見終わった後「いい映画だったなー」と思いました。

期待していなかっただけ、余計に 笑



印象的だったのは、やっぱり竹原ピストルですね。

他の歌手じゃ、あんないいシーンにならなかったと思います。

僕はすごく新鮮なシーンに感じましたが、あんなことをした映画って今まであったんでしょうか?

松っちゃんの映画って、過去の作品からパクったような設定やシーンをよく観るもので、少し気になりました。

どうであれ、松っちゃんはいい歌手をキャスティングしましたね。



最初は観ててダルいんです。

リアクションがとれない素人のリアクション芸をずーっと観せられるだけで。

何枚もドミノみたいに並べられた薄板を突き破っていくシーンは「え?これ映画のシーン?」ってくらいテンポの悪いシーンに感じました。

あー今回も自分に合わないのかなーって思わされました。

娘が三十日の業を失敗するたびに「自害しましょう」っていうのは、回数を重ねるたびに笑えてきましたけど。

でも、三十日の業を続けるうちに街の人や藩主を味方につけていくのは、観ていてほっこりする流れでした。

松っちゃんが「今回の映画は一般人でも見やすくした」と言っていたと聞きましたが、この部分のことなんでしょうね。




そこからの主人公のあの結末。

ほんわかとしたコメディだと思って観ていた人にはショッキングだったでしょうね。

「シネマ坊主」を愛読して、松っちゃんの好きな映画の傾向が何となく分かっていた僕にはなんとなく予想できましたけど。


ここがこの映画のいちばん分かりにくいところなんですけど、なぜ主人公は切腹して自らの命を絶ったんでしょうか?

主人公はほとんど喋らないし、心理描写もないので、何を思って死んでいったのかよく分からないんです。

僕は、娘に「自害しましょう」と何回も言われるものだから「それが娘の望むこと、叶えてあげよう」と思った、と無理矢理に解釈することにしました。

親子愛のすれ違いが生んだ悲しい結末だと。

主人公のちょっとおかしい感じも、娘が言うなら死ぬっていう安直な行動に出るのに自然な感じがしますし。

まぁこのあたりは、答えが出ないところなんでしょうけど。


それからクライマックスの竹原ピストル。

ここに至るのに、主人公はやっぱり死ぬしかなかったんですね。

今回松っちゃんがいちばん撮りたかったのはここなんだろうなーと思います。

一人残された娘が可哀想すぎると思いましたが、何となく解決したんだろうなって描写もあったので、個人的に安心しました。




低いところからスタートして、だんだん上がって、いちばん高いところまで上がったところで落とされ、最後にまた上げられる。

そんな感じの映画です。

そういう感情を上下に揺さぶられる映画の方が見た後に気持ちよくなれて、自分は好きですけどね。

結末に向かって内容がよくなっていくって点では、「しんぼる」とは逆に感じました。

もちろん、尻上がりの方が僕はいいですね。

この映画が面白くなかったら「R100」はもういいかなーと思っていましたけど、興味が湧いてきましたのでいつか観てみたいと思います。