この映画を見て気分がよくなる男はいないでしょうから。
特に、自分よりできた彼女や奥さんがいる男は、この映画を見ない方がいいです 笑
主役の浅野忠信演じる小説家は、酒に溺れたり、盗みをしたり、愛人を作ったりします。
そして、それでも健気に自分を支える妻、また居酒屋で働けばその店の人気者になる妻に複雑な感情を抱きます。
つまりは、この映画では男の堕落とか劣等感、嫉妬が描かれてるんです。
見ている男は「あぁ、その気持ち分かるなぁ」とはなるんですが、小説家はラストまで何も変わらないので、この映画を見たところで何も解決しないからすっきりしません。
だから、男が見ても何も得しない映画なんです。
逆に、女性はこの映画に感情移入しやすいんじゃないでしょうか?
こんなダメ男と関わった女性の話はよく聞きますからね 笑
松たか子演じる小説家の妻は、夫が何をやらかしても、文句も言わずに夫に尽くします。
この映画を見た女性は、この妻のあり方をどう思うのか気になりました。
「こんな女になりたいわぁ。」と思ったか、「男を甘やかしたらダメでしょ、こんな女はダメよ。」と思ったかどちらかだと思います。
もっと深く追求すれば、途中現れる妻夫木聡、堤真一という二人の男との成り行きを、この映画を観た女性はどう感じたんでしょうか?
男からすれば、夫以外の男と必要以上に関わるのは "なし" だと思います。
でも、これも女性からすれば、ただ "なし" と片付けずに、あれやこれや語れると思います。
うまく不可抗力として正当化できたりもするかもしれませんね 笑
そういう女性の言い分には異性として興味はありますし、そういう論議の機会を与えてくれた映画として見れば、意味深い作品ですね。
ですから、女性はこの映画を観れば、女性のあり方を考え直す機会になるのかもしれません。
そして、男性はこの映画を見た女性の考えを聞いて、女性の奥深さを思い知るといいかもしれませんね 笑
この映画のラストはオープニングに繋がる気がします。
映画の内容を何度も繰り返すループ作品なんじゃないでしょうか。
結論的には、今回の夫の不祥事はとりあえずは治まったようですが、また同じことを繰り返していくんでしょう。
今回の件で、夫はさらに妻に劣等感を感じたでしょうし、自分の中では解決しきれない部分もあったでしょうからね。
この夫は酒に溺れ、愛人を作って…という流れをまた繰り返す、と僕は思いました。
そう考えると、僕にはこの妻のあり方は夫にとってふさわしいものではない気がしましたね。