映画とかドラマとか、もっと言えば漫画とか小説とかの中で、おばぁちゃんが愛される存在ってのが僕の中では少し受け入れにくかったりします。
僕もおばぁちゃんがいるんですが、小さい頃は毎日のように怒鳴られたり、ちょっと前には家族間のトラブルの原因になったりした、ちょっとクセのある婆さんなんです。
そのおかげで、婆さんに対しては、今でもちょっと複雑な感情を持っています。
この映画のおばぁちゃんは人生観みたいなものの筋が通っていたり、心の広さみたいなものを見せたり、いいおばぁちゃんみたいに描かれていましたね。
けど、途中子ども(正確には養子)に向かって薙刀を向けたり、自分の都合で電話かけまくって人を動かしたり、そういう姿は僕の苦手なおばぁちゃんそのものでした。
だから、個人的な気持ちの問題もあるんですけど、この映画みたいに、おばぁちゃんのために家族・親戚が一致団結して、みたいな話はなんか入っていけなかったですね。
タイトルが『サマーウォーズ』って割に、あまり夏が生かしきれてない気がしました。
海に行ったり、山で虫取りしたり、そんなシーンなかった気がします。
夏っぽいと言えば、ひとりの男の子が、甲子園出場をかけて戦っていることくらいでしたね。
あと、パソコンが熱を持たないように置いていた氷を、死体が腐らないように持っていかれる、って流れも夏っぽいといえば夏っぽいですね。
けど、そのくらいです。
『サマーウォーズ』ってタイトルなのに、夏である必要性があまりないんです。
思うに、映画のタイトルを決める会議みたいなものがあって、
「タイトルどうしよか?」
「やっぱ戦ってるし、なんとかバトルとか、なんとかウォーズがいいんじゃ?」
「あ、サマーウォーズって響きよくないですか?」
「お、いいねぇ。でも、バーチャルの中の戦いだから夏あんまり関係なくね?」
「現実パートを夏にしちゃえばいいんですよ」
「なるほどね。なら、それでいこか!」
ってやりとりがあったんじゃないですかね?
このへんは邪推ですけど、サマーウォーズって割に夏っぽさがないなぁって気になりました。
他の方のレビューでもあまり見なかったんですけど、これってIT社会への警鐘みたいなものもあったんでしょうか?
ひとつのサイトが乗っ取られてしまったら、人が死んでしまったり、交通渋滞が起こったり、都市機能が麻痺したり、、
こういうネットの一部がダメになったら、社会全体がダメになることがある、そういうことへの皮肉を描かれてるように感じました。
まぁそんなのこんな映画に言われなくても分かってることなんですけどね。
だからみんなレビューに書かなかったのかな?
そんなに面白くないってわけじゃないんですけど、気になるところが多い映画でしたね。
僕は好きではありませんが、「何か面白いアニメ映画ない?ジブリ以外で」と聞かれたら、この映画を薦めてもいいかな、って感じの映画でした。