リアリティがあって、そこがイイっていう話☆
伊与原新さんの『お台場アイランドベイビー』を読みました。
東京を壊滅寸前まで追いやった大震災から四年。息子を喪った元刑事、巽丑寅は不思議な魅力をもつ少年、丈太と出会う。彼の抱える謎の背後には、大きな影が。。。
震災チルドレン、お台場埋蔵金伝説、地下を暗躍するアナーキズム、都知事汚職事件、浮かび上がるキーワードと、鍵を握る『島』の存在。
果たして、この東京という街の真の姿とは。。。
いや~、これは面白いです!!
流石は、横溝賞大賞だなと。
まぁ、いわゆる『ミステリ』という感じとはちょっと違い、ハードボイルド系というか。
設定が近未来で、
しかもなかなかリアリティがあるんですよ。
ここの部分に、非常に魅力を感じる。
物語背景に、こうした社会像が描かれると、
実に自己投影がしやすい。
フィクションでありながら、
ある程度の実感みたいなものや、
現実感を帯びて迫ってくる。
作中では、『鎖』という言葉で、
人間関係を表している。
確かに、しがらみだったり、
切りたくても切れなかったり、
がんじがらめになったりする。
時には引っ張られて引っ張って、
絡んで転んでしまうことも多い。
面倒で、しんどくて、
鬱陶しくて、腹立たしくもなる。
だけれども、
絡んだ先にあるものが、
大切で、愛おしくて、
切り離したくないものだってある。
たとえ、それが
苦くて辛くて切なくて悲しいものでも。
決して離してはいけないものだと、
そういう部分もある。
いつだって、誰だって、
正しい選択、間違いのナイ答えだけを、
辿って生きているわけではないから。
切り離したい数の分だけ、
きっと守りたいものがあるってこと。
人が生きていくなかで、
捨てていくものと、
拾っていくもの。
失うものと、
守るもの。
それが、何なのかを。
この一冊には、
探すことができる。
それぞれの選択。
自分だけの、選択を。