原作の漫画の単行本を集めていたのですが、途中で辞めてしまった作品です。
昨日、テレビで放送されていたのを観ました。
よくレビューで目にしましたが、演技があまりよくなかったですね。
昔NHKであっていた天才てれびくんの中で流れていた、出演している子どもが主演したドラマを思い出しました。
そういうのってドラマとしての完成度より、子どもたちが演技に挑戦していることが重要なので、多少の演技の下手さは目をつぶってもらえますが、これは客からお金をとっていた映画ですからね。
それなりの演技できる俳優をキャスティングしなきゃいけなかったんじゃないでしょうか。
実際、メインキャストの男優2人(板垣李光人、城桧吏)は今ではほとんど名前を聞きませんよね?
あまり演技を評価されなかった証拠だと思います。
子どもたちだけではなく、大人の演技にも違和感を感じました。
最近の邦画ってボソボソ喋ることが多くてセリフが聞き取りにくいのがちょっと嫌だったんですけど、この映画は大げさなくらいハッキリ喋るんです。
それに身体全体を使った演技、舞台のお芝居のようでした。
狙ってそうしたんでしょうかね?
確かに登場人物の心情みたいなものが表現できてて分かりやすかったんですけど、なんか非日常的で不自然に感じました。
ミュージカル映画ならそれでいいんでしょうけど、やはり映画の演技と舞台の演技は分けた方がいいんじゃないでしょうか。
その演技のせいで、渡辺直美は全然不気味じゃなくて、笑えるだけでした。
コントで見たことあるキャラクターそのままでしたから。
けど、これはコントでもコメディ映画でもないので、不気味でなくてはいけませんでした。
僕の中では彼女は何をやってもコメディアンですね 笑
ただ、映画の内容とキャラが合ってなかっただけで、渡辺直美のキャラクターは面白かったので、登場シーンが少なかったのは残念に感じました。
いっそのこと、子どもたちが渡辺直美から逃げようとするコメディ映画にしてくれた方が僕は楽しめたし、小さい子ども受けもよかったんじゃないでしょうか。
漫画のキャラクターを忠実に再現するのはもうやめていいんじゃないでしょうか?
この映画でいうと、髪質が不自然すぎてコスプレ感が出すぎています。
漫画実写化というと、その世界観とかキャラの見た目とか忠実に再現しなくちゃならなくなるのは一種の呪いみたいなものですね。
「この漫画からヒントを得た」って逃げちゃダメですかね?
そうすれば日本人が欧米人を演じなくていいし、ストーリーの多少の改変も認められると思います。
「いやいや、この漫画を参考にしただけで、キャラとかストーリーはオリジナルなんですよ」って。
「原作を忠実に再現できてないやん」とか思わされるより「参考にしただけだからこんなもんだよね」と妥協できた方が寛大な心持ちで映画が観れるので、僕はそちらの方がいい気がしますね。
今後、漫画の実写化で「忠実に再現」とは言わず、「世界観にヒントを得た」とか、ゆとりを持った実写化をオススメします 笑
いいなぁと思ったのは、森林の緑に衣装の白が映えていたところです。
「あんな走り回る子どもたちに上下真っ白なんか着せるか?」と気になりましたが、子どもたちが緑の中を駆け回るシーンは幻想的でキレイでしたね。
基本的に白黒の漫画では表現できなかったものが、フルカラーの実写では美しく表現できていたので、実写化して成功した部分だと思います。
作り手側が狙ったのかは分かりませんけどね 笑
それに、漫画では退屈だった部分が削ぎ落とされて分かりやすいストーリーになっていて、テンポよく話が進むので観やすかったです。
過剰な程に希望に満ち溢れた主人公も、ラストの脱出成功も相まって好感が持てました。
昔の僕なら、ひとつダメなところがあったらこの映画は面白くないと切り捨てていましたが、よいところも見れるようになってきたんだなぁと自分を見つめ直すきっかけになる映画にもなりましたね 笑