ホワイトの選び方
・ホワイトには三つの目的がある。
1. 修正する
2. 白抜き
3. ハイライト等、光の表現
・ホワイト用の画材として何を選ぶか。そのポイントは
1. 充分な隠ぺい力(下の図が透けて見えない濃度がある)があるか
2. 塗りやすいか(ペンタイプ、筆)
3. 耐水性かどうか
4. ホワイトの上から線が描けるか
5. 保存しやすいか(容器の中でかたまらないか)
6. 高価でないか
・3~6は個人の好みによって異なると思うが、一般に広く使われているのは、ライオンのミスノン(¥400) 油性インキ用ではないかと思われる。
・ボトルタイプの修正液で、フタに小さな筆がついている。
・油性インキ用の製品では主溶剤が水であるため、濃度が増して使いにくくなったら水を足してうすめることができる。
ツヤベタのコツは毛先から
・ベタは、慣れていないと髪の根元から毛先部分に向かって筆を動かしてしまいがちだ。しかし、毛先部分がうまくペンの線と重ならず、ずれてうまくいかない。だから、原稿用紙の上下をひっくり返して、毛先の部分から入れるのだ。
・毛先は「入り」で、ハイライトは「抜き」で表現する。
・毛先に限らず、あらかじめ線で囲まれた細かい部分にベタを施す場合には、その形の先端が上になるように原稿用紙を回して、筆で「入れ」よう。
書見台
・お手本や資料写真、雑誌などを常に見られる状態にしておくには、書見台が便利だ。
・本のページを開いたまま、立てておける。
・角度が調整でき、安定していて倒れにくいものが良い。
・最近は、100円ショップでも見かけるようになった。
インク(選んだ理由)
・パイロットの製図用インクを使っている。
・耐水性と書かれているが、完全な耐水ではないのが、かえって便利だ。ペン先のインクが乾いても、机にボタッと緒としても、水で拭き取ることができるからだ。
・墨汁を使ってみたこともあったが、乾燥が遅かったり、ちょっと汗をかいた手でこすったりすると、すぐに擦れてしまい、不便に思った。
・墨汁を使うメリットは、細い線がキレイに描けることだと言われる。線の入りや抜きを、ブッツリと途切れさせることなく、細い先端を表せるかどうかが基準となるだろう。
・インクでも、新品のものは細い線が引ける。しかし、長い時間ふたを空けて、水分が蒸発して濃くなったインクは、ブツブツの線になってしまう。
・少しずつ水を足しながら使いつづけるが、限度がある。適度な濃さにしようと苦労して時間を費やすくらいなら、新品のインクを買い足した方が、かえって経済的と思う。こうやってインク瓶が増えていくのだが…できればフタを開けた日にちをメモしてシールなどで貼っておこう。
ツヤベタ用ふで
・髪の毛のベタには、パイロットの小筆軟筆(¥300)を使っている。コシが強く、かすれないので大変使いやすい。入りと抜きの美しさはピカイチだ。
・コシが強い、というのは、書いた後に、穂がその形のまま曲がったままにならない、ということだ。すぐもとの、まっすぐの穂先にもどる。コシのない筆でも普通のベタなら良いが、つやベタならコシの強さは重要だ。
・パイロットの小筆軟筆は、穂先が毛ではない。よくあるサインペンタイプの筆ペンの系統だ。だから、穂先が割れてしまう心配もない。
・細かくなく、少し粗めの抜きには、パイロット軟筆(¥200)が良い。大変安い。
描く時には、お手本を見る
・下描きする時、自分の好きな絵柄の漫画本を開いて横に置きながら描く。チラッ、チラッと見ながら描く。絵そのものを模写するわけではない。しかし不思議なことに、見ながら描く前と描いた後とでは、絵の出来が違うのだ!
・単純に、自分の絵だけを見て良し悪しがわからなくても、雑誌などの漫画家さんの絵を見比べて、稚拙さを痛感して落ち込む…、ということはよくあるはずだ。だったら、実際に描く時にもやればいい。
・好きな絵を見ていると、「こういう絵が描きたい」という像が頭にインプットされる。自分が描く線も、自然とそれに近いものになる。細かい部分は自分なりの描き方のままなので、模写にはならない。普段描いている絵の欠点と、「本当はこうならかっこいいのに…」という対処方法が、実感できる。
ペン先はこまめに替える
・ペン入れをしばらくしていると、キレイな線が描けなくなってくる。ギザついたり、ブツブツ途切れたり、意図した太さにならなかったりする。
・理由は、ペン先が磨耗・変形することと鈍(なま)ることによる。
・ペンで線を引く時、紙に対するペンの向きはどうだろうか。必ず左右対称になっている、という人はあまりいないだろう。垂直方向に線を引く場合、右利きの人は手の小指側の側面を紙に付ける感じになるので、ペンは自然と右に傾く。すると、ペン先の右側の部分に力が掛かり、右側のみ磨耗してしまうのだ。
・ペン先にインクをつけたまま乾燥させてしまうと、ペン先の割れた部分の間にインクがはさまった形で長時間置かれ、ほんの少し開いた状態が元に戻らなくなり、線が太くなる。
・力を入れて太い線を描いていると、ペン先が柔らかくなり、ほんの少しの力を加えただけで線が急に太くなる。
・散々うまく描けずに試行錯誤し、ためしにペン先を替えてみると驚くほどスムーズに描けてしまい、先ほどの苦労は何だったのか……と思うことはよくある話だ。原稿一枚につき一回ペン先を替える人もいる。(逆に一本まるまる一つのペン先で、という人もいるが)
・うまく描けない場合は、ペン先を替えよう。その方が効率も良く、時間が無駄にならないぶん経済的なのだ。
・なまった、やわらかいペン先のほうが使いやすいという人もいる(ペン先をつぶす、という言い方をする)。
・少し太くなってきたら、そのペンは主線専用にして、別のペン軸に新しいペン先を差し、細い線用にする、というように使い分ける方法もある。プロの中には、使いこみの具合で4本のペンを順繰りに使っていく人もある。
原稿用紙
・アートカラー製のケント紙・135kgの原稿用紙を使っている。
・色味がややアイボリーだが、目に優しい感じがするので気に入っている。
・ガイド線も薄く目立たないので、描いている時に気にならない。
・他の原稿用紙と使い比べて非常に良かったのは、ケント紙ならではの強さ、毛羽立ちにくさ、そして紙の均質さだ。
・トレース作業で差が出る。他の原稿用紙を透かすと、紙の繊維の粗密が、雲のようにぼんやりとまだら模様をつくる。しかし、件のケント紙は均一なのだ。下絵が見やすいという点のみでも、選ぶ価値がある。