少しは大人になったつもりでいるけど、
やっぱりまだまだ子ども。
欲張りで我儘で人恋しくて甘ったれな青い果実。
林檎です。
みなさん、いかがお過ごし?
何気なく吐息で指先を温めたり、
さり気なく冷えた指先に触れてみたり。
するともう12月だったと気づく。
一年が終わろうとしていて、始まろうとしている。
それと同時に林檎の学生生活が終わろうとしていて、
新しい環境と生活が始まろうとしている。
発見と反省に満ちた今年は。
あと何日なの。
ねえ。
幸福と期限に迫られた記憶は。
もう何日なの。
ねえ。
振り返ってみようか。
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もう2年も前のこと。
今ではすっかり昔のことだけれど、林檎には大切な人がいた。
もちろん今でもそれなりに大切だとは思うけれど
もうあの頃のように「特別な人」とは思えなくなった。
せいぜい「それなり」なんだと実感する。
それでも一度は大事に思った人だもの。
忘れたり嫌ったりなんてことまではできない。
だからどこかで普通に幸せに生きていてくれればいいと思う。
これが本当の最後の我儘。
…最後の我儘は確かあの時使い切ったような気がするけどね。
もう一度だけ、ね。
……なんて言うと大げさだけど。
連絡手段もなく行動範囲も重ならない以上、
生存確認すらしていないわけで。
普通に生きていているなら、確認したいとも思わない程度には気持ちも落ち着いている。
離れ離れになった当初は随分取り乱したりもしたけど。
だけど。
もしその人がもう一度林檎を頼ろうと思うことがあるなら、
その時は手を差し伸べるよ。
もう特別扱いも負担の背負い合いもしないけれど、
手は差し伸べるよ。
「たとえ林檎を嫌いになっても、林檎はあなたの味方でいることをやめない」
これが約束だから。
これが当時の立場だから。
つまりはそういう関係だ。確かにふつうじゃないかもね。
埋まらない何かがあるはずだよ。
今は、その"何か"が埋まらなくてよかったと思うけれど。
つながりが変わっていくように。
季節はめぐる。
気持ちだって変わる。
やがてめぐり返ってくることもあるけれど。
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出会ってもうすぐで1年。
本当はまだ8ヶ月くらいだけど、
新学期からだから感覚的にもうすぐ1年。
寄り添うようになってからは随分一緒に過ごしたから、
対称的にその前の関係は薄かったように感じるけれど。
懐かしいメールのやりとりを見ていると、
お互いちょこちょこ仲良くやっていたんだね。
以前の印象は忘れてしまって、初対面の「人見知り」だけが記憶にあったから、
なんとなくいかがわしい林檎との接点は薄い気がしていたのに、
そんなことはなかった。
慕ってくれて敬ってくれて癒してくれて、時間をくれた。
あの時の嬉しかった気持ちは今でも覚えてる。
ようやく実った林檎が色付きだしたんだよ。
なのに。
甘酸っぱい水色の感情なんて忘れかけていた林檎だったから、
自覚するのに随分時間がかかったみたい。
でもそれでよかったと思うよ。
だって、忘れんぼうなのは貴方も同じだったから。
あの頃の約束は守れているかな。
時間が経つにつれて有耶無耶になって反故にしていないかな。
ちょっと心配。
将来の誓いや未来の期限みたいな、
お互いを繋ぎとめる約束すら1つもしなかった二人だから。
あれは約束というより、林檎自身の誓いと言うべきかもね。
「大事にしたいから、そばにいて」
そういえば、そもそもうまく言葉にできていなかったかも。
はは。
だめじゃん、ね。
やがて春が来て、2回目の夏が来るように、
季節はめぐる。
これからもっともっと一緒の時間を積み上げるんだと思うと、
社会人になるリミットに追われて生活していた今までの時間が
幸福に満ちた大事な大事な時間になる。
将来の不安が、充実の出発点になる。
下がった感情が上がるように、
忘れた感情を思い出すように、
失くしたものを取り戻すように、
林檎はめぐりゆく。
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もうすぐ幕を閉じる大学生活も、
思い返してみるとなんて薄い。
希塩酸、希硫酸、希望。
あわわわ、望みまで薄いみたい。
だけどね。
大事な記憶と何にも代えがたい今をちゃんと持ってる。
もう離さないと決めた手もちゃんと繋いでる。
大切なものを失わないで生きていく方法を考えてる。
幸福を握りしめてる。
ねえ。
今年は何か変わったのかな。
やっぱり少しは大人に近づいているのかな。
本当は子どものままでいたいのに。
時はめぐりゆくから。
なんてね。