一つ前に進んだねっていう話。
有栖川有栖さんの
『論理爆弾』を読みました。
探偵を目指す空閑純は、失踪した母が最後に向かったとされる、深影村を訪れた。
母が消息を絶つ前に逢っていた川淵隆一に話を聞くため川淵家に赴くも、本人は自殺してしまっていた。
諦めきれない純はしばらく滞在を決め、情報収集に乗り出した。
しかし、奇しくも深影村付近に北のスパイが現れ、唯一の交通手段となるトンネルが通行不可に。そして、深影村では連続殺人事件が起きてしまう。陸の孤島と化した山村に蔓延る狂気の正体とは。
第三弾となる、ソラシリーズ。
探偵が禁止され、戦争により分断された仮想日本が舞台になっている。
とはいえ、昨今の世界情勢や何かを鑑みるに、あながちフィクションとも言い難くなり、そこにリアリティが生まれている。
今回はかなり重要な内容。
母への糸口を見いだす回となっている。
あ、あまりネタバレになると、
読む楽しさがなくなってしまうか。笑
ともあれ、
動機の部分がいかにも、
現代的なところが、
ある意味最大の爆弾で。
ミステリ好きにとっては、
これほど納得しがたいものもなく、
しかしながら、
人間という生き物を切り取る上では、
これもある種、確かなミステリ。
人間が抱える心の闇こそが、
一番の謎とでもいいましょうか。
世の中に実際に起きる事件が、
必ずしも論理的であるかといえば、
それはむしろ逆で。
明確な答えのない、
言い様のない、
しかし、確実に存在する、
人がもつ矛盾。
これも一つの迷宮であり、
形は違えど誰しもが、
心のどこかにあるものではないか。
彼女の成長は即ち、
謎を解くことで人を知るお話。