラムです。
「見守りの原点」
私が見守りを担当している82歳のお婆さんは、草花の世話がお好きで、いつもある場所で土いじりをされています。
ある日、仕事に向かう途中、車でその場所を通りかかると、お婆さんがいつものように作業をしておられました。
私は、次の見守りに伺う日時のお話をしようと、車を停めて、お婆さんの側へ行き、しばらく話をしていました。
スケジュールの話だけではなく、色々なお話をして30分くらいその場所に居たと思います。
後日、お婆さんのお宅へ見守りサービスに伺うと、お婆さんが笑いながら次のような話をされました。
「あの日、私たちの後ろを犬を散歩に連れていた人が通っていて、あなたが帰った後にその人に、『お婆さん、さっき若いスーツ着た男の人と長い間話をしていたけど、何か買わされたりしてない?押し売りだったら、警察に連絡してあげようか?』と言われたのよ」
「だから私、押し売りではなくて、その逆なのよって言って、あなたの事を説明したのよ」
と大笑いしながらおっしゃいました。
怪しい人物に間違われた私の悲劇は別として、このエピソードは『見守り』の原点とも言うべき重要な要素を持っています。
見ず知らずの人でも、道すがらお年寄りを見つければ、気にかけてあげて、何か異変があれば声をかけてあげるという、基本的な見守りです。
地域社会の全ての人が、このような姿勢でお年寄りを見てくれていたなら、どれだけ多くのお年寄りが救われるでしょう。
とかく他人に無関心な人が多い現代社会において、お年寄りへのこうした自然な見守りの心が、わが町で生き続
けていたことを嬉しく思いました。
(終)