🐴てんちゃん(1)



てんちゃんは鹿児島から来た🐴



自分がまだチビの中学生だったから凄く大きい馬に見えたけど、実際は470~480キロくらいの普通サイズのサラブレッド。



Bさんが馬主で、鹿児島の別荘(お仕事の都合で結構長く行ったりしたらしい)の近くにある乗馬クラブに預けられていた。



けれど、鹿児島のお仕事が一段落したのか(?)"関東に戻ってくるから"と、ウチに運ぶことになった。



てんちゃんはBさんの意向で、ウチのクラブでは珍しい"玉つき(去勢してない)"のままの男のコだった。



鹿児島へはIさんが迎えに行った🚚



Iさんは台湾の人で(というかおウチの事情で日本に来た)、歳が離れてるけど学校の先輩でもある。



身長190cmでスラッとしたモデル体型だったから、立ってるとカッコいいんだけど、馬に乗ると何か"棒人間の絵"みたいで変な感じなのw



で、普通に社会人だったんだけど、ちょうど転職するとかで2週間くらいヒマだったらしく、てんちゃんのお迎えに抜擢されたって聞いた気がする。



当時、ウチのクラブの馬運車って、2トントラックを改造して2頭積めるようにしたやつなんだけど、これがかなりボロくて、、、



「これで鹿児島💧💧💧?!」



って思ったのは凄く鮮明に覚えてる😅
(今もムチャだと思ってるw)



普通サイズのてんちゃん1頭とはいえどんな馬かも判らない訳だから、例えば輸送が苦手でバタバタする馬だったら、馬運車を壊す勢いで暴れることだってある。



そうなったらあんなボロじゃ耐えられる訳がないから、Iさんも結構怖かったんじゃないかと思う💧



で、1日半かけて鹿児島へ走って、半日寝てからまた1日半走って帰って来るという、0.5泊3.5日の強行日程でてんちゃんはやってきた🚚



帰ってきたときのIさんはクタクタだったけど、てんちゃんが気に入ったみたい。



I「オレが最初に乗りたいから、今日は乗らないでよ!今日はもう寝る💨」



そうアピールだけしてダウンw



とりあえず馬体のチェックをして、今日は馬房に入れることにした。



てんちゃんはビューがいた馬房に住むことになった。



大先輩のビューもBさんの愛馬で、随分昔だけど国際大会でも補欠に選出されたり、海外を何回も渡り歩いた歴戦の強者🐴



気に入らないと噛んだり蹴ったりするところも、他の馬の比じゃないくらい本気でやるから、お客さんには「ビューには近づいちゃダメ✋」ってしてあったくらい。



けれど、我々的には"ビューに触る許可"が出たら一人前認定✨って感じで、ウチのクラブの大エースであったと同時に、クラブ全員にとって"先生"だった馬😌



残念ながらある年の春に、疝痛(せんつう/便秘)から回復出来なくて天国へ逝っちゃったんだけど、ビューの馬房はしばらく空けておいたくらい。



"ビューの代わりが務まる馬はいない"って、みんな思ってた。



てんちゃんはそんなビューの馬房に入れられた訳で、みんな凄く期待していたと思う🐴✨
(どちらもBさんの馬だから、自然といえば自然なんだけど)



そんな期待を背負わされたてんちゃん。



どんな馬かというと



とても食いしん坊🌱



女子(牝馬)大好き💕



勢いで立ち上がる⤴️



という、わかりやすいくらい本能(煩悩?)丸出しの男のコで、まだ7歳(人間なら22~26くらい)って若かったから何でもいちいち大騒ぎをする感じで、なかなか大変だった💦



もちろんチビの自分じゃ抑えられないから、この時点ではまだ触らせてもらえないし、触りたくない😅w



そしIさん。



Iさんは、上手いんだけど扶助が粗かったりちょっと馬術的じゃない。



けれど、御すのに体力の要りそうなてんちゃんとは意外と合うらしく、乗ってすぐに気に入ったみたい💡
(本当はどんなタイプの馬であっても、粗く接することは望ましくない)



「コイツなかなかヤンチャだけどイイよ👍!」
(Iさんはちょっとだけカタコト)



気に入ったついでに、2ヶ月先にある総合馬術の走行会(クロスカントリー初心者人馬の合宿)に連れて行きたいって言い出した。



"馬の経験にもなるだろう"ってことで先生もOKを出して、てんちゃんはしばらくIさんが乗ることになった。



合宿が終わって、夏休み頃になるとBさんがご家族でやってきた。



続く
🐴競馬用語(6)
(思いついた順)



馬場状態
◇晴れて乾いている状態を基準にして、雨や雪で馬場が濡れているときはその湿り具合(含水率)を発表する。

良馬場
◇一番乾いている状態。
◇芝はパンパンの良馬場が最高の状態。タイムも一番出る。
代わりにクッションは硬くなるのでケガは増える。
◇ダートの良馬場は乾いた砂場になるので、タイムは遅くなる。
逆にクッションは一番イイ。
ただし、砂ぼこりが上がるので馬群の後ろにいると砂粒が痛い。

稍重馬場(ややおもばば)
◇ちょっと濡れている。あとちょっと乾いたら良馬場という状態。
◇芝は良馬場並のタイムが出るけど、クッションはまぁまぁ。
ただ、コーナーで滑りやすくなるのでスピードは出ないというよりは出したくない。
◇ダートは湿り気がある程砂浜のように締まった馬場になるので、タイムが速くなる。
その分クッションは減っていく。

重馬場
◇雨がしっかり降ってびしゃびしゃの状態。
◇芝の重だとタイムは出なくなる。馬が普通に走っているだけで芝が根っこから取れてしまうので、後ろを走っていると前から芝の塊が飛んでくる。
クッションは効いてくるんだけど、カーブが滑りやすくなるので馬もおっかなびっくり走ることがある。
◇ダートの重は砂がしっかり締まってくるのでタイムは一番速い。
“足抜きのイイ馬場”という言い方もする。

不良馬場
◇土砂降りでジャブジャブしてる状態。こうなると条件としてはかなり特殊なので、雨を得意な馬じゃないと活躍出来ない。
◇芝の不良では馬も騎手も前から飛んでくる芝の塊が痛い。
時速50km以上で走っているので、芝の塊はグーで殴られるくらい威力があって、顔に食らうとケンカに負けた顔になるw
◇ダートの不良はコンクリートのように硬く締まった砂になる。
走ると砂というより泥の田んぼみたいに飛び散らかすので、馬群の後ろでは視界が無くなる。騎手も馬もかなり我慢が必要。



馬群(ばぐん)
◇レースの隊列のこと。
群馬の逆さまではない。
馬は群れの生きものなので、他の馬と一緒にいることで落ち着く馬もいるし、中には他の馬が苦手なコミュ障な馬もいる。
◇馬群の中のことを馬込みともいう。



斜行
◇馬が真っ直ぐ走らず他馬に迷惑をかける反則のこと。
ただ斜めに走るだけなら問題は無くて、他馬の前をカットするように横切ったりぶつかったりすると、斜行の反則をとられる。

ヨレる
◇真っ直ぐ走れない状態。
スタミナが足りてなくてヘロヘロになると、左右にヨレることがある。

モタれる
◇騎手が真っ直ぐ走らそうとしているのに、どちらかに寄っていってしまう状態。
“この馬は右にモタれるから左回りの方がイイ”とかって使い方をする。
馬にも右利き左利きというのがあるので、右回りが得意とか苦手というのも当然ある。

ササる
◇内側のラチを頼りに走る馬の場合、内側へ内側へササっていくことがある。
“右回りだと直線でササることがある”というような使い方。



逸走(いっそう)
◇オルフェーヴルのように、明後日の方向に行ってしまうこと。
これをやると問答無用で調教再審査になる。



着差
◇前の馬との差。レースの決勝線(ゴール)に前の馬が達したところからの差。
メジャーで測る訳にはいかないので、決勝写真を元に発表される。

ハナ差
◇1~20センチくらいの差。
スプリンターズSというG1では、フラワーパークとエイシンワシントンという馬の着差が1センチだったこともある。

アタマ差
◇30~50センチくらいの差。
アタマ1つだったんだけど、、、という負けた側の悔しいセリフがよくある。

クビ差
◇50~100センチくらいの差。
クビまで差があると完敗。でも逆転可能な差なので、次こそという感じ。
ここまではタイム差で大体0.0~0.1秒差。

1/4馬身差
◇1馬身の4分の1の差。
大体前の馬の肩くらいまで離されている。

1/2馬身差
◇1馬身の2分の1の差。
大体前の馬の腹帯(鞍のベルト)くらいまで離されている。

3/4馬身差
◇1馬身の4分の3の差。
大体前の馬の腰くらいまで離されている。
ここまでで大体0.1~0.2秒差。

1馬身差(いちばしんさ)
◇馬の鼻先からお尻まで、約2.5メートルを1馬身と呼ぶ。
1馬身で約0.2秒の差がある。

大差
◇10馬身以上差がつくと大差と呼ぶ。
1馬身が0.2秒なので、約2秒遅れてゴールしていることになり、こうなると勝った馬は最後本気で走っていないことが多いので、本当の差はもっとあることになる。



レコードタイム
◇今までのタイムを更新すると電光掲示板に赤文字で“レコード”と出る。
歴代ずっと計測されているタイムなので、0.1秒でも更新されることはスゴいこと。
◇ただ、近年は日本の芝コースは“速すぎて馬がもたない”という言い方をされるくらいスピードが出ていて、速さが増す=事故の可能性が上がる事実からも、あまり喜べない面もある。
◇JRAには馬場造園課という部門があって、競馬場のコースの管理や、芝を上手に育てる技術の研究や、日本の気候に合う芝の研究などもしている。
夏でも冬でも同じようなコンディションの芝でレースが出来るように頑張っているので、レースタイムが上がったのは彼らの努力の賜物なんだけど、故障する馬が出ている現状を考えると、まだまだ課題があるということ。

レースレコード
◇レコードには種類があって、各レースごとのレコードというのもある。
例えば東京芝2400mにはダービー、オークス、ジャパンカップの3つのG1があるけど、レースのレコードはそれぞれ違う。

コースレコード
◇コースのレコードなので東京芝2400mのレコードとなれば1つしか無い。
ちなみにこれはアーモンドアイという牝馬が残した[ 2′20″6 ]というタイムがレコードになっている。

日本レコード
◇どこの競馬場かは関係なく、芝2400mの国内レコードということ。
直線に坂が無い競馬場ほどタイムが出やすい傾向があるのと、芝の状態がイイ夏~秋に出やすいイメージがある。
◇現状日本が一番速いコースを持っている傾向にあるので、日本レコード=世界レコードというものもかなりある。
それもこれも”JRAの馬場造園課の腕前が世界一だから”ということになっているけど、レコードで走った馬が故障しないケースが少ないせいで「記録のために造園課が目立ちたがって、馬が可哀想だ」という声もある。
ただ、重馬場からの回復の早さは実際スゴい。



一旦おしまい。
🐴競馬用語(5)
(思いついた順)



脚質(きゃくしつ)
◇レースで逃げたり追い込んだりする作戦のこと。その馬の苦手なことを補いながら、得意な部分を引き出す。
◇苦手な部分が調教で無くならないと“この馬は逃げるしかない”“この馬は後ろから行くしかない”と、同じ戦法を繰り返すことになる。

逃げ
◇スタートの反射神経がイイことや、最初のダッシュがイイ必要がある。
◇スタートして最初のダッシュを“テン”と呼ぶので、“テンが速い”とか、”テンでビュンビュン行って”という話し方をする。
◇レースのペースを決める存在になるので基本的には有利な立場。
◇テンよし(スタート速い)、中よし(騎手のいうことをきく)、しまいよし(ラストスパートもキレる)が最高に強い馬。
◇後半の瞬発力が弱い場合、スタートに神経を集中して無理やり前に行って粘らせる形もある。
◇中には他の馬と走るのを嫌がるから馬群に入れられない馬や、興奮し過ぎてビュンビュン行くしかない馬もいるので、逃げ=勝ち組という訳でもない。
このタイプがスタートを失敗するとその時点で終わる。
◇後ろを引き離して逃げる大逃げ、先頭でペースを落として脚を貯める貯め逃げ、色んな逃げがあるけど逃げ馬にはハラハラさせられるのでファンが多い。
◇ツインターボ、メジロパーマー、サイレンススズカ、セイウンスカイ、タップダンスシチー、キタサンブラック、タイトルホルダーなど

先行
◇スタートである程度前に行って、自分の有利そうなポジションを取って、最後の直線は前にいる何頭かをかわすだけ。
これが王道と言われているので、先行してしっかり勝つ戦法を“先行差し切り”とか“横綱相撲”って呼ぶ。
◇スタートの時点で前にも後ろにも騎手の言うところに行けるような能力が必要なので、このタイプはいわゆる優等生。
◇“長くイイ脚を使う”ってタイプがこの戦法をとりたがる反面、瞬発力は苦手ということも多いから、並ばれて勝負根性でギリギリ勝つようなレースと、余裕で抜け出して並ばせないレースの2パターンになる。
◇後ろから一気にビューンと抜かれると手が無いこともあるので、無敵という訳でもない。
◇シンボリルドルフ、トウカイテイオー、ビワハヤヒデ、エアグルーヴ、シンボリクリスエス、テイエムオペラオー、ステイゴールド、ハーツクライ、ソダシなど

差し
◇先行の馬より少し後ろからついて行って、最後にズバっと差し切る。
先行の方が間違いは少ないんだけど、差しの方が派手なので“最強”とかってイメージはこっちの方につきやすい。
◇スピードも瞬発力もピカイチのこのタイプは、実はスタートが下手なことが多い。
◇最後には抜け出してこられるようなスピードがあるので、4角から直線に向くときに“捌かなきゃ(避けなきゃ)いけない馬が何頭いるか”が勝負のポイントになる。
あまり多すぎると大外を回らないといけなくなるので、3~4角をカーブしながらポジションを上げていける器用さが必要。
◇この脚質は馬の能力も必要な上、騎手にも馬群を捌く技術が求められるので、若手騎手が乗せてもらえる馬はやらない戦法になる。
万一差しタイプの一流馬に若手が乗る場合は、最後の直線で先輩騎手に対して「どけーっ!!!」って言うくらいの根性が必要。
◇もちろんレースが終わったら謝りに行くw
◇シンザン、ナリタブライアン、スペシャルウィーク、ウオッカ、オルフェーヴル、モーリス、ロードカナロアなど

追い込み
◇最後の直線までは死んだフリで一番後ろをついて行って、最後は馬群の大外を豪快にまくる。
◇一番豪快で派手な戦法。
◇でもこれはものスゴくハイリスクな戦法なので、これを選ぶということは大きな欠点を持っているということ。
◇スタートが下手、テンが遅い、スイッチが入ると制御不能、他の馬に並ばれるとキレるなどなど、まともじゃない馬が多い。
◇文字通り一か八かの戦法だけど、追い込みの強い馬が出ているレースは“来るかな来るかな”と、ゾクゾクする。
◇最後の直線だけで全部の馬をブチ抜くんだから、スピードは一番出ることになる。
◇ミスターシービー、ナリタタイシン、ブロードアピール、ディープインパクト、デュランダル、スイープトウショウ、ドリームジャーニー、ブエナビスタ、ゴールドシップなど
(池添の乗ってた馬がやたら多いのは笑うところw)



季節
◇競馬には年末~お正月の1週間だけしかお休みが無くて、基本的に一年中レースがある(中央競馬は月曜が全休なんだけど、エサをやったりはしてる)。
◇馬は生きものなので当然だけど暑いのが得意な馬もいれば、寒いのが苦手な馬もいる。
◇でも基本的には北海道生まれなので寒い方が得意。

◇馬術も競馬も15~25℃の季節が一番イイ季節。
◇そのせいか馬の発情期は春と秋なので、このせいでイイ季節に全力が出せない馬もよくいる。
◇発情する牝馬が不利かというとそれに限らなくて、“してして💕”って牝馬に囲まれてる牡馬だって集中出来なくなる。
気持ちは分かるw
◇G1は春秋に26有り、そのうち障害G1が2つ。春のG1は13ある。
◇日本ダービーも春のG1。

◇見ての通り馬は毛皮を着た生きものなので暑いのは苦手。
◇気温と湿度を足して100を超えた状態で馬に運動をさせると、海外では虐待で訴えられることもある。
目安は、気温と湿度を足して90くらいまでなら能力は落ちない。
◇夏が得意な馬というのは基本的にはいなくて、暑さで能力が落ちにくい馬というのが正しい。
◇牡馬はタマが茹だりやすいので、夏バテ=牡馬のイメージ。
”夏は牝馬”という格言もある。
◇騙馬(せんば=去勢牡)は茹だるものが無いので夏に強いという話もある。
◇黒い馬は太陽の光を集めてしまうから夏に弱く、逆に芦毛はその分強いという人もいる。
◇札幌、函館の北海道シリーズは夏だけ開催される風物詩的存在。

◇春同様、馬術でも競馬でもイイシーズン。
◇秋のG1は13。そのうち障害が1レース。
◇春から3冠と呼ばれるシリーズを戦ってきてる馬にとっては、春に2冠、秋に最終戦なので緊張感は秋が上。
◇馬の発情期は秋にもあるけど生産は春だけなので、そういう意味では春よりアクシデントは少ない。

◇北海道生まれなせいか冬は元気が増す馬がいる。
特に雪が降るとスイッチが入るやつがいて、急にエキサイトしたりする。
◇気温が低いせいでケガはしやすくなるので、ウォーミングアップは念入りにしないといけない



続く