観終わった後、すっきりしない映画ですね。

結局、事件の真相は何なの?って思いました。
そもそも、タイトルが『三度目の殺人』なのに、この映画の中で殺されたのは2人しかいないので、僕には "三度目の殺人" が起きたようには見えませんでした。

いろいろな映画の中で、 "暗示" みたいなシーンってよくありますが、もういろいろやりすぎて、答えまでたどり着かないもので溢れています。
こういうのって、映画が終わって全ての事実が判明した後に「あーあのシーンってこういう意味だったのかー」って観ている方に思わせるものだと思うんです。
それが最近の映画だったら「あーこういう結末か…。あれ?あのシーン気になったんやけど何やったん?」って映画の結末を迎えても分からないものが多いと思います。
この映画で言えば、福山雅治・役所広司・広瀬すずの3人が雪に寝そべっているシーンの足あとのかたち、その3人がそれぞれ顔についた血を拭うシーンとかがそうだったんでしょうね。
それに、死体や、雪に寝そべる3人が十字の姿勢で寝ていたり(福山雅治は足を広げていましたが…)、ラストシーンで福山雅治が十字路に立っていたり、十字架みたいなものが多くて出てくるのも何か言いたかったんでしょう。
でも、この映画は事件の真相がハッキリしないのでこれらのシーンの意味が推測しにくいんです。
これもこの映画が観終わった後、モヤモヤしてしまった原因です。

この映画、いろんな賞をとっているそうですね。
でもこういう小難しい映画が多くの賞をとるのってどうなんでしょうか?
例えば、今まであまり映画に興味がなかった人が「映画でも観てみようかな」って考えて、この映画を手にとって「あ、たくさん賞とってるって書いてるし、面白いんだな」って思うかもしれません。
それがこんな小難しい映画を観せられて「よし、また映画観よう」って思いますかね?
賞をとった映画って、ある意味映画の入門編みたいなところがあると思うので、こういう映画が入り口になっちゃうと、ちょっと映画の敷居が高くなってしまうんじゃないかと思います。
映画ってもっと気楽に観ていいものだと思うんですよ。
それが、この映画を観て、僕みたいに「事件の真相が分からない」「いろんな暗示シーンの意味が分からない」「そもそも "三度目の殺人" のタイトルの意味が分からない」ってなったら、もう映画ってこんな小難しいものなんかってなると思います。
こういう観る側に考えさせる映画が賞をとるのはいいと思うんですが、たくさん賞をとる映画はもっと分かりやすい映画でいいと僕は思います。
そうしないと「映画の楽しさを広めたい」と思って与えているであろう映画賞が、一般人を映画から遠ざけることになりますよ。
僕ぐらい頭の悪さを自覚すると、映画賞とかどうでもよくなるし、こういう映画が言いたいことも「分からない」ってハッキリ言えるので、楽ですけど 笑