もうすぐ新作が公開されるのでNetflixで観ました。
ガリレオシリーズはテレビドラマから観てるくらい好きで、ドラマのDVD-BOXや『容疑者Xの献身』のDVDも購入しました。
けれど、ドラマの第2シリーズからなぜか興味が薄れて、この『真夏の方程式』もずっと観ずにいたのが、やっと今になって観ました。
面白くないわけではないんですが、前作が強すぎましたね。
事件の不可解さや全貌、人間ドラマの全てが『容疑者Xの献身』の方が勝っています。
『容疑者X〜』は僕の中では邦画サスペンスでもトップクラスの作品です。
福山雅治演じる湯川学は科学にしか興味がなくて人間味がないような人間なんですが、柴咲コウ演じる内海薫と捜査していく中で人間臭くなっていきます。
『容疑者X〜』では、友人が罪を犯したことを嘆き悲しみ涙するくらいまでになります。
個人的には、ガリレオシリーズはここで完結してよかったと思うんです。
それが、ドラマの第2シリーズでは相棒が変わってしまって、蛇足的に話が続いたような感じがありました。
新しい相棒の吉高由里子とはあまり上手くいっていないように見えて、変わる必要があったのかと思いました。
そういえば、吉高由里子は福山雅治と同じアミューズ所属でしたよね?
あぁそういうことか、と邪推した覚えがあります 笑
そういう否定的な気持ちを持って観てしまったんですが、観終わった後の後味もあんまりよくなかったです。
過去に殺された女性の動機がなんか弱かったですね。
自分の本当の親が誰かという問題が、それをネタに強請りに来た人間への殺意に向かうものでしょうか?
僕なら、そのやるせない感情はまず両親や本当の親に向かうと思うのですが。
それに、海洋開発はいいことか悪いことかハッキリしませんでした。
杏が言っていた「この海を守っていく」は開発を止めることなのか、福山雅治が言ったように相手の意見を聞きながら認めることができる部分を認めていくことなのか、個人的に興味がありましたから。
文明開発の恩恵を受けている人間が、開発に関することを一概に"自然破壊=悪" っていう決めつけることが、僕はあまり好きではないので。
いちばん後味が悪かったのは、子どもに殺人の加担をさせてしまったことです。
子どももそれに気付いてしまい、トラウマになっていたみたいです。
福山雅治が声をかけて、楽しかったことを思い出すように仕向けますが、それで気分が晴れたようには思いません。
福山雅治が杏に子どものケアをするように言っていましたが、気休めにしか見えませんでした。
子どもが知らないうちに事件に加担することは実際にあるでしょう。
それを楽しかった思い出で埋めるのは子どものケアとして正解なのか気になりました。
子どもにとっては夏の苦すぎる思い出になりましたね。
このあと『容疑者X〜』も観たんですが、映画の作り込み方にも違いを感じました。
『容疑者X〜』より『真夏の方程式』の方がポップで見やすく作られている印象を受けました。
その分、複雑な心理描写とか細かい設定は省かれたような気がします。
僕はそういうところを省いてくれた方が好きなはずなんですが、今回はたまたま気になってしまいましたね 笑
よく言われる「海が見える景色がノスタルジックでいい」というところも僕はあまり惹かれませんでした。
なんせ、離島暮らしをしているもので、よく観る光景ですから 笑
面白くないわけではないんですが、どこがよかったとは言いにくい映画でしたね。
新作は相棒が柴咲コウに戻っているところはいいポイントですが、期待していいものか悩みどころです。