手術から3日の夜を越えた。
普段ならあっという間に過ぎる日数だが、恐怖を感じ続けたせいか、とても長い月日が過ぎたようだ。とても自分が脆く感じる。元からだったのだろうか。

また1日が始まり、医師の回診、看護師の確認と続く。また遅くゆっくりと流れる時間が続く。
今日の体温は37.6度、血圧は上が106、下が65。
熱は高いが手術後は普通のことらしい。

今日はCT検査を受けてくれとのこと。
そこまで一人でいけるかを訊かれる。
しかし一人で歩いていける自信も余裕もまだない。
車椅子を用意してくれるとのことで、時間になれば連れていってくれるらしい。

あと恥ずかしい話だが、尿も手術後は排出するのが困難なため、尿道に管が入れられる。
その管を入れてポーチにためるため、トイレには最初は行く必要がない。
また全身麻酔後は腸の動きが悪く(止まった状態)なる。そのため歩く、動くことで腸も活発になるようだ。
どうも尿道の管が気持ちが悪いため、抜きたいのだか自分では駄目らしい。
正直残尿感みたいなものが拭えない。結局恥ずかしいながら、看護師さんに抜いてもらう。
看護師さんにとっては大したことはないのだろう。あっという間に手際よく抜かれる。

こういうことを気にするのは患者側だけなのだろうか、、きっと注射と一緒で慣れなんだろうななんて思いつつ、これからは歩いて自力でトイレに行く必要があることを考える。
それも大変だ。早速その日の夜に思い知ることになる。

あと経腸チューブから栄養の液体を入れることになっていたので、りんごの匂いが猛烈にする液体が点滴スタンドに引っかけたボトルに注がれる。
このりんごの液体1mlで1キロカロリーらしい。
一本が200mlのため、200キロカロリーという計算になる。
それを点滴スタンドにセットした箱形の機械で、一時間当たり40ml落とすように設定するようだ。
つまり5時間で一本200キロカロリーを体に入れる形になる。
これを4日目の今日は2本入れるようだ。

そうしている間にCT検査に呼ばれ、検査室に車椅子で連れられていく。
造影剤が入ると全身が暑くなるが、ただそれだけ。むしろCTの機械の台座に座り、仰向けになり体を倒すほうが我慢のならない痛みだ。
開腹して縫合した腹部が開こうとする痛みだ。

ちなみにようやく開腹した傷痕を直視してみた。痛みが増すようで怖かったからだ。
だいたい胸下、胸郭上部?からへその下部まで約18cm程の傷痕があり、その部分を糸ではなくホッチキスに似たもので何ヵ所もとめている。

その両側の腹部からそれぞれ向かって右半身に2本、左半身に3本の管が腹部に入っている。内容はドレナージ2本(臓器縫合部排液用)、経腸栄養チューブ1本、胆管・膵管チューブの2本(それぞれの管にステントという細い管を入れており、腹部からそれぞれの消化液がタンクに溜まるようになっている)が腹部に刺さっている感じ。

その日の仕事はこれで終わり、あとは家族が面会に来てくれた。
昨日に比べて痛みは幾分かましだ。
まだ話すことが出来る。手術時の痛みをMAX10とすると6~7だろうか。
一緒に談話室までの道を3往復する。息はすごく上がるが、なんとか歩くことが出来た。

子供が「パパ、大丈夫ー?少し休もうかー?」なんて言われると、頑張るしかない。
でも痛みが襲い、すぐに一人で気兼ねなく休める時間が欲しくなってしまう。
せっかく面会で来てくれているのにと、自己嫌悪に陥る。

そして4日目の日中が終わり、また夜が訪れた。
今日こそは寝れるだろうかと不安になりながら、看護師にあまり効かないが、硬膜外麻酔と痛み止めを頼むのだった。

その夜は朝方にかけて、ようやくだが30分~1時間程度眠ることが出来た。朝日が出てきた時に、気を失うように寝たようだ。

しかし夜中は情けない事件が起きた。
尿意が来ても歩いて自力でトイレに行けず、尿瓶を使い看護師の方にお願いして処理をしてもらうということが3回ほど続いた。
嫌がらず世話をしてくれる看護師さんは本当にすごい存在だと感じた夜だった。