寒い日も温かい日も、

春眠であろうとなかろうと暁を覚えない林檎です。

ええ最近とてもよく眠る。

こんにちは。

みなさん、いかがお過ごし?
























社会人として新しい生活が始まるまで、あと2ヶ月を切りました。

リミットは刻々と迫っているみたい。

そんなことはよく解っているけれどね。

それでも。

1月は早く早く過ぎてしまえと毎日願って過ごしたし、

2月は時間を惜しむように大事な人と過ごしているし、

3月はぎうぎうに詰め込んだ予定と課題に追われて過ごすと思う。

そうやって過ごす日々はタイムリミットなわけで。

大事にしなければいけないのに、

妙に退屈で、ちょっと怠惰。

それでも。

今日は終わって明日がくる。
























残りの時間の過ごし方を模索しているうちにリミットがくる

なんてことはしたくないから、

とりあえず毎日楽しもうとはしている。

会える時は会いたい人と一緒に。

やるべきときは仕事を必死に。

時間が空けば勉強をしながら。

でもね、最近妙に「正しさ」ばかり気にしているようで。

終わってしまうと虚無感と不満ばかり出てくる。

あの時こうしていれば。

いまこうなっていれば。

そうやってぐるぐる御託を並べて最後は同じところに行き着く。









「それで、何かが変わるのかい」
























いまの林檎が「シアワセでない」なんて言ったら、

きっとたくさんの人に怒られる。

今夜林檎が「本当はまだ物足りない」なんて言ったら、

きっとあちこちで迷惑だと思われる。

ここで林檎がホンネを言おうともタテマエを言おうとも、

きっと誰にも何も届かない。

そういう解決もなくて行き場も無い混沌とした想いに、

最近はよく潰されかける。








それでも、立ち上がるけれど。
























林檎にできることが少なくて、それもごく僅かで。

いまはそれを必要となんて誰もしない。

それはいい、わかってる。

でも今後必要とされるための努力が足りないことは問題。

これもいい、自分でどうにかする。

いま自分でどうにもできないのは、この変な気持ちを追いやること。

弱っちい林檎の部分をメタメタにして切り捨てる力が足りないこと。

助けを求めたくて、それをしてはいけない気がして、立ち往生していること。






今夜も暗黒面に落ちた林檎が悪夢を見せる。
























なんてね。

うにゃうにゃ言ってみても、

結局林檎はもがいて生きてる。

明日もそうやっているのだろうし、

明後日はサボって寝ているかもしれない。

もしそんな明日が来なくても、

いまはシアワセをくれる人がいる。

その人との時間を大事にしたいと思ってる。

そうだよ

それだけで十分なんだよね。

きっと。








それは救いの無いお話。








どうしようもない子犬が1匹。

迷子にみたいな飼い主が一人。

二人は約束を結んだ。



















「待ってて」

「うん、ずっと待っています」





















飼い主の顔を見ないで過ごす期間はたったの1ヶ月。

飼い主ががんばるというので、

子犬は嬉々として待つことを望んだ。

それが子犬にできる精一杯の飼い主への愛情表現だったから。

永遠の別れじゃない。

呪文のように繰り返して、子犬は日々を過ごした。

時々飼い主に思いを馳せて遠くでキャンキャン吠えてみたりもした。


















それも束の間。

わかっていても、やっぱりつらい。

待てども待てども約束の日が来なくて、

思っても思っても飼い主の存在は遠のく。

じたばた過ごす子犬は、憧れなんてとうに忘れていた。

「忠犬」になる、なんて気持ちはとっくに忘れていた。




















そんなある日。

子犬は悪さをする。

寂しさに溺れて、この苦しい日々から1日でも抜け出したくて。

飼い主を思い出して胸が苦しくなる痛みから逃げ出したくて。

止まってしまった時計の針を無理矢理にでもまわしたくて。

優しい他人にしっぽを振った。

優しい他人にエサをもらった。

後になればもちろん、その瞬間ですら後悔をしながら。

時間が流れる感覚と悲しむ飼い主の顔を思い浮かべながら。

抜け出したい。

待ちきれない。

匂いをかぎたい。

名前を呼んでほしい。

頭を撫でてほしい。

顔をくしゃくしゃにしてほしい。

ぎゅっとしてほしい。

会いにきてほしい。
























ごめんなさい。
























後悔はずっと残る。

でもそれが代償だから。

自分の犯した罪悪感に苦しめられることが贖罪だから。

そうわかっていたのに。

結局子犬は助けを求める。




悪いことをしました、と。

当然のように迎えた約束の日と、大好きな飼い主に。





言い逃れをしようとした。

慰めを受けようとした。

怒られて済まそうとした。

言わなければ誰も嫌な思いをしなくてすむのに。

言わなければ子犬は自分でその重みを背負うのに。

それなのに。

それなのに。

それなのに、飼い主が言った言葉は。



















「なんだ、そんなこと。」



















そんなこと?

ソンナコト?

子犬の身体に乗っていた何かがふわっと抜ける。

怖かった思いが消えて身体の力が抜ける。

久しく会わないうちに、どうやら飼い主は随分立派な大人になったみたい。

小さな子犬の過ちを優しく受け止めて、撫でてくれるくらいに。

がんばる飼い主を差し置いて、現実から逃げ出す子犬とは裏腹に。

責めるのでも、慰めるのでもなくて、ただ受け止めるように。


































「おまたせ」

そういって飼い主は子犬をきゅっとした。

優しい言葉に安心した子犬は、飼い主の温かい腕の中で眠りについた。

いつかは飼い主の守る忠犬になることを夢見て。




それはとても短くて僅かな時間のできごとだけど。

子犬にとって忘れられない大事な時間。

そんなこと。