***出る杭とは何か***
出る杭は打たれると言います。
この出る杭とは何か?
周囲と交わらない異質なもの、違和感を感じるもの、周囲との輪を乱すもの、・・・
いろんな杭が考えられます。
日本人は特に”空気を読まない”という言い方もあるように、何か大きな流れ、常識的な多数の判断に敏感になりすぎてそれとずれた異質なものに対する許容度が低いようです。
皆の輪にいると何か安心できるような無意識の感覚がありませんか?
どんな人でも皆考え方が違うし、同じような考え方というのはありそうですが前提などが違ってくるとほとんど同じものというのはありません。
同じ考えや見方というのははないということなのですが、どうしても異質を排除したがる集団心理のようなものがあります。(だからいじめがなくなっていかない要因の一つです。)
海外ではむしろ異質を受け入れる習慣があるのと比べれば個性が出にくい土壌があるのかもしれません。
いわば出る杭とは、各自の持つ個性そのものです。
それが目立っていれば、周囲から浮き上がっていれば出る杭と見られてしまいます。
皆が個性を出していけるような環境で育っていれば出る杭は打たれるという言葉も生まれなかったはずです。
だから日本人の慣習から得られた特有な捉え方に由来するものでしょう。
***出る杭は打たれるわけ***
出る杭は打たれる、という異質なものを受け入れにくい集団心理が働いているからです。
歩いているときに通路の所々に突起が出ていたら、まっすぐに歩いていけないという状況に似ています。
邪魔な突起です。
そういう時には突起を取り除いてしまいます。
歩きやすくするためにです。
この突起が異質なものです。それがいかに重要で大事なものであるかということには考えが及びません。
気づかないのです。
しかも周囲が邪魔だと言えば、それに反対すれば肩身が狭んくなってしまう可能性もあります。
それが輪を重んじる日本人の特性になっています。
自ら出る杭になることを嫌がります。邪魔ですから。
***出るんだったら飛び出せば打たれることもない***
出る杭が打たれるというのは、通路にはみ出た突起程度のものだからです。
出る杭が飛び出していれば、それを簡単に取り除けなくなってしまいます。
取り除けないぐらいに飛び出せばいくら出ても打たれることはなくなるはずです。
通路に背の高い突起物、例えば柱のようなものが立ったら、それを避けて通るしかありません。
避けて通るようになると、通る人はその柱(飛び抜けた杭)の存在を認めざるを得なくなります。
飛び出しているくらいですから、完全な異質物です。受け入れ難いものです。
しかしそれを受け入れざるを得なくなっていつかは認めるようになります。
その存在の価値や有効性に気づくようになるからです。
もし飛び出た杭の有効性が認められないなら、時間とともに消え去っていくのです。
だから出る杭こそ、飛び出させる、そんな杭を見つけて飛び出させてください。
組織にとって重要な要、分岐点になる可能性のある杭です。
それを見極めた上で突起物なのか、飛び抜けた柱のような杭なのか、周囲が判断します。
杭になるんだったら、突き抜けるぐらいの飛び出た杭になりましょう。
組織やあなたが大きく変わるチャンスの杭ですよ。