農家のおっちゃんのつぶやき

農家のおっちゃんのつぶやき

霞が関のお役人、銀行員を経て、農家に転身、そんな農家のおっちゃんの日常を覗いてみませんか?
デスクワークと違い自然相手は大変だけど、常に生きてるっていう感じを味わうことができるよ!!
これがスローライフってことかな!!

山口県の秋吉台が3億年前に海底の珊瑚礁だったって知ってた!?




3億年もかけ海から隆起して、美しい鍾乳洞やミネラル分をたっぷり含んだ土壌を育んだんだよね!!





その神秘の大地秋吉台の空の下から・・・





より美味しくより安全・安心なお米などの作物をより安く食べてもらいたいから・・・


ネットの直売店
をオープンしました。




有機質を含んだ堆肥はたっぷりと・・・


農薬は控えめに・・・




農家のおっちゃんこだわりの作物を貴方へ

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応援しています(*^^)v
防衛省技官・看護師から歌手へ転身!!
地元美東町出身の歌手
入山アキ子さん


『不如帰』(作詞 星野哲郎/作曲 櫻田誠一)
『溺れ酒』(作詞 悠木圭子/作曲 鈴木淳)
『ザンザ岬』(作詞 星野哲郎/作曲 鈴木淳)
『雨のよりそい花』 (作詞 悠木圭子/作曲 鈴木淳)
『きずな道』(作詞 悠木圭子/作曲 鈴木淳)
『紀淡海峡』(作詞 悠木圭子/作曲 鈴木淳)c/w『 秋芳洞愛歌』
2015.7.22(水)発売!『女・なみだ酒』作詞:悠木圭子 作曲:鈴木淳
          c/w 『追憶のタンゴ』作詞:悠木圭子 作曲:鈴木淳


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おっちゃんの弟の同級生なんだ(^_-)-☆

みんな応援してね!!




<おっちゃんのお米が食べられるお店>




◎ 秋芳洞の観光会館安富屋レストラン


食べログ山口


政府は5月26日に備蓄米を随意契約による放出を発表して、小泉農林水産大臣は、店頭に5キロ当たり税込み2,160円程度で並ぶのを目指すと発言して、実際に同価格帯で店頭に並びました。

 

そして農林水産大臣の交代から1週間もたたない中での発表でしたが、消費者からは称賛を持って受け入れられました。

 

その内容は、60キロあたり消費税込みで1万1556円、5キロに単純に換算すると963円で売り渡し、運送料は税金で賄うというもので、今まで店頭に並んだこともないような古いおコメでさえ、5キロ当たり税込み2,160円程度を実現するためには、多額の税金を投入しなければ実現不可能であることが実証されたということでしょう。

 

これはおコメの高騰に対する消費者の不満を受けての対応でしたが、統計を見る限りお米の価格が高いにもかかわらず、おコメの消費量はむしろ増えているという実態があります。

 

それにもかかわらず、これだけ安いおコメを政府が市場に投入し続けて良かったのでしょうか。

 

 

〇更なるお米の追加投入

 

ここにきて小泉農林水産大臣は、主食用として輸入しているミニマムアクセス米の入札を例年より前倒しし、3万トンの入札を今月中に実施するとしています。

 

これは、備蓄米には限りがあり、無くなればさらにコメが高騰するのではと報道されていることと「放出している政府備蓄米が尽きた場合、外国産米の緊急輸入も検討している」と発言したことが、単なる口先介入だけだと報道されていることへのけん制のためだと考えられます。

 

小泉農林水産大臣は、「私たちとしては、これはジャブジャブにしていかなきゃいけない。それじゃなかったら価格は下がらない。」と発言していますが、果たしてジャブジャブにすれば価格は下がるのでしょうか。

 

短期的に考えると卸売業者や小売店は、6年産米を高値で仕入れているため、いくらジャブジャブにしても原価を割る価格で販売すれば経営を圧迫するため値下げはできないでしょう。

 

それでも無理やりMA米などの安いコメを政府が流通させれば、先に仕入れたおコメが売れずに卸売業者や小売店は疲弊してしまい倒産するところも出てくると考えられます。

 

一般消費者だけではなく卸売業者や小売店で働く人たちも同じ国民です。

 

そのような卸売業者や小売店は、大半が通常の流通ルートにおコメが無かったから高値で仕入れざるを得なかった善良な業者だと思うのですが、もし、政府の安いおコメの大量投入で経営が悪化して大量の失業者が出たら政府は責任がとれるのでしょうか。

 

カルテルなどでおコメの価格が不当に高騰しているのであれば法に則った罰を与えればよいだけで、政府がやみくもに市場に介入して善良なる民間業者までも潰すというのは法治国家としてあってはならないことだと思います。

 

長期的に考えるとコロナ禍の需要低迷時におコメが市場にジャブジャブになったため、売りさばけなくなったおコメの価格低迷が農家の大量離農、過去最多のコメ農業の倒産、休廃業・解散につながったようにコメ農業に更なる打撃を与えるのは間違いありません。

 

6年産米のコメ価格上昇で多少の余裕ができたため、借金をして農業機械などを更新した農家が多いように聞いていますが、価格が下がればその打撃は相当なものだと思います。

 

当初の目的は価格高騰を抑制するためだったはずなのにいつの間におコメの値下げをすることになったのか・・・

 

確かに選挙を控えて国民受けは良いかもしれませんが、間違いなく政府が市場をゆがめており異常な価格高騰を止めるだけならまだしも値下げまで求めるのは政府としてやるべきことを逸脱しているのではないでしょうか。

 

やっていることは2013年に日銀の黒田総裁が開始した「異次元の金融緩和」のようなものですね。

 

その際にはデフレ脱却の目標として消費者物価の前年比上昇率2%を目指していました。

 

政府がコメ価格に介入するのであれば、せめて農家が必要な生産者価格を計算した上で、小売りレベルでの目指すべき販売価格を設定してからでないと高騰のあとは政府が主導した暴落になってしまう可能性もあります。

 

指標が無いと高騰にしろ暴落にしろ市場の行きすぎは抑えられないのではないでしょうか。

 

また、政府が介入するからには、コメ価格が暴落して農家に必要な生産者価格を割り込むようであれば、コストを賄える生産者価格との差額を政府が直接支払金で補償する必要があります。

 

〇令和の米騒動(米価高騰)の要因

 

そもそもなぜ今回のおコメの価格高騰が起きたのでしょうか。

 

ことの発端は、2018年(平成30年)に自公政権が経営所得安定対策制度を廃止したことでしょう。

 

この制度は、欧米先進諸国で農家に対して行われている直接支払制度に倣って、民主党政権によって制定された農業者戸別所得補償制度を自公が政権を取り戻したときに名称変更したものです。

 

SNSなどでは、「農家は昨年までのおコメの価格だと赤字だったというが、どのようにして生活していたのか」などといった記載を目にしますが、この制度があったためおコメの価格が安くても何とか経営が継続できていたのです。

 

それを自公政権は民主党政権の目玉政策であったがため直接支払制度を廃止してしまいました。

 

この時点で自公政権は、税金で補償するのではなくおコメの価格を上げて消費者に負担させることを選択したのです。

 

だから令和6年5月29日に成立、同6月5日に公布・施行された農政の憲法とも呼ばれる食料・農業・農村基本法には・・・

 

食料の価格形成において、食料システムの関係者(農業者、食品事業者、消費者等)により、食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないことを規定(第2条第5項)しているのです。

 

政府自民党は直接支払制度を廃止した代わりにお米の価格を上げようとしていたので、失言は多かったものの江藤前農水大臣が行っていた政策はある意味既定路線だったのではないでしょうか。

 

想定外だったのはおコメの価格高騰が止まらなかったこととコメ離れをしているはずの消費者の反応が思いのほか大きかったことでしょう。

 

それに7月の参議院選挙が控えていたため、今の政府による異次元のコメ放出をせざるを得ない状況に追い込まれたのだと思われます。

 

農家にしてみれば、十分な利益が出るのであれば、税金で補償されようが、おコメの買取価格が上がって消費者の負担が増えようが同じことなのです。

 

消費者から見ても直接支払分の税負担が増えるかお米の価格が上がった分の直接負担が増えるのかの違いしかないのです。

 (税負担が増えるといっても7年前までは支払われていたものです)

 

ただし、直接支払制度は税金で賄われるため所得再分配の機能が働き低所得者にとっては望ましいことです。

 

だからこそ貧富の格差が大きい欧米先進諸国では、国民に直接負担させるのではなく税金による直接支払制度を採用して人が生きるのに必要な穀物の価格を安く抑えているのではないでしょうか。

 

農業者戸別所得補償制度が始まったときには、農家に直接補償されることになったため、欧米諸国のようにおコメの生産者価格は下落したのですが、その制度が廃止されても価格は上がりませんでした。

 

これは先に書いた「お米の価格高騰①~農協は悪くないの?~」でも述べたとおり、2000年に大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(大店法)が廃止されて、郊外には大規模商業施設が乱立・・・吸収合併を繰り返して寡占化した結果、小売店が圧倒的な価格支配力をもってしまい、安いおコメはそれらの小売店の絶好の「客寄せパンダ」となっていたからです。

 

本来であれば直接支払制度が廃止されて利益が大幅に減少し農家が悲鳴を上げている中で、米価は上がる方向性だったのかもしれませんが、2019年(令和元年)末からはコロナ禍に突入し、おコメの需要低迷、膨大なコメ余りの中でさらにおコメの価格低迷が続いてしまいました。

 

コロナ禍では事業者を助けるために様々な補助金や無利子融資などが実施されたため、うまく利用できた農家や農業法人は何とか事業継続できたのかもしれませんが、ほとんどのコメ農家は大幅な赤字経営に陥り、農家の大量離農、農業法人の倒産、休廃業・解散が相次ぎ、2024年には過去最多を記録したのです。

 

そして全国耕作面積および農業産出額の4割を占める中山間地を中心に耕作放棄地が拡大の一途をたどったのです。

 

2024年夏のコメ不足は起こるべくして起きたことだったのです。

 

この時点で焦ったのは政府のみならず、これまで米価低迷をけん引していた農協や卸売業者などのコメ業界だったのではないでしょうか。

 

農業者や耕作地が減ることによって、肝心のおコメが需要を賄えなくなったら一番困るのはこれらのコメ業界だからです。

 

その上、気象庁が8月8日に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表したため、それでなくともコメ不足の中で消費者が一斉に買いだめに走ったため、小売店からおコメが消えるといった事態にまで発展してしまいました。

 

これによりあるはずのコメが市場に無いという政府発表の在庫情報や作況指数の不正確さからコメ業界や消費者は疑心暗鬼に陥り更なるコメの買いだめに走らさせました。

 

それが農協以外の商社などの集荷業者や卸売業者、小売、外食といった業者の農家からのおコメの直接高額買取りにつながったのです。

 

これで大量ロットを持つ大中規模生産者などは高額でおコメを販売することができて大きく収益は改善したかもしれませんが、そのような業者におコメを販売せずに今までの販売ルートである農協に出荷した生産者はそこまで収益が改善しなかったというコメ農家の2極化が発生してしまいました。

 

以前はSNSなどで、

 

「補助金に頼るのではなく農家も自助努力でおコメの付加価値を上げたり、自ら販売先を確保して利益を上げればよい」

 

といった論調があふれていましたが、今回のおコメの価格高騰はこのような業者に生産者が高額販売したことが一因と分かると手のひらを返したように

 

「農家がそのような訳の分からない転売ヤーの高額買取業者に直接販売したのが悪い」

 

とか

 

「そのような業者はコメ不足の時には高額買取するが、コメ余りになったら見向きもしないので今までの集荷業者に販売すべき」

 

といった論調が幅をきかせるようになりました。

 

高額買取といっても昨年は一俵(60kg)あたり24,000円程度の買取額が主だったようなので、5㎏玄米だと2,000円程度、流通・精米したとしても今の5,000円を超えるというのは少し高すぎるような気がしますが・・・

 

ここで問題だったのは、今までおコメの過半数を集荷していた農協の集荷量が激減したため、本来のルートでのおコメが出回らなくなってしまったことです。

 

今まで農協からおコメを仕入れていた卸売業者は中食・外食、学校給食、病院といったところと年間契約をしており、その数量は何としても集めなければなりません。

 

そのためおコメが余っている業者を探して高値でも数量を揃える必要性が生じてしまいました。

 

その上、物流の2024年問題が重なって流通価格が上昇しており、そのような重量物の転売が繰り返されるごとにおコメの価格は高騰していったのだと考えられます。

 

勿論、報道でもあるように今まで強い小売りなどの買いたたきで薄利だった卸売業者がそれなりの利益を抜くようになったというのも高騰の原因の一つであるとは思いますが、政府が一方的に責めるのではなくそれが必要以上の中抜きであるかどうかは検証の必要があると思います。

 

上の表を見る限り、おコメの消費は令和7年1月は対前年比106.8%、同年4月には102.7%と高値でも十分売れていたので、卸売業者も小売業者も強気に出ていたのは間違いないと思いますが・・・

 

〇安いお米が市場から消えた

 

6年産のおコメの流通量は政府発表の作況指数では考えられないほど少なく、安いおコメが無くなって価格が高騰しました。

 

それは近年の異常気象による夏場の高温により、おコメの品質が劣化して歩留まりが悪くなったからだと言われていますが、むしろ高温によりおコメの実太りが良くなり、「くず米」が減ったというのが安いおコメが無くなった大きな要因だと思います。

 

確かに夏場が高温になるとシラタ(白くなった未熟米)や水分不足による胴割れ米が増えてしまいます。

 

これらのおコメは、※色彩選別機やライスグレーダーで弾くため精米・袋詰めするさいの歩留まり率が低下してしまいます。

 

※色彩選別機:米粒の色の違いを識別し、品質の良いコメと不良品を選別する機械

※ライスグレーダー:小さいおコメなどを網目で選別する機械

 

それだけではなくここ2年くらいは、ライスグレーダーで弾く「くず米」と呼ばれるお米が異様に少なかったのが、安いお米が市場から消えた大きな要因だと思います。

 

農家で乾燥調整して販売規格に沿った玄米を取り出す際にはライスグレーダーの網目は1.85㎜~1.9㎜を使うところが多いのですが、冷夏の年などはお米の実太りが悪くなって「くず米」の中にきれいな正粒がたくさん混じります。

 

農家の中には少しでも利益を上げるためこれらの網下米といわれるおコメを自宅の飯米にしている人もいるほどで、少し粒が小さいだけで食べるのには全く問題はなく食味も普通のお米とあまり違いはありません。

 

「くず米」は1kg数十円という安い価格で業者が買い取っていくのですが、きれいな正粒だけを取り出せば消費者が普通のおコメと見分けるのが難しいため、激安で販売することができます。

(東北の2024年産米は「くず米」が多かったようですが、冷夏とは異なり極端な水不足と高温障害で実太りが悪くなった場合はシラタ米などの未熟米ばかりでくず米に正粒はほとんど混じりません。)


以前のスーパーやディスカウントストアなどの特売品のお米は、農家から見ても「なんでこんな安い価格でだせるんだ」って思えるようなものがありましたが、このようなおコメをうまくブレンドして販売していたのだと思います。

 

しかし、異常気象でそれらのおコメが激減してしまったため、特売の安いおコメがスーパーから消えたというのが実態なのではないでしょうか。

 

〇想定外の需要の増加

 

令和5年産米のお米が不足したことについて、政府はインバウンド需要が増加したことも理由の一つに上げていましたが、インバウンド需要がそこまでの影響を与えたとは思えません。

 

確かに令和元年産が714万トン、2年産が704万トン、3年産が702万トン、4年産が691万トンと需要は減り続けていたのに令和5年産は702万トンと想定以上の需要があったことがうかがえます。

 

これは米農家の離農が増えたため、離農者やその縁故米に頼っていた人がスーパー等で買わざるを得なくなったという影響が大きかったのではないでしょうか。

 

昨年は当農園にも「実家や親戚が農家をやめたので、おコメを分けてもらえないか」といった問い合わせが随分と増えました。

 

小規模兼業農家の場合、おコメで儲けるというよりは自らの飯米や親戚縁者に分けるお米を主体に作り残ったものを農協に出荷する人が多いようです。

 

今まで自らの飯米を作っていた農家や縁故米を分けてもらっていた人が、一般のコメ消費者になったことが想定外の需要増加につながったと考えるのが一番しっくりきます。


市場に出回らない縁故米は動向が分かりづらいブラックボックスでしたが、農家の離農が増えることによって表に出てきたのではないでしょうか。


このまま離農が進めば、耕作面積の減少だけではなく、需要の増加ということからも供給量が追いつかず転作分を主食米作付けに回したとしても再びコメ不足に陥ることになるでしょう。


〇政府がコメ価格に介入するのであれば、農家の直接支払は必須

 

江藤前農水大臣が行ったおコメの異常な価格高騰を止める程度の介入であればまだしも、今、小泉農水大臣が行っている小売り価格を指定した備蓄米の随意契約やミニマムアクセス米の入札の前倒しは、どう考えてもやりすぎです。

 

どうあってもおコメの価格を下げるんだという強い意思は伝わりますが、それだけで・・・価格が暴落したときの対応や今後のおコメに関する農政をどうしていくのかといった筋道が全く見えません。

 

政府が欧米諸国のように低所得者のためにコメ価格の引下げに舵を切るのであれば、農家への税金による直接支払は必須となります。

 

小泉大臣はコメ農家の安定的な経営の実現には価格の下落で売り上げが減少した際に一部を補償する収入保険が有効だとの考えを示して、「現時点では(収入保険を含む)既存の制度を活用してもらう。農家の経営リスク対応には収入保険が有効だ」と述べたようです。

 

この保険は自然災害による収量減少や価格低下だけでなく、災害で作付不能、病気などで収穫不能など、農業者の経営努力では避けられない収入減少を広く補償するものですが、あくまでも保険であり継続的な米価低迷や物価上昇によるコスト増には対応していません。

 

農家が収入保険のために日ごろから積み立てている資金※も含めて、物価上昇前の過去5年の平均収入より下回った額の9割を上限として補てんするというもので、全く無いよりはマシですがとても採算が取れるようなものではありません。

※積立金が必要のない保険方式もありますが、保険料が倍以上になります。

基準収入が 1,000万円の場合

〈積立方式〉

保険料10.8万円、積立金22.5万円、付加保険料2.2万円

〈保険方式〉

保険料23万円、付加保険料2.2万円


直接支払制度のように継続して原価割れするような生産者米価のコスト分を補てんして所得を補償するのとは用途が全く違うのです。

 

それに保険料が高いので補償下限を設けている人が多く9割の補償を受けられる農家はごく一部であり、他の損害保険同様に危険段階区分ごとに保険料率が決まっているので使えば使うほど保険料率が上がってしまいます。


これまでずっとおコメの価格が低迷していて原価割れしていたような状況でやっと価格が上がったと思ったら政府が意図的に米価を下げて「農家の経営リスク対応には収入保険が有効だ」というのはあまりにもひどいと言わざるを得ません。

 

その上、青色申告が必須条件であり「経営で何かがあったときのためにあるのが収入保険。まずは加入してほしい」といわれても、加入できる農家は大中規模農家くらいのものであり、すでに加入しているところがほとんどだと思います。

 

何度もいいますが政府として消費者のためにジャブジャブと安いおコメを市場に投入して介入するのは良いですが、政府が市場介入しておコメの価格を下げるのであれば生産者側の所得補償も必須となります。

 

今はおコメの価格を下げることばかりに目が行っていますが、忘れてはいけないのは今回のおコメの価格高騰の根本原因は、異常気象のみならず生産者の離農・倒産により耕作放棄地が増えて、国内の生産量が急激に減っていて需要量に対して圧倒的に供給量が足らないから起きているのです。

 

コメ農家はこれまで耐え抜いて耐え抜いてやっと生産者コストを賄えるような米価になってきたと思ったら政府に介入されて米価が下がるのでは夢も希望もなくやってられません。

 

もし、生産者米価が暴落してしまい、コメ価格上昇を見越して機械投資した農家や農業法人の離農・倒産が加速したり、コメの増産をしようとしていた米農家が失望から一斉に減産に転じれば、今以上のコメ不足に陥ることになるでしょう。

 

今高騰している肥料や農薬は変動費なので原価割れすれば、増産するほど赤字がかさむので間違いなく減産の方向に舵を切ると思います。

 

あくまでも生産者米価が上がって黒字の見込みがあるから増産に向かっているだけです。

 

政府が介入して価格を下げられ今後黒字の見込みがないとなれば、減産どころか離農、廃業、解散が増えるのは間違いないでしょう。

 

コメの増産は種もみや資材の増産が不可欠であるため、すぐに大量増産できるというものではありません。

 

おコメの価格が上がり、せっかく種もみやコメ増産に向けて舵を切ったと思ったら、政府が冷や水を浴びせて減産・コメ不足になる・・・

そうなれば国民も一斉に手のひらを返して今のコメジャブジャブ政策を批判することになるでしょう。

 

今政府がやらなければならないのは、コメ農家の収入を増やして安定させ、若者が農業を始めたいと思えるようにすることです。

 

平均年齢が70歳近い農業者が、子や孫に「コメ農家は大変だけどその分儲かるからやらないか」と言えるような状況にしていかなければ、日本の農業という産業は壊滅してしまうでしょう。

 

巷では「新小泉劇場」、単なる選挙向けのパフォーマンスだと言われていますが、これからのコメ生産や流通に係る農政をどのようにするのかといった政策なしにジャブジャブと安いお米を市場に投入するだけでは、そのように揶揄されても仕方ないのではないでしょうか。

4月に入ると稲の種まきが始まって、田植えが終わるまではほとんど休みなしで朝から暗くなるまで仕事をしてました。

 

やっと田植えが終わって、伸びに伸びた草刈り、夏野菜の支柱たて・誘引、西条柿の摘果作業が始まっていて相変わらず忙しい日々を送っています。

 

今年は2,530箱種まきをして・・・

 

 

ハウスと田んぼに並べました。

 

中山間部であるこのあたりの4月初旬は、まだ寒く苗の生育が悪いのでハウスが必要なんですよね〜

 

 

今は※密苗にしたので半分程度になりずいぶんと楽になりましたが、以前は4,500箱以上扱っていたので大変でした。

 

※密苗:密苗とは、通常100~150g(催芽籾125~187g)で播くところを、乾籾250~300g(催芽籾312~375g)で播くことで大幅な省力化・低コスト化・労力軽減などを実現する技術です。

 

ちなみに催芽籾で375gも播くと苗が弱すぎるので、当農園では300~315gで播いています。

 

この程度だと育苗中にローラーをかけて苗を折ってやると割と丈夫な苗になります。

 

それで反当り10~11箱程度なので以前に比べる作業量は半減します。

 

苗は20日~30日程度水やりなどの管理をするのですが、今年は途中で並べていた苗が大変なことに・・・

 

 

獣が苗を荒らして30箱以上苗がダメになってしまいました。

 

密苗って1箱1,000円以上するから30,000円以上がダメになったってことですね・・・

 

そして普通苗だと60箱以上がダメになったことになります(>_<)

 

ネズミなら食べた後のもみ殻が散らかっているんだけど、これはどう見ても遊んで掘り返しているだけだったので・・・

 

タヌキかハクビシンかなと思っていたんだけど、原因が分からないと対処ができないので定点カメラを買ってきて設置してみたら・・・

 

 

まさかのアライグマでした(>_<)

 

以前はアライグマなんて居なかったのにここ2~3年で随分と増殖したみたいです。

 

アライグマはアニメのラスカルとは違って爪が鋭くて凶暴なんですよね~

 

仕方がないので周りに電気柵を低めに張ったら来なくなりました。

 

苗は毎年ネズミや病気で数箱ダメになるので、1割程度は多めに播いていたんだけど・・・

 

よりによって一番数の少ないマンゲツモチの苗を荒らされてしまったので、薄く植えて何とか植えきりました。

 

何が起こるかわからない農業はこのようにリスクが高い産業なのですが、ハイリスク・ローリターンでは誰もやりたがらないですよね〜

 

代掻きには大量の水が必要になるため、水があまりとれない田んぼは雨が降ったときに代掻きをするんだけど、今年は特に問題なく田んぼを作ることができて田植えも順調に終わりました。

 

紅梅と白梅が見事に咲きそろいました。

 

 

いよいよ忙しくなってきました(-_-;)

 

最近はずっと土づくりをしているんだけど・・・

 

長雨で10日以上遅れているんだよね(>_<)

 

以前、米ぬかを撒いた畑に鶏糞堆肥を散布したよ!

 

 

生の米ぬかは糠油があるため有機質の分解が遅いから、鶏糞堆肥を混ぜて発酵を促進してやります。

 

3つの畑で1反6畝くらいに散布しました。

 

夏野菜は、例年ナスとピーマン、オクラを主に栽培しています。

 

そのあと田んぼが乾いたので、今度は牛糞堆肥を散布しています。

 

 

畑と違って田んぼは広いからなかなか進みません。

 

近くに秋吉台高原牛で有名なギンチク牧場(秋吉台肉牛ファーム)さんがあるので、そこから牛糞堆肥を運んで散布していますが・・・

 

化成肥料なら散布するのに1時間もかからない面積でも、堆肥散布だと1日以上かかるから思いっきり効率は悪いんだよね~

 

でも、土壌改良にもなるし・・・今は化成肥料の価格が高騰しているので経費節減にもなります。

 

おっちゃんとこで採れたお米のもみ殻は、ギンチク牧場さんに運んで牛の寝床に使われていて・・・

 

それが堆肥になって田んぼに帰ってきています

 

ちなみにおっちゃんとこで大量に出る米ぬかは畑の肥料にもなるけど、牛さんの餌にもなっています。

 

米ぬかを食べさせるとお肉の品質が向上するそうですよ!

 

牛糞堆肥ももみ殻も何もしなければ、只の産業廃棄物なので廃棄物削減にもつながっているんだよね

 

いわゆる循環型農業とか環境保全型農業っていわれている農法なんだけど、とにかく効率が悪いのが玉にきずですね(^^ゞ

 

多分、非効率なので大規模農家では取り組みが難しいし・・・周りに人家があるような場所では堆肥の散布は難しいですよね~

 

あと何日かかかりそうなんだけど・・・あまり雨が降らないことを祈ってま~す!

 日本の農業は大陸の広大な農地がある国を見倣って大規模化して効率化すべきという論調が幅をきかせていて、国の政策も近年はその方向で進められてきました。

 

 しかし、中山間地域の多い日本で広大な平野はほとんどなく、あってもそのほとんどがビルの立ち並ぶ都市部となっていて、とても飛行機で農薬散布などができるような土地はありません。

 

 できるとしても北海道くらいですが、それで日本の人口分の食料を賄うことは到底できないのが実態です。

 

 それに欧米先進諸国にしても、補助金による税金投入や移民政策などによる安い労働力があって初めて安い穀物生産ができているのです。

 

 そして国内の穀物生産価格を安く抑えることによって、

 

人件費の安い途上国などから輸入されてくる安い穀物との競争力を持たせて

 

低所得者に安く食料を提供するとともに

 

国内自給率が100%を超えるように政策誘導して

 

余ったら安く輸出をする

 

ことで農業が衰退しないようにしているのです。

 

 昨今の異常気象などで国内が凶作となったときには、備蓄ではなく輸出制限をすることによって国民が飢えないようにしているのです。

 

 実際に2022年9月にコメの輸出大国であるインドが同じような考えでコメの輸出制限をしたときには、世界のコメ相場が高騰してコメを輸入に頼っていた途上国は大変なことになりましたね。

 

 日本の場合は農業を守るために

 

・輸出米だけに補助金を付けて安く輸出したり、

 

・高関税をかけてお米の輸入を制限したり、

 

・凶作のときのために備蓄米で対応したり、

 

していますが国際感覚とは随分とズレていますね。

 

 日本でもそうですが、大規模化するにはその分高額になる農業機械や飛行機などが必要になります。

 

 大規模化したからといって必ずしもコスト削減になるとは限りません。

 

 例えば日本でも1~5ha程度の耕作面積だったら、100万円程度の4条の田植機1台、200万円程度の20PSのトラクター1台、400万円程度の2~3条刈のコンバイン、合わせて700万円程度でも耕作できますが、

 

 20ha以上耕作するとなると500万円以上する8条の田植機1台、1000万円程度の60PSのトラクター2台、2000万円以上する5~6条刈のコンバイン、合わせて4,500万円程度が必要になるのです。

 

 欧米諸国は補助金で購入しているとは思いますが飛行機による播種や農薬散布となると飛行場や格納庫など億を超える資金が必要になるのではないでしょうか。

 

 その上、日本の場合は四季があり、稲の植え付けも刈り取りも原則年一回それも期間が限られているので、一定面積以上になるとさらに同じだけの機械と人が必要になります。

 

 これが大規模化の限界です。

 

 以前のブログでも述べましたが、私は

 

中山間地域では一人10ha、一経営体2人で20haが限界で、

 

平地でも一人15~20ha、一経営体2人で30~40haが限界

 

だと考えています。

 

 それを裏付けているのが農水省の下図の調査で作付規模別の全算入生産費を見ても50haを超えるとむしろ生産費は増えています。

 

 大陸の大規模化とは規模が違いすぎるので、この限界は随分と異なると思いますが、日本とは前提が全く異なる欧米諸国の農法を「大規模化による効率化」という部分だけ切り取って真似をしてもうまく行くはずがありません。

 

〇日本の農業の効率化

 

(農業経営統計調査 令和5年産 米生産費(個別経営体) https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/seisanhi_nousan/pdf/seisanhi_kome_23.pdf

 

 日本は国土にあわせた農業の効率化を図る必要があると考えます。

 

 SNSなどでは小規模兼業農家は効率が悪く儲からないのであればやめた方が良いといったことを書きこむ人がいますが本当にそうなのでしょうか。

 

 上図の作付規模別の全算入生産費にオレンジ色と赤色の線を引いていますが、オレンジは0.5~1ha、赤色は1~3haを耕作している農家の物財費にあわせています。

 

 土日兼業でできるのは3haが限界だと思うのでそこで仕切ってみました。

 

 ちなみにこの図の「その他」は利子や地代などです。

 

 0.5ha未満は兼業農家といっても、ほぼ自家消費や縁故米※がメインだと思うので今回の検討材料からは除外しています。

 

※縁故米とは、農家が親戚や知人などに無償または有償で送る米のことを指します。

 

 兼業農家は労働費などがなくても物財費が支払えれば兼業収入があるため農業を継続できるし生活もできます。

 

 しかし、専業農家は他に収入がないため労働費などがないと借金なしでは農業の継続はおろか生活もできなくなってしまいます。

 

 上図のオレンジ色の線をみると1ha規模の兼業農家が農業を継続できる(物財費が支払える)ギリギリの収入では、1~15haの専業農家でも全算入生産費を下回っているので農業の継続や生活ができず

 

 赤色の線だと3ha規模の兼業農家が農業を継続できる(物財費が支払える)ギリギリの収入では、30~50ha以上の専業農家ですら全算入生産費に届かずに農業の継続や生活ができないのです。

 

 つまり、「小規模兼業農家が非効率で儲からない」とか「大規模専業農家が吸収し規模を拡大した方が効率化を図ることができる」というのは思い込みによるまやかしなのです。

 

 確かに大規模専業農家が赤字にならないギリギリの収入になる米価では、これらの小規模兼業農家の米の収入は少ないかもしれません。

 

 しかし、小規模兼業農家は、主業の収入がメインで稲作は土日でできる程度の労働なので、専業農家と同じだけの利益を得ることができるというのがそもそもおかしいのです。

 

 兼業農家は兼業収入で生活できるため自らの労働費を考えていない人が多く5年産米までの米価では物財費の部分まで赤字だったので、これだけ兼業農家の離農が進んだのだと思います。

 

 ちょっとしたボーナス程度の収入(労働費)があれば、兼業農家は十分やっていけるのではないでしょうか。

 

 ここで先ほど0.5ha未満の兼業農家は検討材料からは除外すると述べましたが、やり方次第では十分やっていけると思います。

 

 0.5ha未満の兼業農家の物財費が高額なのは、最低限の農業機械でも高額になってしまうことだと思います。

 

 昔のように手押しの歩行型田植機やバインダー型の小型の稲刈り機やハーベスターはほとんど見なくなりました。

 

 今でも歩行型の田植機や2条刈バインダーは50万円程度で販売されていますが棚田など極端に狭い圃場で使われるだけで効率が悪いので乗用田植機やコンバインが入る圃場で使っている人は見かけません。

 

 うちに初めて乗用田植機が来たときには、革靴を履いて田植えができると驚いたものでしたが、今ではそれが当たり前になっています。

 

 そして乗用田植機や乗用コンバインばかりになったので、農業機械は最低限のものでも高くなってしまいました。

 

 だから0.5ha未満の耕作面積だとそれらの農業機械の投資額を回収するのが難しくなってしまいます。

 

 ただし、その程度の耕作面積だと農業機械の稼働時間も圧倒的に短くなるので、

 

機械の更新を伸ばす

 

中古の安い機械を購入する

 

他の小規模農家と共同で農業機械を使用する

 

規模の大きい農家や農協に田植えや稲刈りを委託または農業機械を借り受ける

 

などで高額な物財費を圧縮すれば十分やっていけるのではないでしょうか。

 

 一番良いのは周りで離農する農家の圃場を預かって耕作面積を0.5ha以上にすることですね。

 

 他にも規模が大きいと水稲栽培に手間をかけることが難しくなるため、追肥を省くため一発肥料を使ったり、除草剤も一発処理剤を使用するのが一般的です。

 

 しかし、規模が小さければ高額な一発処理剤を使わなくても、昔ながらの安い肥料や除草剤で十分処理できます。

 

 雑草などは手で抜いても何とかなるでしょう。

 

 それに手間のかかる有機栽培なども可能になります。

 

 栽培方法や売り方次第では、高額な販売も可能になり利益率をあげることができます。

 

 このように大規模農家が利益を得ることができるだけの生産米価であれば、小規模だからといって必ずしも赤字になるわけではありません。

 

〇平地と中山間地域の米農家の特性

 

 米農家がお米で利益を上げる方法として

 

規模を大きくして薄利多売をする

 

規模が大きくできない場合は付加価値をつけた販売をして利益率を上げる

 

方法があります。

 

 ここで平地と中山間地域のメリット・デメリットを見てみましょう。

 

・平地のメリット

 

①海に近い平地の場合は、高低差の少ない比較的大きな規模の圃場が多いため、大規模化に向いています。

 

②全体的に圃場が大きく、そこまで行く農道も幅が広いことが多く、大型機械を導入することが可能です。

 

➂畦畔※の高低差が少ないので、除草剤を使っても畦畔が崩れるような場所も少ないので稲作で一番きつい畦の草刈りを省くことが可能になります。

 

※畦畔(けいはん)とは、田畑の境に設けられた土の盛り土や細長い土地のことです。あぜ、くろ、青地などとも呼ばれます。

 

④比較的昼夜を通じて温暖なところが多いため、稲の生育が早く生育期間が短くなります。

 

・平地のデメリット

 

①昼夜の寒暖差が少なく砂地の土壌が多いため、美味しいお米を作るのには不向きなところが多いです。

 

②既に米農家が大規模化しているところが多く、新たに参入するのは難しい。

 

・中山間地域のメリット

 

①昼夜の寒暖差が大きく粘土質の土壌が多く水もきれいなため、美味しいお米を作るには適しています。

 

 「登熟期間の日照が多く、気温の昼夜較差(日較差と言う)が大きいと、日中盛んに光合成する一方で夜間の呼吸が抑えられて米粒の充実が良く、デンプンが十分に蓄積して、収量が増えるとともに良食味となります。(引用:みんなの農業広場 良食味米の栽培法

 

 場所にもよりますが、同じ県内でも中山間地域と海に近い平地では平均気温が異なるためお米の生育期間が1カ月も違うところもあります。

 

 それだけ長い期間昼夜の寒暖差にさらされるため、中山間地のお米は美味しく育つのです。

 

②大規模化するのが難しく高齢化による離農で耕作放棄地が拡大しているので新規就農者などが参入しやすい。

 

・中山間地域のデメリット

 

①中山間地域は、高低差が大きい中で水を張る水稲栽培をするため圃場の均平をとるとどうしても圃場は小さくなってしまいます。

 

②中山間地域の山際などは農道が狭いところもあり、それに合わせると大型機械の導入が難しい。

 

➂圃場の高低差が大きいため畦畔が大きくなってしまい除草剤を頻繁に使うと崩れるので、重労働の草刈りをしなければならない。

 

④中山間地域は昼夜の寒暖差が大きいところが多く、稲の生育期間が長くなります。

 

 中山間地域の方が非効率で圧倒的に多くの労働力が必要となる代わりに美味しいお米ができますが、昔の食管制度の名残で未だに農協の概算金は県内統一で同じ価格に設定されているので中山間地域は随分と不利な立場でした。

 

 だから平地の米農家の大規模化は随分と進んでいるのに中山間地域は離農による耕作放棄地が拡大しているのです。

 

 しかし、近年は農産物直売所やインターネットの普及などで中山間地域のお米を直接販売する人が増えたため、農協や卸売業者に中山間地域の美味しいお米が集まらなくなってしまいました。

 

 以前は食味値の高い中山間地域のお米と平地のお米をブレンドしてそれなりの味を出していたのにそれができなくなってきているのです。

 

 だから近年は卸売業者が中山間地域に出向いて直接農家から農協の概算金より高い価格で買い付けをしているようです。

 

〇日本の農業の現状

 

 海に近い平地については、政府が推し進めてきたように大規模化・法人化をして効率化を目指せばよいと思います。

 

 大規模化すれば薄利多売でも原価割れさえしなければ、十分な利益を確保できるでしょう。

 

 実際に平地の米農家は随分と大規模化・法人化しており、6年産米の概算金であれば十分な利益を上げることができていると思います。

 

 効率化による薄利多売となるので、手間のかかる個人販売というよりは外食産業などとの直接契約や集荷業者への出荷が中心となるでしょう。

 

 稲作は倒伏しにくい品種に肥料を大量投入すれば収穫量を大幅に増やすことができます。

 

 ただし、肥料を大量投入するとお米が肥料太りして、タンパク質が増えるので食味値は落ちてしまいます。

 

 余談ですが肥料が少なすぎても窒素不足で背白粒や基白粒などの白未熟粒が増えてしまいます。

 

 適正な量の肥料を投入してお日様の光でしっかり光合成をしてできたお米が美味しくなるんですよ。

 

 私は個人販売をしているので美味しいお米を目指して反当(10a当たり)7俵前後で多くても8俵までを目指すように堆肥や肥料を入れていますが、肥料を大量投入すれば反当収穫量を倍とることも可能となります。

 

 今までは味にこだわって美味しいお米を作るために肥料を抑えた作り方をする農家が多かったのですが、味にこだわらず安ければ良いといった購入層に販売するのであれば、肥料を大量投入する方法で反当収穫量を増やすことも必要となってくるでしょう。

 

 あとは大きいロットの強みを生かして価格交渉をうまくすれば利益率も上がるでしょう。

 

 問題なのは離農が進み耕作放棄地が拡大している中山間地域の米農家です。

 

(参照:農水省HP https://www.maff.go.jp/j/nousin/tyusan/siharai_seido/s_about/cyusan/

 

 日本の中山間地域は全国耕作面積および農業産出額の4割を占めていて、このまま耕作放棄地が拡大していくと日本の食料を賄うことはできなくなってしまいます。

 

 農水省のホームページに記載されているように他にも洪水防止機能や土砂崩壊防止機能といった機能も有しています。

 

 また、最近、市街地に出没する熊や猿などの害獣が増えていますが、これは中山間地域に耕作放棄地が増えて山と里の堺が無くなってきているからであるといわれています。

 

 「お米の価格高騰④~農家が大規模化すればお米の価格は高騰する?~」の「大規模化・法人化の問題点」でも述べたように中山間地域は高低差があるため水路の劣化が早く、山際を通っているため落ち葉などが貯まり、溝上げなどに多くの労働力と時間がかかってしまいます。

 

 また、最近は山の木も金にならないので放置されているところが多く雑木などが伸び放題になっていて圃場が影になったり農道の通行の妨げになったりしているので、山際の雑木を切るといった作業も発生します。

 

 このように平地にはない大きな労働力が必要となるため、集約して少人数の大規模農家だけで管理するのは難しく共同作業をする小規模兼業農家が必要不可欠になってくるのです。

 

 平地との差を埋めるために政府は地域協定に対して「中山間地域等直接支払交付金」という補助金を出していますが、最近は豪雨災害による土砂崩れが頻発したり、イノシシなどの害獣が土手を崩したりする被害が増えているので、それらの土木工事をしたらあっという間になくなってしまう程度の額でしかありません。

 

 最近は集落戦略として協定農用地の将来像などを検討するようにいわれていますが、平均年齢が70歳を超えている人たちが集まって戦略を考えても明るい未来が見通せるわけがありません。

 

 中山間地域の農業を守るためには、「いかに離農を防いで若い農業者を増やすか」ということにかかっているのですが、政府の政策は、

 

平均年齢が70歳を超えるような人が集まった集落協定同士で協力すれば、補助金を加算するという「集落協定広域加算」を付けたり

 

「農産物のブランド化、加工、販売」「担い手への農地の集積、集約、農作業の委託」「機械、農作業の共同化」などをすれば補助金に「生産性向上加算」を付けたり

 

していますが、平均年齢70歳以上の農業者がこのような協力をしあっても、少しばかりの延命措置にすぎません。

 

 政府が米農家の大規模化を推し進めたため中山間地域でも法人化の波はありました。

 

 しかし、結局、高齢化した米農家がやっていけなくなりそうだから寄せ集まってできた集落営農法人がほとんどで、その中でも比較的若い人(60歳でも若い人になりますが)に仕事が集中してしまいどこの法人も経営が厳しいようです。

 

 中山間地域で必要なのは若い労働力であって、今のような政策は離農を少し遅らせる延命措置でしかありません。

 

〇中山間地域の米農家の進むべき道

 

 それでは中山間地域の米農家に明るい未来はないのではないかと思われるかもしれません。

 

 先に述べたように中山間地域でできるお米は、食味値が高く美味しいお米が多いという強みがあります。

 

 平地が薄利多売で利益を上げるのに対して、中山間地域では美味しいお米という付加価値を付けてブランド化できれば平地並みの利益を上げることも可能だと思います。

 

 今までは平地のお米も中山間地域のお米も農協に出荷すれば県内統一の同じ概算金でしか買い取ってもらえませんでした。

 

 だから美味しいお米が採れても非効率な中山間地域の米農家は圧倒的に不利だったのです。

 

 しかし、今は農産物直売所が普及しており、高くても美味しいお米を求めて遠くから買いに来るお客様も多くいらっしゃいます。

 

 それにスマホやカード決済などの普及により、誰でも気軽に通信販売でお米を買うことができるようになりました。

 

 平均年齢が70歳を超えるような中山間地域の米農家にインターネットを使った通信販売はハードルが高いかもしれませんが、若い新規就農者ならいくらでも挑戦ができるのではないでしょうか。

 

 本来であれば、農協の概算金も地域によってお米の価値に見合った金額にすべきですが、平地の農家から不満が出るのでなかなかできなかったのだと思います。

 

 しかし、中山間地域のお米が集まらなくなったら、農協も考えを改めざるを得なくなるのではないでしょうか。

 

 新規就農者には就農準備資金・経営開始資金、青年等就農資金(新規就農者向けの無利子資金制度)、農地利用効率化等支援交付金といった手厚い補助金がありますが、ほとんどの新規就農者は利益率の高い野菜・果樹農家になっているのが実情です。

 

 結局、米農家が儲からず、補助金が切れたらやっていけないのが分かっているからではないでしょうか。

 

 現在の物価高の中で米農家を始めようとすれば、1ha程度の耕作面積でも初期投資だけでも1,000万円近く必要になります。

 

 米農家の場合、秋に収穫するまで収入はありませんが、研修期間中に受けられる就農準備資金にしても、新たに経営を開始する際に最長3年間支払われる経営開始資金にしても12.5万円/月(150万円/年)程度では、生活するには厳しく米農家になろうとする人はなかなかいないでしょう。

 

 小規模農家がやっていけずに兼業農家になっていったように兼業収入でカバーをするにも、中山間地域には兼業できるような雇用先がなかなかありません。

 

 中山間地域の土地は労働力不足で耕作放棄地が拡大しているのですから、生産価格が原価割れしない適正価格になりつつある中で地方行政機関や農地中間管理機構※がうまくマッチングする方策を考えれば新規就農者が増える余地は十分あると思います。

 

※農地中間管理機構とは、都道府県、市町村、農業団体等が出資して組織されている法人であり、都道府県知事が県に一つに限って指定することで「農地中間管理機構」となります。 地域によっては「農地バンク」「機構」「公社」などと呼ばれています。

農地中間管理機構は、改正農業経営基盤強化促進法(令和5年4月施行)において法定化された「地域計画」に基づき、所有者不明農地、遊休農地も含め所有者等から借受け、担い手等へ貸付を行い、農地の集積・集約化を進めていきます。

 

 初期投資が大きすぎて最初から10haとか20ha耕作するというのは難しいので、1~5ha程度で始めて兼業先として地域で中核的な農家で働けばよいのではないでしょうか。

 

 そうすれば中核的農家の労働力不足も補うことができますし、新規就農者は経営ノウハウを吸収することができます。

 

 それに新規就農者の経営面積が広くなければ、空いた時間に農業機械を借り受けることもできますし、

中核的な農家がネット販売などをしていれば、そのプラットホームを間借りして手軽にネット販売を始めることもできます。

 

 また、逆に若い新規就農者が始めたネット販売などのプラットホームに高齢農家が間借りして地域のお米のブランド力を高めることも考えられます。

 

 最初から中核的な農家が新規就農者を雇用すれば規模が拡大してよいのではないかと思われるかもしれませんが、年間を通じて雇用するとなれば社会保険など余計な経費が増える上に今の米価でもとてもサラリーマンと同等の給料を支払うのは難しいでしょう。

 

 それに新規就農者が自ら考えて経営方針を決めて自分に合ったビジネスモデルを見つけ出すのが面白いのであって、

自らのやり方次第で平地の米農家以上の利益を上げることができるようになるのです。

 

 中山間地域の米農家の効率化は、平地のような大規模化による「規模の経済性」ではなく、地域で人材の最適活用をすることによってスキルやノウハウ、農業機械などの経営資源を新規就農者にも共有・移転することでシナジー効果を高め「範囲の経済性」で付加価値の高いお米を作り顧客満足度を高めることが必要だと考えます。

 

 高齢化している農家は年齢的に作業が厳しくなってくると、まず家から遠い場所など条件の悪い農地から耕作面積を減らすことを考えます。

 

 それが耕作放棄地が拡大している要因の一つなのですが、このような若い新規就農者が増えればその受け皿となって経営規模を徐々に拡大していくことができるでしょう。

 

 今は都市部への人口集中で中山間地域は空き家が随分と増えています。

 

 また、高齢化で離農しようとしている農家も激増しています。

 

 離農しようとしている農家から安く農業機械などを譲り受けて耕作地も継承できれば、新規就農者の初期投資などのハードルは格段と低く抑えることができます。

 

 一部の地域ではすでに行われているようですが、地方行政や農地中間管理機構が農業をやってみたい若者」とそのような「空き家」や「離農しようとしている農家」、「雇用を望む中核的な農家」のマッチングをもっと積極的にしていく必要があります。

 

〇まとめ

 

(農水省 令和6年農業構造動態調査結果(令和6年2月1日現在)https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/noukou/r6/index.html

 

 

 農水省の令和5年調査によると、耕地面積1ha未満の農家は47万8,700経営体(51.5%)で全耕地面積の7.8%を耕作しています。

 

 そのほとんどが中山間地域の小規模兼業農家ですが、平成22年には92万8,000経営体だったものがほぼ半減しているのが実態です。

 

 中山間地域の米農家は、小規模兼業農家も含めた労働力が無いと中・大規模農家だけでは稲作経営が成り立ちません。

 

 小規模兼業農家が半減したとはいえ今ならまだ間に合います。

 

 後継者のいない小規模兼業農家が離農する際に安く農業機械を譲り受けるなどの継承をうまくすれば、新規就農者は容易に稲作農業を始めることができるでしょう。

 

 そして今の生産者米価が続くという条件はありますが、地域の中核農家と連携して農業経営のノウハウを得ながらネット販売などの工夫をして規模を拡大していけば、新規就農者も十分な利益を得ることができるようになります。

 

 中山間地域では限られた耕地面積の中で新規就農者や後継者が、離農していく高齢者から農地や農業機械を継承していくという循環が保たれることが重要なのです。

 

 政府は令和3年度予算から新たに「経営継承・発展等支援事業」として、

 

地域の中心経営体等(地域計画のうち目標地図に位置づけ。畜産経営を含む。)の後継者が、経営継承後の経営発展に関する計画(販路の開拓、新品種の導入、営農の省力化等)を策定し、同計画に基づく取組を行う場合に必要となる経費を市町村と一体となって支援(100万円上限(国、市町村がそれぞれ2分の1を負担))する

 

という事業を展開していますが、現場から見ると新規就農者とのマッチングがうまくできているとは思えません。

 

(参照:農水省 経営継承・発展等支援事業(経営継承関係) https://www.maff.go.jp/j/keiei/keieikeisyou_hatten.html#jirei

 

 地方行政機関や農地中間管理機構が

 

空き家などを新規就農者に仲介

 

空いた農地の仲介

 

離農を考えている農家の仲介

 

地域の中核的な農家の仲介

 

など移住も含めてマッチングをもっと積極的にすれば、米農家を始めたいという若者は多いのではないでしょうか。

 

 また、効率の良い平地に比べて中山間地域の方がお米は美味しく作ることができます。

 

 農協も今までのように食管制度の名残を引きずって県内一律の概算金の価格設定をするのではなく、それぞれの労働力や食味に見合った適正価格で取引をするようにすれば、中山間地域も平地並みの収入を得ることができるようになります。

 

 卸売業者も平地と中山間地域のお米のブレンドで味を調えるのではなく、それぞれを価値相当で販売すれば、消費者は「食味は落ちるが比較的安いお米」と「高くても美味しいお米」を選ぶことができるようになります。

 

 既に一部のブランド米ではそうなっていますよね。

 

 マーケティングの基本は「ターゲティング」になりますが、平地の大規模農家は扱う大量のお米を生かして層の厚い低~中所得者層を顧客層とするのに対して、中山間地域の農家は美味しいお米を生かして中~高所得者層を顧客層として販売戦略を策定していくことが重要になります。

 

 新潟県などは昔から地域ぐるみでブランド戦略をとってきたので随分とブランド化していますが、全国ではまだブランド化できていない中山間地域の美味しいお米はたくさんあります。

 

 日本列島は山間部に囲まれているがゆえにほとんどの都道府県の中山間部では味の決め手となる昼夜の寒暖差が大きくなります。

 

 私の住む山口県でもお米の生育期間である5~10月の平均気温は新潟県とあまり変わらず近年は逆転しているようなときもあります。

 

 平地は大規模化による薄利多売方式で十分利益をあげることができますが、中山間地域は農産物直売所やネット販売などで消費者との直接取引をするなどの工夫をしなければなかなか十分な利益をあげることができません。

 

 米農家として新規就農をするのであれば、すでに大規模化している平地の農業法人に就職するというよりは、中山間地域で消費者と直接関わりながらいろいろな戦略を立てて利益率を上げて行く方が仕事をする上でのやりがいを感じることができるのではないでしょうか。

 

 大規模農業法人でサラリーマンの安定を求めるリスクはあるけど起業家として利益を求めるかの違いですね。

 

 収入保険ができたので以前と比べてそのリスクも随分と軽減されるようになりました。

 

 SNSなどを見ると、いまだに「農家になるには参入障壁が多い」とか「米農家になるには初期投資額が大きいうえに儲からない」、「農家になる方法が分からない」といった声が蔓延しています。

 

これは農水省をはじめとした行政機関の周知活動が足りないからだと思います。

 

 ここで紹介した農水省の支援事業などは条件が少し厳しすぎるかなと思うところもありますが、方向性としては間違っていないと思います。

 

 もう少し積極的に広報活動をして中山間地域に新規就農者を呼び込まないと日本の農業という産業は壊滅してしまうでしょう。

 

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冬野菜をすべて収穫し終えたので、畑に米ぬかを散布しました。

 

 

おっちゃんはお米の個人販売をしているから米ぬかが大量に出るんですよね(^^♪

 

米ぬかをこの時期に畑に散布して、しばらく置いてから鶏糞堆肥を散布する予定です。

 

 

米ぬかは糖質も多いから、甘くて美味しい野菜ができるんですよ!

 

それに米ぬかは、植物の葉や茎を生長させる効果がある「窒素」と、花びらを生長させる効果がある「リン酸」も多く含んでいます。

 

窒素(N)    2~2.6

 

リン酸(P)    4~5

 

カリ(K)    1

 

米ぬかには、上記の栄養素以外にも、ビタミンE、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールを多く含むため、土壌の微生物を活性化するのに最適なんですよ

 

(参照 おしえて!田舎センセイ!https://inakasensei.com/komenuka

 

発酵するときに窒素成分を吸収して「窒素飢餓」の状態になるから雑草も出にくくなるというメリットもあります。

 

ただし、生の米ぬかは糠油があるため有機質の分解が遅く作物に障害が出てしまうので、本来は米ぬかを発酵させてから散布するのが正解です。

 

おっちゃんとこは、これから水稲栽培が始まって長期間畑を休ませるので生の米ぬかと鶏糞堆肥を入れて畑で発酵させています。

 

以前は自作の堆肥枠を作って生の米ぬかを発酵させていたんだけど虫が湧いて大変になるので今の方法に変えましたが、畑を長期間休ませないのであればお勧めできません。

 

そのあと柿園に鶏糞堆肥を散布しました。

 

 

生鶏糞は根を痛めやすいので、もみ殻と混ぜて1年間寝かせた堆肥を散布しています。

 

窒素成分は随分と抜けているので少し多めに散布しています。

 

 

化学肥料が高いのでずっと鶏糞堆肥を元肥に使っていますが、収穫量も身太りも十分だと感じていますよ(^_-)-☆

 

まだ、残っているので明日も頑張りま~す!

紅梅が随分と咲きそろいました(^^)/

 

 

後ろの白梅はまだつぼみなんですけどね~

 

朝は大霜だったのに暖かい春は着実に近づいているみたいです。

 

着実に繁忙期が近づいてきています(-_-;)

 

 

本来なら2月中下旬には終わっているはずの西条柿の剪定がやっと終わって、剪定枝の片づけをしました。

 

 

剪定枝を片付けておかないと病気の温床になったりするんですよね~

 

枝を拾っていると午前中にはなかったタイヤの跡が・・・

 

 

どうも昼食を食べている間にモトクロスバイクが柿園に侵入したようです

 

見たら私有地だということは分かるだろうに・・・

 

おっちゃんの柿園は秋吉台の国定公園内に入っているんだけど・・・

 

オフロード車やモトクロスバイクがよく入ってくるんですよね~

 

以前、ぬかるんだ道にはまって身動きの取れなくなったオフロード車をトラクターで引っ張ったことがあるけど・・・

 

あまり荒らして欲しくはないですね!

 

その上、この時期はトレッキングをしながら山菜取りをする人たちもよく見かけます。

 

道の土手際でフキノトウなどの山菜採りをするのは良いけど私有地にまで入って採るのはやめてくださいね!

 

タラの芽などはわざわざ植えてあるものもありますし・・・

 

特に果樹園や畑周りだと除草剤などを散布していることもあるので気を付けましょうφ(..)メモメモ

 

柿園に侵入してくる嫌なやつは他にも・・・

 

 

この蹄は鹿ですね!

 

鹿は木の皮を剥いで枯らしたり・・・

 

苗木を植えていたら新芽を食い荒らして枯らしたりするんですよ(T_T)

 

剪定枝を拾っていたら・・・見つけました!

 

 

この糞はやっぱり鹿ですね。

 

こいつらは群で行動していることが多く、山で見かけるとギョッとすることがあります。

 

昔は銃を持った猟師さんがたくさんいて、巻狩(まきがり)をしていたので害獣は少なかったのですが・・・

 

最近は高齢化や銃規制も厳しくなって、銃を持つ猟師さんは少なくなってしまいました。

 

だから大人数で囲いを縮めながら獲物を追いつめて射止める巻狩はできなくなっちゃったんですよ。

 

中山間地で農業をやっているおっちゃんも農作物を守るために狩猟免許は取っているけど「わな猟」だけです。

 

わな猟では、とれる個体数が限られているので一向に減らず、お米も、果樹も、野菜も、近年はイノシシやシカとの闘いの日々です。

 

知り合いの農家さんがわな猟でイノシシに突進されて亡くなったりしているので、中山間地の農業は命がけです(>_<)

 

最近は中山間部の田畑が耕作放棄地になって山と里の境界が無くなってきたので、都市部にも害獣が出没しているようですが・・・

 

自衛隊や警察が狩猟免許を取って、訓練で巻狩をしてくれないかな~

うちの紅梅がほころび始めました




梅の開花が進むのを見ながらまた忙しい日々が始まるな~って思ってしまいます(^^ゞ


今日はひな祭り


孫娘も1歳になり、娘がごちそうを作ってくれました。



やっぱり孫は可愛いですね~

 SNSなどを見ると・・・

 

 日本の食料不足を回避するには、

 

・農家が「原価割れしないような今の高い適正価格を消費者が受け入れる」か

 

・欧米諸国のように「農家の生産価格※と安い小売価格の差額を税金で補填する

 

しかないと言うと必ずといっていいほど、

 

・「非効率な小規模専業農家にやめてもらって、大規模化すれば効率が良くなり安い小売価格を維持できる

 

・「足らない食料は関税を下げて安いお米を輸入すればよい

 

といった議論が起こります。

 

※生産価格とは自由競争のもとで成立する商品の価格のことで,費用価格に平均利潤(各産業部門で生ずる利潤の平均)を加えたもの。(百科事典マイペディア)

 

 輸入ついては・・・

食料供給困難事態対策法について考える~世界的に食糧が不足する?~」などでも述べたとおり、世界規模でみるとお米を含む食料不足とその獲得合戦が繰り広げられています。

 

 日本が世界的に栽培規模の小さい短粒種(ジャポニカ米)を大量に輸入するとなれば、相場は急騰して今の価格以上で購入しなければならなくなる可能性は高いと思います。

 

 例えばカルフォルニア米にしても、今はアメリカが税金を投入して国民に安く販売して余ったものを輸出に回しているので安く輸入できていますが、相場が上がって日本向けに栽培するとなると価格は高騰する可能性が高いでしょう。

 

 それに万が一台湾有事でも起きてシーレーン※が封鎖されれば、日本国民はすぐに飢餓に見舞われることになるでしょう。

※シーレーンとは、一国の通商上・戦略上、重要な価値を有し、有事に際して確保すべき海上交通路のことである。

 

 それでは、農業が大規模化すれば、効率が良くなって消費者は安い価格でお米を購入できるのでしょうか?

 

 「農家から見たお米の高騰の実情②~作況指数と収穫量予測の限界~」でも述べましたが、ここでは少し掘り下げてみたいと思います。

 

〇大規模化・法人化すればお米の価格が下がるのか

 

 まず、日本の農地面積の推移を見てみると昭和31年に601.2万haだった耕地面積は令和6年には427.2万haとなっており174万haも減っていて・・・

 

 そのうち田は332万haから231.9万haまで減少、その間で100.1万haも減ったことになります。

 

 平成25年(2013)※の田の面積が246.5haなので、それから平成6年までに14.6万ha減少していてその間の減少率は5.9%です。

 

 ちなみに日本の人口は、

 

 平成25年(2013)※の人口が127,414千人で、令和6年には123,779千人、その間に3,635千人減少しており、減少率2.85%です。

 

 人口が減少するスピードより圧倒的に田んぼの耕地面積が減る方が早いことが分かります。

 

※起点は総人口の推移のグラフの平成25年(2013)にあわせました。

 

 転作されている戦略作物等を水稲に戻せば、しばらくはお米の国内需要を賄えるかもしれませんが・・・

 

農家は転作するために麦や大豆の汎用コンバインや飼料用作物のロールベーラーなどの高額投資を行っている上に・・・

 

飼料用作物は畜産との契約もあるのですぐに水稲に戻すのは難しいという事情があります。

 

 それに転作面積も50万ha程度なので、いつまで需要を賄えるのか・・・高齢化による離農が加速度的に増えている状況では時間の問題ですね。

 

 ちなみに田畑別耕地面積の調査は空中写真(衛星画像等)に基づいて実施されていて、ほ場整備、宅地への転用等により生じた現況の変化を反映するため、単位区の情報を補正しているようですが、この田の中には耕作放棄地が含まれている可能性が高く、実際はさらに減っているのではないでしょうか。

 

農水省:作物統計調査令和6年耕地面積(7月15日現在)より

(農水省 令和6年産の水田における作付状況について(令和6年9月15日時点)https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/s_taisaku/attach/pdf/241011-3.pdf

 

総務省統計局 人口推計(2024年(令和6年)9月確定値、2025年(令和7年)2月概算値) (2025年2月20日公表)より

 

 次に農業の従事者数と年齢の推移ですが、「お米の価格高騰①~農協は悪くないの?~」でも触れたとおり危機的な状況です。

 

 2000年には240万人いた専業の農業従事者は2022年には半減して123万人にまで減少しています。

 

 その農業従事者も1960年には20〜30代が大半を占めていたのですが、新規就農者も後継者もほとんど就農していないため2020年には70歳以上が大半になってしまいました。

 

 そして令和6年の平均年齢は69.2歳になっています。

(参考 食料・農業・農村基本法改正法等に関する地方説明会資料 https://www.maff.go.jp/j/basiclaw/attach/pdf/240709-2-22.pdf)

※「基幹的農業従事者」とは、農業就業⼈⼝のうち、普段仕事として主に⾃営農業に従事している者をいう。

(農水省 農業労働力に関する統計より https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html

 

 上表の年齢構成や下表の耕地面積規模別の経営耕地面積割合をみれば、農家の高齢化などによって離農者が増えており、農業の1経営体の耕作面積は格段に増えていますが、引き受け手の農家も高齢化しているため限界の状態であることが容易に推察できます。

 

(農水省 農業構造動態調査経営耕地面積階層別カバー率より)

(農水省 令和6年農業構造動態調査結果(令和6年2月1日現在)https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/noukou/r6/index.html

 

 このような中で大規模化・法人化して効率化すれば、お米の価格が下がるという論調が報道やSNSで蔓延していますが、本当なのでしょうか。

 

 現在、小規模の兼業農家などは、水稲栽培では採算がとれないため自分たちの人件費も取れずに年金や農業以外で稼いだ資金をつぎ込んで農業をしています。

 

 それは欧米諸国が政府補助金を入れて農作物を安く販売しているのと同じことで、消費者からすれば実際にかかる経費を他から補填しているため安くお米を買えていることになります。


  ちなみに下表の作付け規模別の生産費をみると小規模農家の人件費その他を削った物材費だけだと規模の大きな専業農家の生産費とあまり差がないことがわかります。


 しかし、専業農家が大規模化・法人化すれば、実際にかかった経費を計算してそれ以上の価格で販売しなければ経営が継続できません。。

 

 当然、現在高騰している人件費も経費のうちです。

 

 確かに規模を拡大すれば、農業機械を大きくして単位面積当たりの作業効率は上がりますが、それにも限界があります。

 

 効率よく稲作をするには、田植えをするにしても苗を運ぶ人と田植えをする人、稲刈りをするにしても稲を刈る人と籾を運ぶ人の最低でも2人が必要になります。

 

 その上、田植え時期は育苗まですると苗が枯れないように水をやる人が別に必要ですし・・・

 

 稲刈り時期は、自ら乾燥調整する場合、乾燥機を空けないと次の稲刈りが出来ないので、それ以外に籾摺りなどをする人が必要になります。

 

 また、田植えや稲刈りは、適期にしなければならないので、作業ができる期間が限られています。

 

 適期にしなければ、収穫量や品質に大きな影響が出てしまうからです。

 

 当農園は作業効率の悪い中山間地にあたりますが、限られた期間、最低限必要な人数で効率的に作業するには一人10haが限界だと感じています。

 

 つまり、中山間地では一経営体2人で20haが限界ということです。

 

 いくら作業効率の良い平地でも1人で15~20ha(一経営体2人で30~40ha)が限界なのではないでしょうか。

 

 下表の「作付規模別の全算入生産費」をみても15haを超えたあたりから生産費の逓減は緩やかになり50haを超えるとむしろ費用が増えています。

 

(農業経営統計調査 令和5年産 米生産費(個別経営体) https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/seisanhi_nousan/pdf/seisanhi_kome_23.pdf

 

 そして、その限界以上の面積になると新たな人員と農業機械が必要となってしまうため、規模が大きければ大きいほど効率が良くなるというものではありません。

 

 小規模兼業農家では兼業収入で生活できるため無視できる人件費についても、大規模化・法人化すれば労災保険などの社会保険等もかかるため年収以上の経費が必要になってきます。

 

 その他にも売上1,000万円以下の小規模兼業農家が免除されている消費税や税務にかかかる経費など、経営には不可欠な経費が随分と増えます。

 

 現在、人件費のみならず農業機械も高騰しています。

 

 農機具メーカーも高齢者の離農によって小さな農業機械が売れなくなったため、その分が大型農業機械に加算されています。

 

 例えば政府が平成18年10月から順次農業機械にも排ガス規制を導入したため、1千万円で買えていたコンバインが1千300万円になり今では2千万円超とのことなので、とても買い替える余裕はありません。

 

 これらをすべてお米の価格に転嫁すれば高額になるため、今のお米の買取価格でも採算を取るのは厳しくなります。

 

 確かにお米の販売価格が原価を上回っていれば、規模が大きければ大きいほど農業所得は大きくなりますが、原価を割ってしまうとむしろ赤字幅も規模に応じて大きくなってしまうのです。

 

 小規模兼業農家であれば、原価割れした赤字も人件費を削ったり兼業収入で補填することができるので経営を継続できますが、大規模になると赤字額も高額になり借金のほかに補填する方法も無いので廃業・倒産に追い込まれてしまうのです。


 これは稲作農家だけではなく今話題になっているキャベツなどの野菜栽培農家も同様なのですが・・・

 

 実際に東京商工リサーチによると

「2024年の『農業』倒産は87件(前年比12.9%増)で、コロナ禍の影響で年間最多となった2020年の80件を超え、過去最多を更新した。

負債総額は192億6,000万円(前年比47.0%増)で、前年の約1.5倍に膨らんだ。

負債10億円以上の大型倒産が7件(前年3件)と2倍以上に増えたのが大きな要因。

業種別では、野菜作農業などの『耕種農業』が最多の58件(前年比26.0%増)と約7割(66.6%)を占めた。」とのことです。

(参考:2024年の「農業」倒産 過去最多の87件 きのこ業者や農業ベンチャーの倒産が増加 https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200838_1527.html

 

 また、帝国データバンクのレポートによると

「コメ高値でも苦境 『コメ農家』の倒産・廃業、過去最多で2024年に発生した米作農業(コメ農家)の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は6件、休廃業・解散(廃業)が36件発生し、計42件が生産現場から消滅した

とのことです。

 

 これも集計対象は負債1000万円以上法的整理による大型の倒産だけなので、実際はもっと多いと考えられます。

(参考:「米作農業」の倒産・休廃業解散動向(2024年) https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250112_rice/

 

 今回の米騒動では、新規参入の集荷業者などが農家からお米を高値で買いあさったのが価格高騰の原因の一つと考えられています。

 

 そのような業者は小規模農家で集めるよりも乾燥調整施設を持つ大規模農家で集めたほうが効率がいいので、大量のお米が買い取られたのではないでしょうか。

 

 大規模農家は、取り扱うお米のロットが大きいため有利に価格交渉を進めることができ、小規模農家より高値で売ることができると考えられます。

 

 逆に米が余っているときは買いたたかれるのではないかと思われるかもしれませんが、そのような集荷業者は農協の決定する概算金より安く買い取ることはありません。

 

 それに大豊作になってお米の価格が暴落したら・・・

消費者はお米の価格が安くなり喜ぶかもしれませんが・・・

大規模農家は収入保険で多額の公金注入(税金)が必要になリますね。


 今の状態だと耕作放棄地の拡大は止まりそうもないので大量の米余りになることは考えづらいですが・・・


 経営耕地面積割合をみると耕地面積10ha以上の中・大規模農家は、平成29年には半分(51%)程度だったのに令和6年には63%まで割合が拡大しています。


 これ以上小規模農家が減って大規模農家が増えると、その傾向は強まりお米の価格はさらに高騰する可能性が高いと思います。

 

 小さい下請け町工場が買いたたかれるのに対して、ある程度大きな下請け会社は扱うロットが大きいため価格交渉力が強くなるのと同じ理屈ですね。

 

 本来は大きなロットのお米を扱う農協がその役割を果たすはずなのに強い小売業の方を向いていて価格交渉力がなかったのが近年の米価低迷の原因だと思います。

 

 つまり、お米の価格が下がるどころか、大規模農家が増えれば増えるほど正規ルート以外の流通経路をとおる高値のお米が増えて価格高騰につながる可能性が高いのです。

 

 近年はお米の価格低迷や高齢化による離農が相次ぎ、その一部を吸収した農家が大規模化しているので、それが今回の価格高騰の一因だと考えられます。

 

 消費者にとってお米などの農産物は採算度外視の小規模兼業農家が多い方が安く購入できていたということですね。

 

 もっとも採算度外視の小規模兼業農家がお米を農協に出荷するため・・・

農協のロットが大きくなり圧倒的な価格支配力で安い概算金を設定していたことで・・・

お米の価格が上がらずに大規模農家や法人の経営を圧迫していたとも言えますね。

 

今回は離農で小規模兼業農家が少なくなり、これまで農協にお米を出荷していた赤字に苦しむ中・大規模農家が、高値を提示した集荷業者に飛びついたため・・・

農協の集荷率が落ちてお米が集まらなかったので価格支配力が働かず価格高騰を招いたと考えられます。


〇大規模化・法人化の問題点

 

 政府が農業の大規模化を推進していたせいで、今では様々な弊害が出ています。

 

 例えば当地域でも30ha以上耕作していた農家が稲刈りの際にコンバインの転倒で亡くなり、残った耕作地をどうするかで問題になりましたが、規模が大きくなればなるほど離農の際の影響は格段に大きくなってしまいます。

 

 場合によっては、引き受け手がなく地域丸ごと耕作放棄地になってしまうこともあり、これからは耕作放棄地の拡大が加速度的に増えてくる可能性が高いと考えます。

 

 それと水稲栽培には水が不可欠なので田植えの前に地域の水利組合の組合員などが集まって、ため池や用水路の草刈りや溝上げなどを行っていますが、一昔前までは20~30人いた組合員が高齢化による離農で今では10人以下になるなど水稲栽培の危機となっています。

 

 「雨水などをため池に貯めたもの」や「川の上流をせき止めたもの」を用水路に流して田んぼに水を張るのですが、用水路は一地域にとどまらず長いもので5~10km以上にもなるので、とても10人程度の人数で管理できるものではありません。

 

 その上、離農で耕作放棄された圃場はよほど条件の良いところしか引き受け手がいないため、上流の山際あたりは耕作放棄地ばかりで管理されていないことが多く、用水路の溝上げや草刈りが非常に困難になっています。

 

 今はまだ用水路に水が流れているので何とかお米が作れていますが、それができなくなれば用水路沿いの田んぼは軒並み耕作放棄地になってしまいます。

 

 他にも以前は農家が多かったので農道の整備なども共同で行っていましたが、今では人数が少なく難しいのが現状です。

 

 多分、政府は「中山間地域等直接支払制度」などの補助金を活用すれば何とかなるのではないかというかもしれません。

 

 しかし、地域の高齢化・過疎化による絶対的な労働力不足の中で、それらの作業を委託できるとすれば土建業者くらいですが、その程度の補助金額ではとても対処できません。

 

 むしろ、今までは農家がボランティアに近い安い労働力としてそれらの作業を行っていたから日本の稲作が安いコストでできていたということです。

 

 大規模化・法人化しても、それらの作業ができるだけの、つまり、それまで耕作していた人数と同じだけの労働力を確保して、人件費が出せるのであればこれらの問題は解決するのですが、そのためには欧米のように政府が直接支払いの補助金で補填するか今以上のお米の価格転嫁をするしかありません。

 

 今以上のお米の価格高騰に消費者が耐えられるかどうかの問題はありますが、いずれにしてももう時間はあまり残されていないので、早急にいずれかの対策をする必要があります。

 

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お米の価格高騰①~農協は悪くないの?~

備蓄米放出~お米の価格はどうなるの?

お米の価格高騰②~適正価格ってなに?

お米の価格高騰➂~転売ヤーや生産者は法律違反にならないの?~

 結論からいうと・・・

 

 お米の転売を行っている転売ヤー保健所に「営業の届出」をしていなければ「食品衛生法」違反となる可能性が高く・・・

 

 もし、衛生管理に不備がある場合や販売したお米で健康被害が出た場合は、罰則が科されることになります。

 

 (自ら収穫したお米を精米・販売する農家は原則として届出不要
 

 罰則:1~3年以下の懲役、50万円~300万円(法人の場合1億円以下)の罰金等が科されます。
 

 

 また、「米穀の出荷又は販売の事業の届出」を行っていない事業者に大量のお米を販売した農家「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」違反になる可能性があります。

 

 そして、大量のお米の転売を行う新規参入の事業者なども届出を行っていないとこの法律違反になる可能性が高いですね。

 

 罰則:届出をしなかったり虚偽の届出をして米穀の出荷又は販売の事業を行った場合には50万円以下の罰金が科されます。

 

 

 今のネット報道やSNSなどを見ると今回の価格高騰を受けて転売ヤー非難が繰り広げられています。

 

 確かにお米を買い占めて米不足を招き、それを高く転売する人や業者が良いとはいえません。

 

 しかし、根本的な原因は農家の高齢化で離農が相次ぎこの先も米不足が常態化してくるだろうという予測のもとにそのような行動が起こっているのではないでしょうか。

 

 日本の歴史を見ても、過去の米騒動は戦後の食料不足や悪天候による凶作といった理由による米不足の中で儲けようとする転売ヤーによる買い占めに端を発していました。

 

 資本主義経済の中で、不足する物資を安く買って高く売るというのに違法性はなく、モラルの問題はあるかもしれませんが正当な商行為といえます。

 

 もちろん、その商行為の中に脱税など法律に違反する行為があれば別ですが・・・

 

 今のところ転売が違法行為になるのは、チケット販売、コピー商品・模倣品・海賊版などの販売、酒類の販売、拳銃や指定薬物など本来違法な商品の販売などで、お米の転売自体は違法行為ではありません。

 

〇知らずに転売ヤーや生産者が法律違反を犯している

 

 お米の場合も1年間に精米換算で20トン(20精米トン)以上の出荷又は販売の事業を行おうとする場合は、事業開始前に開始届出書を提出する必要があります。

 

 20精米トンといえば、玄米を精米すると約1割減なので370俵(740袋/30kg)程度なので、少し大きな農家であればそれくらいの量を直接外食や集荷業者などに販売しているのではないでしょうか。

 

 なお、生産者が自ら生産した米穀を農協などの届出事業者に出荷販売する場合、届出の必要はありません。

 

 私の場合、ネット販売などを行っていて2015年に個人販売量が20精米トンを超えそうだったので届出をしました。

 

(農水省 米穀の出荷又は販売の事業の届出等についてhttps://www.maff.go.jp/j/seisan/syukka_hanbai_todokede/

 

 今回の米騒動ではこの届出をしていない事業者や個人による買い占めも相当あったように思いますが、そのような事業者や個人に20精米トンを超えて大量に販売した生産者も法律違反になってしまうのです。

 

 届出をしなかったり虚偽の届出をして米穀の出荷又は販売の事業を行った場合には50万円以下の罰金が科されます。

 

 今は届出事業者は地方農政局での閲覧しなければ、届出している業者なのかどうかもわからないので農家は農協より高い価格を提示されれば、その業者に売ってしまいます。

 

 これを機にもう少しこの法律のことを周知徹底するとともに届出証などを作って販売の際に提示するかインボイス制度の適格請求書発行事業者のようにネットで簡単に届出業者を閲覧できるようにすれば、お米の売買の際のけん制にもなり、農家も知らずに法律違反を犯すことも少なくなると思います。

 

 今回、農水省は消えた21万トンのお米を調べると言っていますが、多分、この届出を基に調査するのではないでしょうか。

 

〇お米の表示制度の改正による影響

 

 令和3年7月から消費者に販売する際の玄米・精米の表示制度が変わっています。

 

(消費者庁 令和3年7月から玄米・精米の表示制度が変わります。 https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms202_210526_02.pdf

 

 以前は農産物検査法による証明を受けていない場合、販売の際に品種と産年を表示することはできませんでした。

 

 それがこの改正で、検査をしていなくても品種と年産を表示して販売することができるようになりました。

 

 この資料では「〇〇ライス(生産者名)確認による」と記載されていますが、産地・品種・産年の根拠を確認した方法は必ずしも表示する必要はありません。

 

 消費者側からすれば、スーパーなどで買ってもそれが1等米なのか2等米なのかなんて分からないのでこの制度改正があっても今までと何も変わりませんが・・・

 

 これによって農家は検査手数料を払って検査をしなくても、品種と年産を表示して販売することができるようになったため、直接販売や農産物直売所などを通じて消費者への販売が容易に行えるようになりました。

 

 お米の検査は、農産物検査法に基づき、生産者が生産した米穀等についての品位等検査を行うことのできる知識および技能を有する農産物検査員が行っています。

 

 今までは検査をしていないと年産も品種も表示できず「未検査米」という表示でしか販売できなかったため、農家が直接販売するのはハードルが高かったのです。

 

 そして検査員がいるのは農協やその他集荷業者が多かったので、それらの集荷業者にお米を出荷せざるを得ないという状況でした。

 

 今回は農家の直接販売が、お米の価格高騰の一端を担っているといわれていますが、この改正で農家が消費者に直接販売しやすくなったのは間違いありません。

 

 しかし、守るべき法令は他にも・・・

 

米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(米トレーサビリティ法)
 「米トレーサビリティ法」に基づき、取引等の記録を作成・保存し、産地情報を伝達することが必要です。

 

(農水省 お米の流通に関する制度 生産者のみなさまへ https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/beikoku/attach/pdf/seisan01-1.pdf

 

 米・米加工品の取引、事業者間の移動、廃棄などを行った場合はその記録を作成・保存しなければなりません。

 

 違反すれば50万円以下の罰金です。

 

 消えた21万トンのお米の調査は、本来、この米トレーサビリティ法を活用するのが良いのですが、対象が多すぎて調査・集計をするにも莫大な労力と時間がかかるので、簡単に使えるような法律ではありません。

 

 この法律を機能させるためには、システム化して農家も含めてお米の行方をすべてデータベース化する必要がありますが、高齢農家にPCやスマホを使えというのも難しいですし、私程度の農家ですら農協の出荷以外に年間4~500件の顧客取引を行っているので、そのすべてをデータベース化するのも現実的ではありません。

 

 お米の場合、対象が多すぎて牛・牛肉のトレーサビリティのようにはいかないのです。

 

食品衛生法
 米穀卸売業・米穀小売業を営む事業者は、保健所に営業の届出等を行う必要があります。

(農水省 米穀卸売業・米穀小売業を営む皆様へ(チラシ) https://www.maff.go.jp/j/seisan/syukka_hanbai_todokede/attach/pdf/index-41.pdf

 

 お米の取扱規模にかかわらず、届出が必要になります。

 

 ただし、食品衛生法(昭和22年法律第233号)では

 

第四条 ⑦ この法律で営業とは、業として、食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することをいう。
 ただし、農業及び水産業における食品の採取業は、これを含まない。

 

と規定されています。

 

 生産者及び生産者団体が行う農産物の簡易な加工については採取業として扱っていて・・・

 

 精穀(精米、精麦)は、農産物の簡易な加工と認められています。(ただし、業として(請け負うなどして)行う場合は届出の対象)

 

 厚労省のQ&Aを見ると

----------厚労省HP引用-----------

問8 農業や水産業を営む者もHACCPに沿った衛生管理の対象となりますか。

 

1 農業及び水産業における食品の採取業は、食品衛生法上の「営業」に当たらないことから、HACCPに沿った衛生管理の対象外となります。 
 

2 個々の事例が採取業に該当するか否かについては、こちら(※)をご参照下さい。 
 

3 なお、採取業を営む者についても、食品等事業者であることに変わりはありませんので、食品等事業者の責務として、一般衛生管理を中心に、自らが取り扱う食品等の安全性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、採取等に関する関係規定を遵守することが求められます。 

 

精穀(精米、精麦等)〇 業として(請け負うなどして)精穀する場合は届出の対象

(一部引用 厚労省 HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A

 

 要するに農家が自分で採取したお米を精米・販売することについては、原則として届出の対象外だけど・・・

 

請け負うなどその販売方法によって米穀小売業と扱われれば食品衛生法の届出の対象となり得るということです。

 

 この「業」について保健所に確認したところ、農家が自ら栽培したお米以外を他の農家などから請け負って精米・販売する場合は営業の届出が必要だが、自ら栽培したお米の精米・販売をする場合は量の多寡は関係なく届出は不要とのことでした。

 

 実際に販売する農家からすれば、守るべき法令が多すぎて訳がわからないので法律を一本にまとめて届出を一回で済ませたいのですが・・・

 

 多分、ほとんどの農家が知らずにお米の個人販売を行っている可能性が高いと思います。

 

 ちなみに農家でもない個人の転売ヤーが届出を行っているとは思えないので法律違反を犯している可能性は高いでしょう。

 

 「猫の目農政」と揶揄されていますが・・・

 

 次から次へと法律・規則を変えるのは良いのですが、それを農家などに説明しなければ意味がないのではないでしょうか。

 

 「法令に書いてあるんだから、それを守るのは当たり前」という考えでは誰もついていけません。

 

 いずれにしても農家がお米の個人販売をしようとすれば、これだけのハードルがあるので本来であれば簡単に行えるものではないのです。

 

〇根本的な原因を解消しなければ今後も価格高騰は続く

 

 冒頭でも述べたように今回のお米の価格高騰は米不足に端を発しています。

 

 いくら転作している戦略作物を水稲に戻しても、それを超えるようなスピードで農家の離農が進めばお米の供給不足は続きます。

 

 離農のスピードの方が遅くても農家の平均年齢を考えると水稲に戻すはずの転作している圃場がなくなってしまい国内でお米の需要を賄えなくなるのは時間の問題です。

 

 それであれば今回いくら備蓄米を放出して価格高騰が収まったとしても、根本的原因である農家の高齢化による離農という問題を解決しない限り、米騒動は繰り返されることになるでしょう。

 

 輸入すればよいと思われるかもしれませんが、「食料供給困難事態対策法について考える~世界的に食糧が不足する?~」でも述べたとおり、世界規模でみるとお米を含む食料不足とその獲得合戦が繰り広げられています。

 

 日本が栽培規模の小さい短粒種(ジャポニカ米)を大量に輸入するとなれば、相場は急騰して今の価格以上で購入しなければならなくなる可能性は高いと思います。

 

 カルフォルニア米にしても、今はアメリカが税金を投入して国民に安く販売して余ったものを輸出に回しているので安く輸入できていますが、相場が上がって日本向けに栽培するとなると価格は高騰する可能性が高いでしょう。

 

 日本はいくら高くても輸入しないと食料がなくて自国民が餓えてしまうのですから・・・

 

 それを防ぐためにも、日本の農業の復興は急務です。

 

 そのためには農業が衰退した原因である

 

国民が高くても適正価格を受け入れて、米価低迷による農家の赤字体質を解消するか、

 

欧米諸国のように税金を投入して高い生産価格と安い小売価格の差を埋めてお米の価格を下げるか

 

しか方法はありません。

 

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お米の価格高騰②~適正価格ってなに?

 ネットのSNSをみると消費者と思しき方からは

「お米が高すぎる。備蓄米放出で適正価格になればいいんだけど・・・

といった書きこみをよく見かけます。

 

 一方で農家と思しき方からも

今が適正価格であって、今までが安すぎたんだ

という書き込みがされています。

 

 多分、消費者のいう適正価格と農家のいう適正価格というのには大きな乖離があるのではないでしょうか。

 

 消費者のいう適正価格とは、1年前のお米が安かった頃の価格のことであり、農家のいう適正価格とは、経費を差し引いでも十分生活できるだけの利益が出る価格のことだと考えられます。

 

 では、本来、適正価格とはどういったもので、いくらが正しいのでしょうか。

 

 工業製品にも言えることですが、モノを生産するために必要な原価よりも高く売ることで、生産者の利益が生まれます。

 

 工業製品であれば、需要に応じて生産量を決めることができるので、一般的には原価割れしたような商品が店頭に並ぶことはありません。

 

 しかし、農作物は天候や災害などによって豊作や不作となるため需要に応じた適量を作ることができません。

 

 だから豊作の年は供給過多となり原価割れするような価格の農作物が店頭に並び、不作の年には供給不足で価格が高騰するのです。

 

 豊作貧乏という言葉があるように豊作の年は忙しくなるだけで、農家は利益が出ず赤字になることも多いのです。

 

 また、不作の年は農業資材は通年どおり使っているのに農作物が採れないので、いくら価格が高騰しても利益が出ずに赤字になることも多々あるです。

 

 農家の利益が一番上がるのは、需要と供給が拮抗する平年作の年なのですが、近年は異常気象でなかなか平年作にならない年が多いのが実情です。

 

 豊作の年でも不作の年でも、最低価格が農作物にかかった人件費も含む費用(原価)以上で売れれば、農家が赤字になることは少なくなります。

 

 つまり、この原価以上の価格設定(農産物の利益が出る価格)が適正価格だと考えられます。

 

〇適正価格はいくらなのか

 

 農家の規模によっても利益率は異なるので、適正価格を求めるのは難しいと思います。

 

 適正価格ではありませんが、農水省の統計情報としてお米の生産費用を調査したものがあります。

 

(農業経営統計調査 令和5年産 米生産費(個別経営体) https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/seisanhi_nousan/pdf/seisanhi_kome_23.pdf

 

 この調査によると「令和5年産の10a当たり資本利子・地代全額算入生産費は13万2,863円で、前年産に比べ3.0%増加し、60kg当たり全算入生産費は1万5,948円で、前年産に比べ4.4%増加した。」となっています。

 

 6年産米の概算金※は軒並み1万6,000円以上を付けるような状態だったので、生産費が1万5,948円だと農家は皆利益が出ているのではないかと思われるかもしれません。

 

※米の概算金は、JA等の集荷業者が生産者の出荷の際 に支払う仮渡金であり、県単位で全農県本部・経済連が 決定しています。農協が卸売業者などに販売した「相対取引価格」との差額を、翌年12月頃に精算金として生産者に支払います。詳しくは「お米の価格高騰~農協は悪くないの?~」で説明しています。

 

(農業経営統計調査 令和5年産 米生産費(個別経営体) https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/seisanhi_nousan/pdf/seisanhi_kome_23.pdf

 

 実際、昨年は多くの米農家が黒字に転換したと思います。

 

 しかし、生産費用は経営規模によって随分と違います。

 

 1万6,000円の概算金だと作付規模が3ha未満の小規模農家は、赤字を解消できないのです。

 

 まあ、その面積だとほとんどが自家消費メインの兼業農家だと思いますが・・・

 

(農水省 令和6年農業構造動態調査結果(令和6年2月1日現在)https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/noukou/r6/index.html

 

 経営耕地面積規模別の経営耕地面積を見ても分かりますが・・・

1~10ha未満(小規模農家)の耕地面積は30%ですが、圧倒的多数である兼業農家はほとんどがここに位置しています。

 

 一部の条件の良い圃場は大規模農家が吸収するかもしれませんが、近年赤字経営が続いている中で今残っているのは引き受け手がいないから仕方なく農業を続けている人が多いのではないでしょうか。

 

 全国の耕地面積の30%を占めるここに位置する人たちが離農してしまうとほとんどが耕作放棄地となってしまい国内で必要なお米の需要を賄うことはできなくなるでしょう。

 

 そのためにも、適正価格はある程度の小規模農家でも採算が取れる価格でなければなりません。

 

〇6年産米の概算金は適正価格なのか

 

 6年産米の概算金なら大半の米農家が黒字になるのであれば、「それが適正価格なのではないか」と思われるかもしれません。

 

 しかし、農水省の米生産費の調査は2020年農林業センサスで把握した農業経営体に対して、対象品目ごとに作付面積規模階層別及び全国農業地域別に区分して実際の帳簿などを基に調査をしたものです。

 

 これは農業者の経営状況の実態をつかむのには有効かもしれませんが、適正価格を決定するために使うのには相応しくありません。

 

 あなたは今のように物価は高騰しているのに給料が上がらないため、生活が苦しく食べ物すら減らすなど爪に火をともす極貧節約生活をしているようなときに政府に家計簿を集計されて赤字が出ていないから今の給料が適正価格だろうと言われて納得しますか?

 

 米農家にしても同様で政府の直接支払制度が廃止され、それに追い打ちをかけるようなコロナ禍の需要低迷によるコメ価格の続落によって爪に火をともすような経営を強いられてきました。

 

 それでもお米を作らなければならなかったため、

①人件費を減らす

②本来、買い替えなければならないような農業機械を買い替えない。農業機械の使用後整備に出さない

➂肥料・農薬・除草剤を適正量より減らす

④ミネラル剤のような土壌改良剤を散布しない

といった経費節減で何とか耐え抜いてきました。

 

 これでも赤字になるようであれば、兼業農家は年金や兼業収入で補填、専業農家は借金をして何とか凌いできたのです。

 

 そのため、

①給料が少ないので労働力が集まらない

②農業機械が壊れやすくなり修繕費が高くなる

 途中で壊れる頻度が上がり作業効率が落ちる

➂肥料不足、雑草や病害虫被害により収穫量が大幅に減る

④食味が落ちる上に微量要素不足で倒伏しやすくなり収穫量が減る

といった負の影響が出ています。

 

 効率化のための経費節減は必要ですが、これでは収穫量減少による経営悪化の悪循環であり効率化とはいえません。

 

 このような状況で作成された帳簿を元にして算出した米生産費ではとても適正価格とは言えないでしょう。

 

 本来は農協が営農指導で行っているような手順と農業資材を投入したうえで、どれだけ経費がかかるのかを積み上げて適正価格を計算すべきです。

 

 それに今年もすでに4月から農業機械を大幅に値上げすると聞いていますが、物価高騰の中で1年前の帳簿データで生産費を計算しても、実際に栽培をするときには生産費は随分と上がっています。

 

 できるだけ直近の資材費や農業機械のデータを積み上げて適正価格を算出すべきではないでしょうか。

 

〇今の適正価格を試算してみました

 

 そこでざっくりではありますが、参考までに現在の農業機械価格のデータや当農園の帳簿などを元に適正価格を計算してみました。

 

※大中規模農家の農業機械は減価償却年数(7年)。小規模農家は農業機械の稼働時間が短いため長持ちするので耐用年数は10年に設定しています。

※大中規模農家はトラクターの作業機の交換に時間がかかるため2台以上所有している場合が多いので2台で計算しています。

※専業農家は、自ら播種をして育苗する方も多いのですが、コスト的にはあまり変わらないので農協などから発芽したばかりの発芽苗を買って育苗することを想定。小規模農家は兼業が多く休みの日に田植えをする方が多いのですぐに植えることのできる硬化苗を購入することを想定しています。

※バイト料は、田植時の苗の管理(2ヶ月)、稲刈り時の籾摺り(2ヶ月)を想定。時給1,000円、8時間/1日、30日/1か月で計算しています。

※消費税は簡易課税のみなし仕入れ率(80%)で計算しています。

※小規模農家は売上1千万円以下で消費税の納税義務免除の方がほとんどで、また兼業が多いため税金は考慮していません。

※大・中規模農家は法人の場合も多いと思いますが、ここでは法人ではない個人事業主の農業所得を想定しています。

 

 「農家から見たお米の高騰の実情②~作況指数と収穫量予測の限界~」で詳しく述べていますが・・・

 

 面積拡大による効率化には限界があるため効率の悪い中山間地だと一人10ha、一経営体2人で20haが限界だと感じています。

 

 また、効率の良い平地でも一人15~20ha、一経営体2人で30~40haが限界だと思うので大中規模農家は20haと30haで計算してみました。

 

 「30ha程度の耕作地で大規模農家なのか」と思われるかもしれません。

 

 一般的に大規模農家は効率の良い平地に多く60haとか120haあるいはそれ以上耕作している農家はありますが、効率化限界の30~40haを超えればその分の人と農業機械が新たに必要になるので、最小単位の30haでも大規模農家として扱っています。

 

 実際に上表の「作付規模別の全算入生産費」をみても15haを超えたあたりから生産費の逓減は緩やかになり50haを超えるとむしろ増えています。

 

 ここでは規模が1haの米農家がかろうじて採算がとれるように計算しました。

 

 いきなり大・中規模農家を始めるのは難しいので新規就農者の多くはこの規模から始めるため、小規模農家でも採算が採れることは重要だと思います。

 

 この計算では適正価格を2万4,000円に設定すれば、1ha規模の農家でも一人10万円の収入を得ることができます。

 

 そして中山間地の農家であれば20ha耕作して一人600万円の人件費を確保でき、平地の農家であれば30ha耕作して一人1,100万円の人件費を確保できます。

 

 もちろん帳簿上における人件費には労災保険などの法定福利費も含まれますので、実際のサラリーマンでいう年収は法定福利費を給料の半分程度と考えると中山間地の農家が年収400万円程度平地の農家が年収733万円程度になります。

 

 大・中規模農家は儲かるように見えますが、実際はこれ以外にも自分で播種すれば播種機や培土などが必要ですし、トラクターに取り付ける草刈り用の作業機や土壌改良剤を散布するブロードキャスターやマニアスプレッダ、肥料を散布するグランドソワーなどが必要になるので固定費は数百万円アップしてしまいます。

 

 耐用年数を超えてどれだけ使うかにもよりますが、この概算金でも実際の収入はまだ下がるでしょう。

 

 適正価格で販売されれば、規模により農家も随分と儲けることができます。

 

 そして、個人販売や作業受委託など行い利益率を上げるなど努力次第で、これ以上の農業所得を得ることも可能です。

 

 中山間地の方が利益率が低く儲けも少ないので不利ではないかと思われるかもしれません。

 

 確かに不利なので離農者も多く耕作放棄地は拡大の一途をたどっています。

 

 私も効率の悪い中山間地に住んでいますが、中山間地は平地と比べて水がきれいで寒暖差が大きく粘土質の土壌が多いのでお米は圧倒的に美味しくなります。

 

 平地は規模の経済性で利益率が上がり大きな農業所得を得ることができますが、中山間地は個人販売をすることで利益率を上げることができブランド力が付けば平地より儲けることも可能です。

 

 それに平地は儲かるため、すでに大部分の圃場は大規模農家が耕作していますが、中山間地は農家の高齢化もあり離農による耕作放棄地の拡大が止まらないような状況なので、新規就農者などは中山間地の方が圃場を確保して新たに農業を始めるのは容易でしょう。

 

 実際、耕作放棄地が広がっているような自治体や農協、農家は、新規就農者を歓迎していて随分と手厚い援助をしていることろが多いですよ。

 

 ネットショップなどの知識があり個人販売をしてみたいという方は中山間地で農業を始めてみませんか。

 

 政府もこのような試算をして公表しマスコミが報道すれば、もう少し新規就農者が増えるような気がします。

 

 ただし、規模が大きければそれだけ作業効率が上がって利益も大きくなりますが、米価低迷により販売価格が原価を割ってしまったら規模が大きい分だけ赤字額も大きくなるという大きなリスクがあることを忘れてはいけません。

 

 これは短時間でネットで仕入れた数字や自分の帳簿などを参考に規模割合などで推計して作成した「ざっくりとした計算」なので、これらすべてを農家に供給している農協であればもっと精緻な計算ができるでしょう。

 

 お米の価格高騰~農協は悪くないの?~で述べたのですが、農協がこのように適正価格を計算して概算金を決めれば、農家が赤字で苦しむことは少なくなり離農を防げるのみならず、経営が安定するので後継者や新規就農者も増えるのではないでしょうか。

 

 もし、これを概算金として設定すれば、6年産米の概算金が1万6,000円程度だったので、60㎏あたり8,000円価格が上がるということです。

 

 そして30㎏あたり4,000円、10㎏あたり1,333円、5㎏あたり666円上がるということです。

 

 なぜ、お米の価格がそんなに高くなるのでしょうか?

 

 肥料・農薬や電気代・燃料費の高騰もあるのですが、一番大きいのは元々高額な農業機械の高騰だと思います。

 

 数年前から農業機械の価格が倍増したものもあります。

 

 消費者は、「いきなりお米の価格が倍になるのはおかしい。」といっていますが、農家も高騰している農業機械に対して「いきなり農業機械の価格がこんなに高騰するのはおかしい。」といっているのです。

 

 農家が節約のため農業機械の更新をしなかったことや小規模農家の離農によって小型農業機械が売れなくなってしまい農機具メーカーも価格を上げざるを得ないという中で、さらに農家は価格が高くてなかなか更新ができなくなるという悪循環の状況に陥っているのです。

 

 もっともこの価格でも農家の生産者価格では、30㎏あたり12,000円、10㎏あたり4,000円、5㎏あたり2,000円なので流通で価格が加算されても今のように5kg5,000円以上なんてことは無いと思います。

 

 人件費高騰や運送費高騰もあるので流通で加算される価格がどれくらいになるのか分かりませんが、小売りレベルだと税込み5kg3,800円~4,000円程度が適正価格なのかもしれません。

 

〇政策と農業機械の高騰が農業経営に与える影響

 

 今政府はロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業を実現といってスマート農業を推進しています。

 

 全てが悪いとは言いませんが、トラクターや田植機の自動運転やドローンによる農薬散布などは農業機械の高騰に拍車をかけています。

 

 それらの研究開発には膨大な費用がかかるからです。

 

 農機具メーカーは農業の衰退で農業機械が売れなくなっているにもかかわらず、政府にスマート農業推進といわれて研究開発をしてそれにかかったコストまで農業機械の価格に上乗せされているのです。

 

 そして農業機械購入の際にそれらの機能が付いたものであれば、政府は補助金を出しています。

 

 確かに日本全体でみれば、それらの研究開発というのは必要なのかもしれませんが、それであれば農家に補助金を出しているように見せかけるのではなく農機具メーカーに直接、研究開発補助金をだせばよいのではないかと思います。

 

 そうすれば農業機械の価格高騰を少しは抑えることができ、ひいてはお米の価格も抑えることにつながるのです。

 

 ちなみによく「農家は補助金漬け」と言われますが、今の米農家への補助金はほとんどありませんし・・・

 

 あってもこのようにスマート農業に関する機能が付いた農業機械を買えばその一部を助成するというもので・・・

 

 それに釣られて農業機械を買い替えればむしろ出費が増えるといったものばかりで、実際にその補助金で儲けるのは農機具メーカーなのです。

 

 消費者から批判の多い転作補助金(水田活用の直接支払交付金)についても、日本での食料需給率が極めて低い大豆や麦、飼料作物といった戦略作物を作れば主食用米と同等の所得が確保できるよう助成するというもので、唯一自給率100%以上のお米を減らしてそれらの戦略作物を作ることによって、国全体の食料自給率を引き上げるという政策は間違ってはいません。

 

 5年産米のように需給と供給のバランスが崩れると問題になりますが、それらの作物は価格が安く補助金無しではだれも作らないので、今回の騒動で戦略作物から水稲に戻せば、それらの戦略作物の自給率が下がり日本全体の食料自給率は下がることになります。

 

 私の地域の農協に聞いたのですが、今回米価が上がったので水稲に戻す農家は多いようなのですが、高齢で離農する人も多いので全体のお米の作付け面積は変わらないようだと言っていました。

 

 日本全体が同じような状況であれば、7年産米も需給がひっ迫してお米の価格高騰は続くことになるでしょう。

 

 自民党の森山裕幹事長は、2月15日に福島県農業者政治連盟のセミナーで「ドローンなどを活用した『無人農業』を実現させることで『世界の人が求める日本のコメを適正な価格で輸出できる時代になる』と展望を示した。」とのことですが・・・

(福島民友新聞社2/16(日)「無人農業でコメを適正価格で輸出できる時代になる」自民・森山幹事長が展望)

 

 ドローンによる「無人農業」というのはGNSS(全世界の衛星測位システム)を利用したより正確な位置情報でドローンを飛ばして農業をすることだと思いますが・・・人が介さない農業で適正価格?・・・よくわからん・・・多分、冒頭で述べた消費者のいう適正価格のことなのでしょうか?

 

 例えばトラクターの自動運転にしても外周の耕起はできませんし、田植機の自動操縦や直進アシストなども昨年は太陽フレアの影響だと思いますが、まっすぐ植えてくれないといった問題が出たようです。

 

 そもそも今の法令では、誰かが居ないといけないので機械が高価になるだけでそれほど人件費の節約にはつながりません。

 

 自動車の自動運転もそうですが、すべてが無人で操縦できるようになったとしてもスイッチ一つで圃場まで行って自動ですべての作業を終わらせて帰ってくるくらいでないと労働力を補うほどの意味はありません。

 

 技術の研究開発は必要でしょうが、その際に事故が起きたりしたら誰が責任を負うのかなどの法整備の方が先なのではないでしょうか。

 

 そしてドローンによる農薬散布などは、もっとひどいですね~

 

 ドローンは高額なうえに損害保険料やバッテリー買換えといったランニングコストも結構高額になります。

 

 それに農協などは随分以前から、専門業者や農機具メーカーなどと契約して農家を募り広域のヘリ防除を行っていました。

 

 それなのに近年になって急にスマート農業といって大規模農家や集落営農法人などの集落単位レベルに補助金を出してドーローンを購入させています。

 

 これによって何が起こるのか・・・

 

 そのようなドローンは以前からある広域ヘリ防除よりも狭い面積での作業になるので、当然、全体で見ると作業効率は下がり、コストが上がります。

 

 その上、今まで広域ヘリ防除に参加していた農家が減るので、広域ヘリ防除の作業効率も下がりコストも上がってしまうため利用する各農家の委託手数料も上がってしまいます。

 

 今まで効率的にやっていた農薬の広域ヘリ防除が、スマート農業政策によって効率が落ちてしまっている典型的な例です。

 

 それにドローンによる防除は一人ではできませんが、0.5ha程度の圃場であれば旧来から行っていた畦際からの動噴による防除であれば準備も簡単で一人でできるためドローン防除よりも効率は良いのが実態です。

(結構な重労働なので広域ヘリ防除に任せていますが・・・)

 

 また、ドローンの操縦には資格が必要ですが、政府が農業へのドローン活用に積極的に補助金を出しているため、今では巷にドローンオペレーター教習とか認定講座などがあふれていて高額な受講料を取っています。

 

 それも非常に無駄なコストではないかと感じています。

 

 100ha以上の広域で耕作するような大規模の経営体ならまだわかるのですが、個別の農業者がドローンを購入してそれぞれ資格を取って作業をするより、従来どおり広域で専門の業者に外部発注をして分業化を図る方がはるかに効率的なのです。

 

 政府は農機具メーカーやドローンオペレーター教習にお金を落としたいのかもしれませんが、このように自動操舵やドローン防除の費用対効果は非常に低いので、そのお金を直接支払制度でもらった方がよほど効果的な活用ができると思います。

 

〇農家の皆さんは気を付けて

 

 そういえば某農機具メーカーが、今日「2025年4月1日より農機製品・補修用部品が値上がりします」というチラシを持ってきました。

 

馬力65PSのトラクターが63万8千円アップで1千万円超、33PSで35万7千500円アップで720万円超、25PSでも22万5千5百円アップで410万円超・・・

 

4条刈りコンバインが60万5千円アップで1千万円超、6条植え田植機が26万4千円アップで470万円弱・・・

 

 概算金アップで米農家が儲けると経費側の農業機械も即座に軒並み値上がりするので・・・

 

 もし、これで概算金が下がってしまうと農家は倒産するしかなくなりますね・・・

 

 経済がデフレ局面ではモノの価格は需給に応じて乱高下しますが、このようにインフレ局面では農機具経費などの原価も継続して上がっているため、一度上がった価格は多少の需給のブレ程度では大きく下がることはなくなります。

 

 つまり、小売りのお米の価格も原価を反映した適正価格であれば、大きく下がることはないということです。

 

 私もそうでしたが、昨年は大抵の米農家(3ha以上)が儲けていて黒字だったと思います。

 

 もし、米農家で赤字だったら・・・税務調査が入るでしょうね~

 

 庭先でお米の直接販売をした人も、ちゃんと帳簿を付けていますか?

 

 私の場合、以前から問い合わせで庭先の直接販売の要望が多くて対処しきれないので、ネットショップか農産物直売所で買ってほしいといって断っています。

 

 そして売上が1,000万円を超えたら、今まで免除されていた消費税が発生します。

 

 皆さんはクロヨン(9:6:4)トーゴーサンピン(10:5:3:1)といった言葉を聞いたことがありますか?

 

 これは課税庁による所得捕捉率の業種間格差に対する不公平を表す言葉です。

 

 課税対象とされるべき所得の内、税務署がどの程度の割合を把握しているかを示す捕捉率のことなのですが、

 

 クロヨン(9:6:4)は

 

・サラリーマンなどの給与所得は9割
・自営業者などの事業所得は6割
農業や水産業、林業を営む事業者の所得は4割

 

しか捕捉できていないということを意味しています。

 

 また、それどころではないだろうということで、政治家に関する捕捉率(約1割)を加えてトーゴーサンピン(10:5:3:1)という言葉も生まれました。

 

 トーゴーサンピン(10:5:3:1)は

 

・サラリーマンなどの給与所得は10割
・自営業者などの事業所得は5割
農業や水産業、林業を営む事業者の所得は3割
・政治家の所得は1割

 

しか捕捉できないということですね。

 

(税理士法人インテグリティ「クロヨン(9:6:4)トーゴーサンピン(10:5:3:1)とは~税金の不公平~」から一部引用)

 

 小規模農家の場合、農協から発行される営農通帳の取引を記載した営農貯金取引通知書で白色申告を行うことが多く、そのつもりはなくても庭先の個人販売で現金取引により販売されたお米や親戚などに渡した縁故米が漏れてしまい結果的に脱税になってしまうことが多いため捕捉率が4割とか3割といわれているのです。

 

 これらの言葉は1960年代後半から使われ始めたのですが、今では農家が大規模化しており税務処理は税理士にお願いしていることが多いので、捕捉率は相当上がっていると思います。

 

※白色申告:青色申告の場合には、原則として複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書などの提出が必要であるのに対して、白色申告は単式簿記による簡易な形式での記帳でよく複式簿記による記帳を行う必要はありません。

 

 また、令和元年から青色申告を行っている農業者が対象の農業経営の収入保険が始まっており、それに加入するため青色申告に切り替えた農家も多いと聞いています。

 

(参考 農水省 農業経営の収入保険

 

 この保険は自然災害や価格低下など不慮の事態に陥ったときに収入を補填するもので・・・

 

 保険期間の収入が基準収入の9割(5年の青色申告実績がある場合の補償限度額の上限)を下回った場合に、自ら積み立てた資金も含めて下回った額の9割(支払率)を上限として補てんします。

 

 この保険は過去5年間の平均収入を基準収入とするため、毎年、財務諸表などを提出していますが現金取引などの記帳漏れで収入が下がると基準収入も減ってしまうため、捕捉率を上げる効果があると考えます。

 

※令和3年からのデータしかありませんが農水省の農業構造動態調査によると青色申告をしている経営体は令和3年が28.2千経営体であるのに対し令和6年は30.7千経営体に増えています。青色申告をしている経営体は経営規模が大きいので捕捉率は相当上がっていると考えられます。

 

 また、自営業者の小売事業者なども現金決済は減りカード決済やバーコード決済が主流となりつつあるので捕捉率は相当上がっていると思います。

 

 つまり、クロヨン(9:6:4)やトーゴーサンピン(10:5:3:1)という言葉が使われだした頃とは時代背景が随分と変わっていて(9:8:8)くらいには改善しているのではないでしょうか。

 

 むしろ、最近はサラリーマンの副業が増えて捕捉率が下がっているため(8:8:8)くらいで公平になっているのかもしれませんね。

 

 政府の農家の大規模化や収入保険、カード決済やバーコード決済の推進の裏には、財務省の思惑が見え隠れします。

 

 とはいえ、今回は農家の庭先での直接販売が増えているようなので、多くの農家のところに税務調査が入る予感がします・・・

 

 農家は今まで長い間赤字経営が続いていたので忘れているかもしれませんが、儲かれば所得税や国民健康保険税なども爆上がりです。

 

 専業農家の場合は、兼業農家と違い赤字を補填できる収入が無いため、運転資金までも借入をして耐えてきた方も多いと思いますが、返済額が経費として反映されないため黒字にはなったけど現金がないという状態になることがあります。

 

 また、儲かったからといって農業機械を買い替えたは良いけど、税金が払えないといった黒字倒産のパターンもあるので気を付けましょう。

 

 私の場合は、専業農家のパターンで2020年にお米がトビイロウンカの被害で壊滅的な被害を受けたうえコロナの蔓延が追い打ちをかけて以前から契約していた外食産業のお米需要も極端に落ちたため、3年猶予のある多額の借入金をしたのですが・・・

 

 それでも終わらず、その後も米価低迷で借金が積み重なったため・・・

 

 儲かったのは良いけど借金の返済があるので手許現金が思ったより少ない状態に陥っています・・・

 

 税金が払えればいいけど・・・トホホ(-_-;)

 

 トビイロウンカの被害当時は収入保険の内容が二転三転していて、農作物は収穫してみないと収支状況は分からないのに「保険事故が起こったときに連絡していないと保険金が出ない」といったことを言われていたので収入保険に加入するのに躊躇していました。


 こんな状態でも当面借金は返し続けないといけないので・・・

 

 このとき収入保険に入っていればと後悔しています。

 

 コロナ禍には飲食店などを救済するために金利無し・返済据え置きの融資などで延命措置が行われましたが、今では同じような状況に陥り多くの飲食店が黒字にもかかわらず倒産しているようです。

 

 長く赤字経営が続いていた農家も私のような人も多いでしょう。

 

 農業経営基盤強化準備金制度などの救済措置もありますので税務署や税理士に相談してあきらめずに頑張りましょう。

(農水省 農業経営基盤強化準備金制度とは?

https://www.maff.go.jp/hokuriku/keiei/attach/pdf/junbikin-42.pdf

 

 備蓄米放出の影響で米価が下落して、7年産米の概算金が下がることがないように祈っています(-人-)

 

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