爆弾投下が凄すぎるっていう話。
麻耶雄嵩さん『神様ゲーム』
読破いたしました。
野良猫連続殺傷事件が起きた。猟奇的な犯行手口に、付近の住民は不安な日々を過ごしていた。
芳雄は所属する探偵団で、この事件の解決に乗り出す。糸口が見当たらず困り果ているところに『神様』を名乗る転校生が現れ、あっさりと犯人の名を告げ、見事に的中させた。
事件は解決し、一安心かと思われた矢先、同級生の死亡事件が起きた。
事故か他殺か、親友の死の真相を独自に調べる芳雄。藁をも掴む気持ちで、神様に真実を尋ねると。。。果たして終わりに待つものは一体何か。
これまた『麻耶色』全開な物語。
本の厚さは、
この手の本にしてはかなり薄く、
短編小説のようだ。
しかし、
その内容の濃度といったら、
これは凄まじいですよ。
帯には、
『あなたは、この事件の真相を正しく理解できるか。』綾辻行人
の、文字が!!
思わず手に取りましたね、これは。
そして、読み終えてみて、
最後の破壊力に、
完全に圧倒されました。。。
もう、完膚なきまでに、
スパンと足元から、
全てをひっくり返されました。
元々は、
児童用のミステリ本として、
出版されていたものを、
加筆修正した作品で、
そういう意味では、
ある種の『不思議さ』
が、この物語にはある。
そう、『神様』という存在だ。
普通は、
こんな“トンデモ設定”にすると、
途端に嘘っぽくなったり、
どこか、作り物感が強くなる。
しかしながら、
それを感じさせない、
むしろ、
その不可解さや曖昧さが、
伏線として成立している。
予想を裏切ることを、
ミステリでは、
どんでん返しと呼んでいるけれど、
その落差や、回転具合いが、
予想を超えてきている。
内容はといえば、
世の中には、
知らなくても良いことや、
知ったために後悔することが、
ままあるということ。
或いは、
神様という存在が、
実在したとして、
それは誰にとっても、
平等に善なる結果を、
齎すものとは限らないこと。
どちらかというと、
ダークサイドな、シュールさ。
子どもという無垢から生まれる、
ある種のナイーブ過ぎる、
純粋さが痛みになる。
割りきれないものを、
無理矢理に割りきろうとする。
模糊としている故に、
その微妙なバランスが崩れると、
予期せぬ結果を招くこともある。
俯瞰して、
客観視して、
真ん中に意識を。
人間は、
理性だけでも、
感情だけでも、
結局は成り立たなくて。
その両方の絶妙なさじ加減、
時には迷いや葛藤と呼ばれ、
優柔不断だと謗られるものすら、
それはだから、自然な行いで。