撮影の現場が変わった!
今年はようやくコロナ禍から抜けて、
通常の海外ロケが
戻ってきたと感じられた一方で、
撮影の現場が様変わりしたと
強く感じることが多かった。
以前にも撮影が大きく変化した時期があったが、
その時は機材の簡易化や人数の削減から
1人何役もこなさなければ
ならなくなったりといった物理的な変化だった。
今年感じた変化は、
便利なツールが増えた反面、
人との関わり方やメンタルな部分が
変わったということだ。
先に言っておくが、
あまりにも精神論が先行してしまうと、
古い体質の人間丸出しになってしまうので、
誤解を招きやすいのだが、
何が良い悪いではなく、
「変わったなぁ」という
感想という意味ということで。
そもそも海外コーディネーターは
”何でも屋”なので、頼られることに慣れている。
ネタのリサーチや取材先との交渉、
インタビューの通訳、機材の手配、
スケジュール組、ホテルや車の手配から
レストランの予約、
メニューの翻訳といったことまで
仔細に亘って制作と関わっている。
コーディネーターなしでの海外ロケは
論外という状態が常だった(と思う)。
ところが最近のロケでは、
あまり「頼られない」場面が多くなった。
スタッフはUberのアプリがあるので、
空港までの送迎の必要はなし。
ホテルから撮影現場までも
自力で移動できるから現地集合も可能。
翻訳アプリを使えば通訳もいらないので、
ロケ後の夕食は同行なし。
万事こういった具合で、海外ロケに来ても
コーディネーターなしで行動する場面が多い。
明日のスケジュールも知らされていなかったり、
「今日は石橋さんはここで結構です」と
途中で解散となったり。
LINEグループのアルバムには、
自分たちがはしゃいでいる
(ロケ内容とは関係ない)写真が並ぶ。
当然私はほとんど写っていない。
ロケ中に和気藹々と話はするが、
地元アメリカで迎えているはずの自分が
”アウェイ感”を持ってしまう。
もちろんこういうロケばかりではない。
終始ガッツリと関わって苦楽を共にし、
泣き笑いし、
一緒にはしゃげるロケもいまだにある。
まあ、”苦楽”と言っている時点で
古いかもしれない。
”苦”はなく、
”楽しいしかない“ロケもたくさんある。
ともあれ、
そういう関わり方をした制作チームとは、
年代の差なども関係なく、
「またぜひ一緒にやりましょう!」
「石橋さんと一緒に仕事をするために
アメリカロケを企画します!」と
言っていただける。
そういう達成感や同志感がうれしくて、
何十年もこの仕事を続けているのだと
あらためて思う。
その積み重ねがあるから、長年続く信頼関係を
築いていけているのだと思いたい。
繰り返して言うと、これは愚痴ではない。
年寄りのボヤキでもない(はず?)。
心地良いと感じる距離感は人それぞれ違うし、
全員に当てはまる話ではないのだが、
傾向として、以前とはコーディネーターの
立ち位置が変わってきているのだな、ということ。
私個人としては、来年も、
仲間との再会や新しい出会い、
そしてみんなで得る達成感に期待したい。
みなさま、来年も
アメリカでお待ちしておりますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
石橋朋子
COO
The Far Eastern Entertainment America, Inc.