映画を観ていて人が死んだり、想いが叶わなかったり、いろんなシーンで泣きそうになったことがありますが、この映画で泣きそうになったシーンは今までのものとは違いました。

宇宙にいる主人公は地球にいる人たちと比べて時間が進むのが遅いので、地球に残した子どもたちが自分の年齢を追い越してしまいます。

そのせいで、数ヶ月宇宙にいる間に子どもたちが学校を卒業したり、子どもを作ったりしています。

それどころか、子どもたちが自分の年齢を追い越してしまっています。

このシーンを観たとき、これまで感じたことがないような悲しさを感じました。

大切な人と同じ時間の流れを歩めないことってこんなに悲しいものなんですね。

映画で悲しくて感情を揺さぶられたのは久しぶりでした。


よかったのはそこだけです。

本来、僕はSFが苦手なので、やはりこの映画は合いませんでした。

面白いと評判なのでイケると思ったんですけどね。

何より放映時間が約2時間50分と長すぎる。

3日に分けて観ましたけど、やはり観ていてダルかったです。

宇宙に行く映画ってなんでこんなに長くなるんですかね?

もっとコンパクトな宇宙SFが観たいです。


この映画の物理の法則とか宇宙の原理みたいなのはどこからがフィクションなんでしょうか?

主人公が過去に戻ったときには驚きましたね。

相対性理論の本を少し読んだことがあるのですが、未来には原理的には行けたとしても、過去には戻れないと書かれていた気がします。

ブラックホールとか4次元の世界が作用して過去に戻ることができたとか言っていたと思いますが、そうなると何でもありになってしまいます。

娘の本棚から本を落としてメッセージを送っていたのは誰かを考えるのがこの映画のひとつのポイントだと思うんですけど、この答えは反則に近いんじゃないでしょうか。

その他にも無理矢理な展開があって、こういう物理の法則が働いてこうなってるんですよと説明されても、それが何の根拠もないでたらめなものだとしたらこの映画のリアリティは失われてしまいます。

ドラえもんなら許されるんですけど、この映画ではある程度の根拠があって万人が納得できる原理や法則に基づいた現象でストーリーを進めるべきでした。


とんでもない理論で置いてきぼりを食らった映画でしたけど、家族の絆みたいなものの描き方は上手かったと思います。

ラストも宇宙を舞台にしたからこその家族の別れが描けていましたし。

もう少し宇宙や物理について納得ができるものを準備してから観せて欲しかったですね。