最近はとにかくミステリーを読み漁っていて、とりあえず有名どころの作家は1冊は読んでおこうと思っています。

今回は湊かなえ氏の作品を読んでみました。

勝手なイメージですけど、女性が書くミステリーやホラーの方がエグい印象があります。

グロ描写だったり、鬱展開も女性作家の方がメンタルに来るものがあります。

映画で観たんですが『告白』では血が入った牛乳を飲ませるシーンがあって、牛乳好きだったのにちょっと飲むのがイヤになった記憶があります 笑


けど、この小説は甘々でしたね。

「○○は人殺しだ」という告発文が自分の周りの人間に晒されるように届けられる。

それをきっかけに過去の死亡事故を回顧し、亡くなった広沢という人物の過去を探っていく話なんですが、その後の展開は個人的にミステリーっぽく感じませんでした。

僕の思うミステリーだと、仲間の何人か、または情報を聞きに行った広沢の同級生の何人かは死ぬんです。

それが人が死なずに話が進みますし、告発文を送った犯人も分かりますが、そんなに意外な人物ではなかったですね。

そして、その犯人と主人公が語り合い、分かり合い、一件落着…

この小説の中で蜂蜜がよく出るんですけど「エンディングまで蜂蜜みたいに甘々かい」って言いたくなるほどでした。


けど、最終章で全てひっくり返ります。

最終章というより、最後の4行で主人公が天国から地獄に突き落とされてしまいます。

主人公にとって最悪の真実が判明したところで終わるので、その後どうなったか分かりませんが、きっとその真実を誰にも言えずに生きていくんでしょうね。

この後味の悪さはコーヒーがあまり好きではない僕からしたら、コーヒーを飲んだ後の口の中のほろ苦さのように感じました。

蜂蜜と同じように、コーヒーもこの小説の中によく出てきます。

文庫本の表紙にもコーヒーが描かれていますしね。

この小説のキーワードはコーヒーと蜂蜜です 笑


この最終的な真実だけ書いて、その後の展開を書かないのはドラマや映画ではあまりないんじゃないでしょうか。

ドラマや映画はその後を描きたがりますからね。

最終的な真実が判明した時点でぶつ切りしたように終わるのは実写では『世にも奇妙な物語』くらいじゃないでしょうか 笑

けど、僕はそれが好きだったりしますけどね。

その真実が判明した後であーだこーだなるのは蛇足な気がしますから。

小説では『殺戮に至る病』も同じような終わり方をしましたけど、この『リバース』とともに「えらいもん読んでもうたわ…」って気分になりました。

それが気持ちよかったですね。

最後の4行で主人公をどん底に落とし、僕はいい気分になりました 笑


ネットで調べると、連続ドラマになっていたみたいですね。

小説と同じ場面で終わったんでしょうか?

連続ドラマがこのような終わり方をするイメージがないので、ラストシーンが気になります。

もしこの結末を知らずにこのドラマを観ていたら、僕なら3〜4話で切っていたでしょう。

ホントに、最後の最後を読むための小説でしたね。