この作品もNetflixでの配信が終わってしまうので慌てて観ました。

学生の頃、好意を持っていた女性がいたんですが、その方がフランスやイタリアみたいなヨーロッパ映画を好きで、話のネタになるように僕も観ていました。

その頃に流行っていたと思うんですが、なぜか未鑑賞でした。

いや、もしかしたら観たのかもしれませんが、記憶から完全に消えているのかもしれません。


始まってすぐは引き込まれました。

アメリカ映画にはない撮り方だな、って感じで。

1カットが短くてパッパッと切り替わったり、被写体をズームしたりスライドしたり、妊婦のお腹が膨らむ過程を連続写真で流すようなユニークな映像が流れたり、観ていて忙しいんですけどそれが嫌じゃない。

単純に「面白いな、楽しいな」と思わせてくれるので、観ていられたんですよね。

それにキャラ紹介みたいなナレーションも面白かったですね。

好きなもの・嫌いなものを紹介するんですが、そのクセがすごい。

好きなもの・嫌いなものを聞かれてそれをいちばん最初に答えんやろ、ってヤツがいっぱい出てくるんです。

けど「なんとなく分かるな、それ」って感じがして妙に納得してしまう。

それにフランス語ってよく分からないんですけど、ナレーション結構早口で喋ってるんじゃないですか?

それがまたたたみかける感じがしてよかったですね。

マニアックなあるあるネタを速い切り替え映像と早口のナレーションで一気に観せる。

それが面白かったですね。

僕は映画の導入部分は退屈に感じてしまうことが多いんですが、この映画は導入部分でがっつりつかまれた感じがしました。


もちろんこの技法でずっと観せられるとさすがに飽きるし疲れてしまいますので、ストーリーが動き出すと同時にカットも長くなり、会話も普通のスピードになります。

フランスのオシャレな街並みや小物、食べ物を映しながらユニークな登場人物がブラックで皮肉が効いた会話を交わす…

こう書いていると映画として楽しめる要素がたくさん盛り込まれているように思えますね。

けど、僕はストーリーが進むにつれて退屈に感じました。

要は、この主人公は周りの人に小さな幸せを与えたい、その過程で素敵な男性に出会ったのでアプローチしたい、って話ですよね。

それがなんか僕にはハマりませんでした。

前夜は結構寝たつもりだったんですけど、途中で寝てしまいましたから 笑

僕にとってはこの手の話は中身がないように思えて、つまらないんですよね。


風景や小物、撮り方で作った雰囲気みたいな装飾は好きだけど、ストーリーという "芯" が弱いので、映画全体を見ると評価として下がってしまいました。

よく言っていますけど、映像の雰囲気がいいだけならアーティストのミュージックビデオとかでいいんですよ。

2時間もダラダラ見せてくれなくていいです。

この映画の会話で聞かれる皮肉やブラック・ユーモアみたいなものは好きだし、この監督の作品ってダークなものは多いらしいので、この作品より合うかもしれません。

この監督の違う作品を観てみたいと思います。

この作品はテーマが合わなかったのが僕の評価を下げた原因なので、こういう甘ったるいストーリーが好きな人にはいい作品なんじゃないでしょうか。

それと、雰囲気だけでも映画が観れる人にもおすすめです。


こういう中身がない映画…

ちくわ?ドーナツ?

フランス風に例えると…なんでしょう?

こういうときにオシャレな例えが浮かばないくらいオシャレとは程遠い人間なのでこの映画は合わないんでしょうね 笑