最近多忙で、久しぶりに映画が観れました。

しばらく映画観てないので、長いヤツは観れないかなと思って、リハビリ代わりに短いヤツを選びました。

この映画は90分もありません。

長くないのはもちろん、短すぎて映画を観た気にならない時間でもないので、このときの僕にちょうどいい上映時間の映画でした。


ちょっと分野は違うんですけど、僕の仕事に近いところの話です。

なので、こういう映画は現実的に観てしまって、ちょっと現実的ではないシーンがあると引いてしまうんですよね。

例えば、症状が寛解するとか、こういう障害がある人を周囲の人全員が受け入れるとか。

僕の中ではこういうのってファンタジーなんです。

こういう症状はほとんど改善しないし、地域の方々全員が受け入れてくれたりしません。

それくらい、こういう障害がある方を取り巻く環境って厳しいです。

だから、お涙頂戴のためにファンタジーを入れる映画って僕は嫌いなんです。


その点、この映画はそういうファンタジーを入れなかったのはよかったです。

エンタメ要素が強い製作者だと、最後は梅の木を切ってしまうんでしょうね。

この男性にとって、梅の木を切るって大きな変化になるんです。

こういう劇的な変化って、20年以上働いてる僕でも見たことありません。

最後に馬をあまり気にかけなくなるようなシーンがありましたけど、僕はそれがこの男性が周りに迷惑をかけないようにしようとした成長を見せたシーンではないと思ってて。

多分、この馬のせいで周りの人に怒鳴られたりしたから、馬に対していいイメージが持てなくなって馬に興味がなくなったのかなって感じました。

だから、この男性は映画の始めと終わりで変わってないと思うんです。

そういうリアルを描いてもらえたのは好感が持てました。

周りの人たちもそこまで変わってないですよね。

少しはこの男性を理解したように見えましたけど、全てを受け入れているわけではなくて。

けど、こういうふうに少しずつ理解して受け入れてもらうのがいいと思います。

こういう人を取り巻く環境を過度に幸せに描くこともなく、過度に絶望的に描くこともなく、絶妙なバランスで描かれていましたね。


ただ、読み取れない部分もいくつかあって。

梅の木は1本では実を付けない、って話はこのストーリーにどう関わっていたんでしょうか?

結構重要なエピソードかなと思って、その後に起こるアクシデントと結びつけようと思ったんですけど、最後まで分かりませんでした。

「梅切らぬ馬鹿」がどうとかってことわざがあるみたいですけど、そこから考えると分かるかもしれませんね。

あと、見直さないと思い出せないんですけど、ほっとした顔したらいいのにってところでしかめ面をした加賀まりこのシーン。

何らかのものが上手くいったはずなのに、何を不満に思ったのかなって首を傾げました。

このへんはもう一度見直したり、調べて見たりすれば分かるかもしれませんね。