汚れた赤を恋と呼ぶんだ | 楽々主義

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徒然なる日々

切なさの中の青春だねっていう話。

河野裕さんの
『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』
を読みました。

引き算の魔女という噂を巡り、七草は奔走する。真辺由宇のために。夏休みの終わりに再会を果たした彼らが、次に求める答えは、諸刃の剣。魔女の存在を探す謎の少女安達は、何を知っているのか、何を知らぬのか。そして、この世界での相原大地を巻き込んで、物語はまた新たなる扉を開けようとし始める。
階段島での出来事が現実で交わり、紡ぎ出す糸の向かう先はどこなのか。。。

お馴染みのシリーズ第3弾。
舞台は階段島を出て、
時を同じくする現実世界へ。

これまでの階段島での出来事が、
どこに結び付き、どこへ帰結するか、
その一端を紐解ける物語になっている。

様々な伏線が、
どの様な道を辿り、
また階段島へつながっていくのかが、
よく理解できる一冊だ。

こういう手法もあるんだなぁと、
面白く読めました!!

人間の生き方に正解なんてなくて、
大人になるに従って、
必要に迫られて、
ありとあらゆる、
選択をしながら、
生きていくだけで。

ある一面から見れば、
それは飛躍的な成長で、
だけど裏から見れば、
それは何かを諦めることでもあり。

選び取ることで、
手にするものの代償が、
その多寡が、
いつでも平等であるとも、
言いがたいことも確かで。

でも、
前に進むためには、
重い荷を背負ったままじゃあ、
困難なことがあるわけで。

そうやって、
その都度考えるわけだけど、
いつでも割りきれるわけじゃなく、
後悔や葛藤が、
そんなある種の後ろ暗さが、
残らない方がむしろずっと少なくて。

無い物ねだりばかり、
あれもこれもと、
考えあぐねてしまうのも、
それはそれで自然な所作で。

誰だって、
『本当にこれでいいのか』
って、気持ちをモヤモヤと、
抱えたまま結局、
その先にいくしかできない。

だから、これは、
『If』の世界の話だ。

もしも、が、
叶うならばっていう、
誰もが心に燻らせ続けてる、
自分の残骸に対する、
捨てきれない未練を、
未練がましく、
恩着せがましく、
執着していくお話なのだろう。

決まった出口へ向かうにしても、
その道程、選ぶ過程に、
そこにこそ光を当てようという、
何とも情けなくも、
儚くて切ない、
もしかしたらのお話なんだ。

どこに答えを求めるか、
手を伸ばすのか、
手を遮るのか、
手を拒むのか、
手を掴むのか、
その寸前まで、
抗い続ける、
心の物語。