今年は良い年になってほしいなぁ、、
なんてしみじみと北国の寒い境内を歩く。
願うことは家族の健康と自分自身の健康。
やはり日常生活に爆弾を抱えて生活はしたくない。
介護が必要な体だけにはなりたくない。
一度、二度と良い経過を辿らなかったからこそ、三度目の正直を願う。
隣には賽銭箱の前の鈴を自分が鳴らしたくて仕方がない息子の姿。その隣にはその息子を制する嫁。
時間は誰にでも等しい。けど残酷だ。
しかし今の状態だけ見れば、自分は幸せだ。
こうして自分の足で歩き、目で見て、感じることが出来る。
一人ではない。
パパとお風呂に行きたいな。
無邪気にこちらを見ながら息子が言う。
手術をする前はよく銭湯に行った。
のんびりと大きな浴槽に浸かり、子供と並んでどちらが長く浸かっていられるか数を数えながら過ごす。
風呂を上がったら、ジュースをねだってくる。
それも楽しみの一つだ。
しかし人工肛門を造ってからは人目を気にして、行けなくなってしまった。
--------------手術前夜
冗談めいた話を嫁とする。
息子もパパとママの話はゲームをしながらでも聞き耳をたてているようだ。
「また三度目も失敗したら、どうしよう。またベッドで虚ろな顔になるんだろうな」
「前も失敗じゃないよ。こうやって生活出来てるんだから」
「そうか。まあ、、」
「パパ、この先どうやって越えるの?」
息子がゲームのボス戦をクリア出来ず、私にゲーム機を押し付けてくる。
コツを教えて自身で越えることが出来るように挑戦させる。
‘’まだ壁があるけど、越えていくと決めた‘’
前日、主治医との話を家族と共に聴く。
「明日の手術ですが三時間ぐらいを予定しています。前回、前々回とね、大変な思いをさせちゃったから、痛い思いをしないようにと考えています」
「あと二度の手術でね。癒着がかなりしてるかもしれない。大きな手術だったんでね。」
「また合併症で縫合不全、膿瘍などのため再手術になる可能性もあります」
「そういったことがないように我々も・・・」
もうその言葉だけは次は聴きたくない。
途中からはお願いしますとだけ呟いた。
当日になり、徐々に過去の出来事を思い出す。
考えるのを止めたいとレシートの紙で折り紙をしたり、スマートフォンを弄る。
時間は過ぎていく。
着実に自分自身の番へと近付いていく。
担当の看護師が手術の番を告げる。
小さく目の前で手を合わせて、勢いよく立った。
今回こそは・・・・・
----------------そして三度目の手術を終えた。
やはり痛みは強い。
しかし前回ほどではない。
また戻ってきた。
しかし頑張れそうだ。
息子と銭湯に行くんだ。
頑張ろう
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ひとまず手術は終えました。
前もって書いていた部分もあったので、なんとか投稿出来たかなと思います、、
これからまた一歩ずつ頑張ります。