参議院議員、岡山選挙区の小野田紀美議員、4月6日の参議院決算委員会で、プラスチックゴミ(レジ袋有料化等)についての質疑。
小野田議員
プラスチック規制についてお伺いします。
今日、先ほどの議論にもありましたけど、このプラスチック、7月からまた色々規制が強化されるわけですけども、様々行って来たプラスチックの規制に関するプラスチックの削減効果っていうのは出ているんでしょうか。
私、心配しているのが、国内で規制した結果、輸入プラは増えたみたいな事はないのかなぁと心配してまして、例えば割り箸が悪者になった時も、割り箸って間伐材を使って、山を守って行くために出た間伐材を上手くリサイクルしてという非常にエコな試みだったんですけど、割り箸が悪だと言われ、一回割り箸の中小企業も使われなくなりました。そしてやっぱり必要だから中国からごっそり割り箸が輸入されるようになりましたっていう、何だこれはという状況をもたらしてしまった。こんなことにまたプラスチックもなって欲しくないなぁという思いで、今現在のプランの削減効果、そして輸入の状況はどうなっているのか、こちらを教えて下さい。
環境省環境再生資源循環局長
2020年7月に実施したレジ袋有料化の効果として、レジ袋の国内流通量が実施前年度2019年に約20万トンだったのに対し、2021年は約10万トンと半減する見込みである一方、ゴミ袋の国内流通量については横ばいとなる見込みであり、一定の削減効果はあるものと認識しています。
レジ袋とゴミ袋それぞれについて、2019年から2021年の国内流通量の推移の内訳でございますが、レジ袋については国内生産量は横ばい、輸入量は約10万トンに半減する見込みでございます。
ゴミ袋については国内生産量が微増する一方、輸入量は微減となる見込みでございまして、輸入量が増えているという実態はないというふうに認識をしています。
小野田議員
安心いたしました。それは良かったと思うんですけども、今日、資料を配らせて頂いております4ページ目を見て頂きたいんですけども、実際ですね、レジ袋を有料化した効果がこんなにありますよっていうので、例えば、レジ袋の使用枚数、ドラッグストアで33億枚が5億枚に、80%も減少とか、先ほども答弁頂きましたように、国内流通量が20万トンから10万トンに半減したと。
ここの数字だけ見てたらですね、「あら素敵じゃないですか」と思うんですけども、3枚目に戻って頂くと、ゴミ袋の市場で内需は、先ほど言ったように横ばいなんですよ。で、生産量は増えてるんですね。??は若干減ってるんですけど、国内出荷量とか微増で、「削減効果ありましたー」と思い書かれてる資料とちょっと何か合わないなぁというか、実際問題使われた量、ほぼ変わってないと。
ここ、どういうふうに見とくべきなのかなと思ってまして、私、部会などでも言ってたのが、レジ袋削減っていうのはいいんですけども、結局家でゴミ袋使いたいなぁってなった時に、今までスーパーで貰ってたレジ袋なくなったから、ちょっと100均で買って来ようとか、ちょっとネットでポチろうとか、その結果、結局使ってるんじゃないかってなったら、その効果を調べる時に、「お店でどれだけ辞退しましたか」とかって余り意味ないんじゃないかなぁとちょっと思っておりまして、この削減効果のところで出して頂いている数字と、実際のゴミ袋の消費に大きな乖離があるというところをどのように捉えられてらっしゃるか、もう一度ちょっとお聞かせ頂きたいです。
環境省環境再生資源循環局長
レジ袋自体をゴミ袋として使う人もいるということかと思います。そのためにレジ袋を貰わなくなると代わりにゴミ袋を使うのではなかということが推定されます。
ただし、私も若い頃レジ袋を使ったりしておりましたけれども、実際のレジ袋に入る量って少ないものですから、その市町村指定の大きな40リッターなら40リッターの袋にレジ袋を一杯いれて、全体として一袋としてゴミ袋を使うというのが実態だと思いますので、実際のところレジ袋が使われなくなったとしてもですね、ゴミ袋の需要っていうのは横ばいにならざるを得ないのかなと。
ただ、こちらの先生お示しの表でございますけれども、内需としてつまり使われている量としては、ほぼ、ちょっとだけ減っているというのは確かでございますし、その部分は輸入量の方に、生産量と輸入量を比べて頂きますと圧倒的に輸入が多いもんですから、輸入量が減る方に影響を与えて、国内での生産量が逆にちょっと増えてしまったと。だから、使われてる量自体はこの表で示して頂きましたように若干減っていると、そういう実態だと思います。
小野田議員
輸入の心配はなくなったんで大丈夫なんですけど、要は削減効果こんなにありましたって結構答弁をいろんな所でされてらっしゃる割に、結局おっしゃったように、今までポコポコポコポコ貯めて、それを指定のゴミ袋にって、まさに私も同じ事をしているわけですけど、そういう事をするという流れは変わってないわけで、結局必要とされているから、この内需ちょっと減ったよというけども本当にちょっとなんで、「プラ袋の削減効果ありましたー」っていう事自体が私はちょっとこれ「う~ん」と疑問を抱かざるを得ないで、何を目的にしてるのか、お店でレジ袋を貰わない事を目的にしてるのか、プラスチックの袋を使わない事を目的にしてるのかって考えたら、原点を考えるとこれって何の意味があるのって思ってしまうところがあるので、効果を話す時にも全体で見た上で何が目的だったのか、そしてそれが本当に叶っているのかって、決してレジ袋をレジで配らない事が目的だったはずではないはずなので、そこよくよく見た上で現実に則したプラスチックの政策をやって頂きたいなというふうに思います。
これで市民活動が不便になったとか万引きが増えたとか色々なクレームを超えてまでやるべきことだったのかなって、この結果を見たら思っちゃうと思うので、検証をぜひお願いします。
そして、もう一点プラスチックの事に関して問題が起きているんです、実は。
プラスチックって元々石油とかから出来ているので、燃やす時にええカロリーになるんですよね。ゴミ焼却場でゴミ燃やす時にプラスチックゴミがあると、ええ燃えるんですよ。熱をちゃんと出して行けるんです。ある程度高熱でゴミを焼かないとダイオキシンの問題もあるので、焼却炉としてはカロリー欲しいんですね。
で、プラスチックゴミが減った事によってカロリーが減ってしまって、結局高熱出せなくなったから重油を買って来て燃やしますってなったら、それまた本末転倒じゃないかなって思ってて、この辺に関して何か現場からの声とかどのように捉えられていらっしゃるかお答え頂きたいです。
山口環境大臣
焼却時の熱量低下の懸念についてプラスチックの分別収集が進んでも、基本的な現在広く普及している焼却炉では重油などによる助燃の追加の必要はないとも考えています。ご指摘のように小規模なクリーンセンターにおける運営も含めてご不安を抱えておられる市町村に対しては実情をよくお伺いした上で、市町村と一緒に必要な対策の検証等を行って参りたいと思います。
先ほど手を上げさせてもらったのは、プラスチックについてはもう少し、仰る通り大きな枠組みで見ていなかいといけないと思うんです。それは世界全体でこの海洋プラスチックも含めてプラスチックゴミをどういうふうに少なくして行こうかと。マイクロプラスチックなり、あるいはナノプラスチックなり、魚がそれを食べて、それを食べた人間が脳にまでそれが来て大丈夫かと。そういう中でこの間ケニアでもって新しい枠組みを作ろうということなんです。
レジ袋の有料化という事に関して、効果という点ではそういうことあるんですけど、ただ、世界各国でプラスチック製袋の規制の状況を見ていましたら、有料化している所が台湾、ベトナム、インドネシア、イスラエル、禁止しているのがバングラ、ブータン、中国、インド、一杯あるんですね。ヨーロッパでもベルギーあるいはデンマーク、オランダ、一杯もう既に有料化していると。どっちかというと日本では遅れてたくらいの話なんですけども、やっぱり世界の中でどういうふうに、このプラスチックごみを無くして行くかという中での話だと思うんです。
で、もっともっと仰るように、この認識を我々高めないとまだまだこのプラスチックってのは減ってないので、その辺は効果とともに必要性の話があるかなと思いました。
小野田議員
有料化してるのが遅かったと言うんですけど、目的は有料化する事じゃなくて削減する事なので、そこの効果が出てるかどうかっていうのが重要だっていう話なので、ぜひよろしくお願いします。
さっき言ったように大きい所はそんな影響はないとおっしゃったんですけども、私も小さい焼却炉を持ってる所にちょっと何個か話を聞いてみたら、「今でも結構困るのにこれ以上減ったら、ちょっと本当分別回収したプラスチックゴミを焼却炉にぶち込むしかなくなるかもしれません」っていうのようなお話をされる人もいるので、そこは小さい所のクリーンセンターの実情にもよく寄り添って頂いて、この燃料が高騰している時に、結局プラスチックを燃やしてればそれで済んだ話なのに重油を買わないといけないよ」なんてことがないように、しっかりと後押しをして頂きたいと、実態に合わせてちゃんと対応して頂きたいなと思います。
【関連】