自分がライブが好きだったり、趣味でバンドをしていたりしていることもあって、音楽とかバンドとかをテーマにした映画って贔屓目に観てしまいがちです。
でも、多分この映画は、そんなの抜きにして楽しめたんじゃないか、と思います。
僕はQUEENは世代ではないですし、有名な曲を数曲知っているだけですけど、それでもかなり胸が熱くなりましたからね。
途中、仮装パーティーみたいなところで、自転車に乗っている女の尻をFreddie Mercuryが叩いて「尻のデカい女だ」みたいに言うシーンがあるんですけど、これってQUEENの「Bicycle race」と「Fat Bottomed Girl」って曲を連想させるシーンでしたね。
ディープなファンの人が観たら、もっとこういうシーンに気付けて面白いんじゃないかと思います。

この映画の再現度がすごいですね。
QUEENのメンバーがみんなそっくりです。
特にギターのBrian MayとドラムのRoger Tylorはかなり似てましたね。
Rogerの方はサッカー選手のモドリッチにも似てましたけど 笑
それに、結構いろんなエピソードも上手く盛り込まれていたんじゃないですか?
「Bohemian rhapsody」は教会の跡地でレコーディングしたとか、「Another one bites the dust」はRogerはイヤイヤ叩いていたとか。

気になったのが、Freddie Mercuryのマイクスタンドのエピソードです。
Freddieは脚がないマイクスタンドを使うんですけど、そのきっかけになったみたいなシーンはホントだったんですかね?
それと、ライブの監視員がステージを振り返って思わず笑ってしまったシーン。
ライブの監視員って確か、ライブ中は客の方を観て、何があってもステージの方を観てはダメだったと思います。
多分、Freddieの歌のあまりの凄まじさにステージの方を振り返ってしまい、思わず笑ってしまった、ってことだと思うんです。
これも実際にあったエピソードだったんでしょうかね?
どこまでが本当で、どこがちょっとした脚色だったのか、そこは気になりました。

ラストのライブシーンはホントにすごかったです。
今までの映画でなかったんじゃないですか?
20分のライブを映画の中で再現したのって。
観終わった後、あまりにQUEENにハマっちゃったもので、映画で再現されたものと同じライブをyoutubeで観ましたが、ほぼ完璧に再現されてました。
衣装や会場の様子はもちろん、ピアノの上に置いてあったペプシ・コーラの紙コップの数まで。
ただ、ちょっとやらしいところを突かせてもらいますが…
このライブがあったのが1985年、Freddie MercuryがAIDSの診断を受けたのが1987年頃と言われているので、このライブのときにはまだFreddieはもちろん、他のメンバーもFreddieの病気のことは知らないんです。
しかし、この映画では、このライブのときにはFreddieも他のメンバーもFreddieの病気のことを知っていることにして「残された少ない時間、思いっきり唄うんや!」って流れになっています。
感動させるために史実をちょっといじったりするのは僕はあまり好きではないんです。
でも、ライブシーンをこれだけのものに作り上げてくれたんだから、今回は大目に見てもいいでしょう 笑
実際、これまでのFreddieの人生を観てきたからこそ、このライブシーンでの「Bohemian Rhapsody」や「We are the champions」の歌詞はかなり胸に響きましたし、泣きそうになりました。
映画の話とはちょっとズレますけど、バックグラウンドみたいなのを知って歌詞を噛み締めながら曲を聴くと、その曲がさらにいい曲に聴こえるんですよ。
それを、映画でやってくれましたね。

映画通ぶってるみたいなのであまり言いたくないんですが、この映画はIMAXで観るべきです。
IMAXで観るために作られた映画ですから、これは。
あのライブシーンの臨場感は、IMAXで観ることで何倍にも高められると思いますよ。

この勢いで、LED ZEPPELINとかDEEP PURPLEとか、僕が好きなバンドも題材にして映画を作って欲しいものです。
もちろん、ライブシーンの再現度は高めでお願いしたいですね 笑