6ヶ月のベビーを連れ、来月の結婚式の前にフェイシャルとメイクの予約に来た女性。
鼻につけたスタッズ(ピアス)の部分が化膿してしまい、取れない彼女。
うちの店の鏡の前で一生懸命取ろうとしましたが、取れませんでした。
あきらめて帰ろうとしたとき、それは起きました。
ベビーカーを押してちょうど店から出ようとしたとき、彼女・・・倒れたんです。
足元から崩れるように、床にベタンと・・・倒れたんです!!!!!!!
その倒れ方、明らかにおかしかった。
つまずいてこけたとかじゃなくて、気を失ってから倒れたというのがすぐにわかりました。
私は大声でオーナーに声をかけ、倒れた彼女に走りより、顔を見ました。
彼女は口から泡を吹き、顔色が青白くなっていました。いそいで鼻の前に手をかざして呼吸をしているかどうか確認しましたが、呼吸はちゃんとして居ました。
オーナー、パニック。
彼女が倒れたのを見て、店の反対側のデンタルクリニックのお姉さん、通行人の中年カップルが「どうしたの?」とやってきました。私が倒れた状況を説明していると、オーナーは電話していました。モールの、セキュリティに・・・
セ・・・セキュリティ?!彼女意識不明よ。
しかもセキュリティ、なんと「12時から出社」らしい。そのとき朝の11時。
(それもおかしな話)
すると通行人の男性が「911に電話して!911だよ!!!」とオーナーに電話させましたが、オーナーもかなりパニック。911に電話はしたものの、すぐにその通行人の男性に受話器を渡していました。実はオーナーも英語が母国語ではないのでパニック状態でこの状況を説明するのがむずかしかったようです。(普段は私より英語が堪能です)
通行人のテキパキとした電話の応対もあり、救急隊員がきてくれることになり、倒れた彼女の意識も少し戻り始めたようで目を開け、まだ横たわってはいるものの青白かった顔も少しだけましになってきました。
彼女が倒れ、911に電話をしてから15分くらいで救急隊員到着。
最初は隊員も2人だけだったのに、彼女にその場でメディカル処置が始まると後からさらに4人来て、そしてなんでか警察も3人来て、さらにセキュリティ(遅いわ!)も一人来て、野次馬約10人、小さな店がどえらいことになりました。
私は唯一彼女が倒れた様子を見た人物なので、名前に生年月日に住所に電話番号聞かれました。
生年月日関係あるんかな・・・と思いつつ。
彼女、身分証とか財布とか手元になかったようで(どうやってモールに来たのか未だに不明)、意識がもどってから住所を聞かれていたのですが、連絡がつく家族は「祖母」、そしてそのおばあちゃんの家には電話がない・・・ということで、またちょっとした問題に。
そう彼女には6ヶ月の赤ちゃんがいます。
彼女が目を覚ましたとき「抱いてあげて」と言ってきたので、ずっと抱いてました。
この状況でもまったく泣かず、私の髪の毛をひっぱり、顔面をつかんで良い子にしていました。
彼女は病院で処置が必要。でも赤ちゃんは連れて行けない。
彼女の家族で連絡先がわかるのはおばあちゃん。でもおばあちゃんちには電話がない。
というわけで警察がおばあちゃんの家まで行って状況を説明し、赤ちゃんを見てあげられるか頼んだところ「少しなら大丈夫」とのことで、でもおばあちゃんは車を持っていないので店までは来られず、警察が赤ちゃんを連れて行くことになり、でも警察にはチャイルドシートがないとのことでチャイルドケアの人たちに連絡し警察とともにおばあちゃんの家まで赤ちゃんを連れて行くことになりました。
人が倒れるところ見て、人がパニックになるところも見て、カナダの救急隊員や警察やセキュリティやチャイルドケアの人たちのやりとりも見て、いろいろ質問されて、はじめて赤ちゃんを長時間抱いて、ハプニングにそれぞれの分野の人たちがどう対応するかを目の当たりにして、静かなはずだった朝のひとときが、緊急事態となりました。
彼女はその後どうなったかはわかりませんが、もし来月結婚式の準備でフェイシャルしにきたら、また報告したいと思います。