昨日はインド人の友人と池袋でビジネスミーティング。
待ち合わせの時間よりも少し早めに到着したので池袋北口(数年前に出口の名称が変更され、正しくは「池袋駅西口(北)」)を散策してみました。
このエリアは、「池袋チャイナタウン」として知られる一角です。
池袋チャイナタウンの成り立ち
日本三大中華街と言えば、横浜の横浜中華街、神戸の南京町、そして長崎の新地中華街です。これらの中華街は、古くからの華僑たちが日本人と共存しながら形成した町であり、現在では基本的に「日本人向けの観光地」として認識されています。
一方、池袋チャイナタウンは1980年代後半の中国の改革開放政策以降に世界中に渡っていった所謂「新華僑」たちが形成したものであり、「周辺に居住する華僑たちの生活を支える店舗や団体等が集まった地域」である点で先の中華街とは大きくその性質を異にしています。故に、華僑・華人研究の第一人者である立正大学教授の山下清海氏は2003年にこの地を他の中華街とは区別して「池袋チャイナタウン」と命名したのでした。
1991年に開業した中国食品店を皮切りに次々と在日中国人向けの店舗が増えていき、池袋チャイナタウンが形成されていきました。日本国内のほとんどの中華料理店が日本人向けの味付けで料理を提供する中、池袋チャイナタウンの料理店は中国人向けであるからこそ本場そのものの味付けで料理を提供しており、近年では「ガチ中華」などと呼ばれて本場そのものの味の料理を求める日本人も多く訪れるようになっています。
池袋チャイナタウンを体験してみよう!
大小合わせると無数の店舗が点在する池袋チャイナタウンですが、その中からチャイナタウンらしさを体験しやすいお店をいくつか紹介してみましょう。
陽光城
池袋チャイナタウンのランドマーク的なお店と言える中国食品店が「陽光城」。中国らしい赤と黄色を基調として色使いが印象的なお店です。2階には24時間営業の鴨料理のお店も入っています。すぐ横に吉野家があるあたり、「日本の中のチャイナタウン」を感じさせます。
大和産業ビル
池袋チャイナタウンのスタート地点となる池袋駅西口(北)の出口を出てすぐ目の前にあるビルが大和産業ビル。各フロアに様々な中国関係の店舗が入居する、池袋チャイナタウンを象徴するようなビルです。
4階には広い売り場面積に鮮魚を含むあらゆる中国食品を取り扱っている「中国食品友誼商店」と中国の屋台料理が楽しめるフードコート「友誼食府」が入っています。
3階には四川料理の「竹香園」が入り、2階はフードコート(食府書院)を併設する中国書籍のお店「聞聲堂中国書店」が入っています。
上海焼小籠包 永祥
上海名物の焼小籠包がテイクアウトできる専門店「永祥」。いつも行列が絶えない人気店です。
陽光城となりの横丁
陽光城横の横丁には、地下1階の本場四川料理の隠れ家的名店の「知音食堂」、飲茶専門店の「逸品飲茶 縁茗」、アヒルの首の肉が看板メニューの「小魏鴨脖」が並んでお店を構えています。
阿麗婭と四季香
ドン・キホーテの近くにあるのが、本場の中国各地の料理が楽しめる四季香と阿麗婭の2店。特に阿麗婭は中国清真料理、つまりイスラム教徒向けの料理を提供するお店として都内でも稀有な存在です。
沸騰小吃城
先ほどご紹介した友誼食府と食府書院に次いで池袋チャイナタウン第3のフードコートとして2021年にオープンしたのがこちら沸騰小吃城です。他とは異なりビルの1フロアすべてがフードコートとなっており、その広さと料理の種類の豊富さで群を抜いています。
近くに来たら是非探検してみて
いかがでしたでしょうか?
三大中華街とは異なり、町の一角すべてが中国中国した建物で作られているのではなくエリアの中に店舗が点在している池袋チャイナタウン。だからこそ、ある意味で「在日中国人を支える存在」であるチャイナタウンの姿を感じていただけるかもしれません。当然、それらを求めて多くの在日中国人たちが集まるエリアですので、一歩足を踏み込むと、中国語がたくさん聞こえてくることに気づくかもしれません。
ご興味のある方は是非、池袋近くに来た際には立ち寄ってみてください。いくつかの店舗をはしごして、お気に入りのお店を見つけるのも楽しみですね。
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