時の流れに合わせて林檎に変化が顕れる。
いつまでも青林檎だった林檎が赤く染まるように。
感情が抜け落ちたこころに、何かがはまるように。
イロヅキコミュニケーション
まだ出会ったころの様子を覚えているほどに、
二人は出会って間もなかった。
だけど積み重ねる時間は僅かでも確かなもので、
二人はいつの間にか隣にいた。
いつも通りの日々に退屈して、気まぐれに優しさみたいなものを見せる先輩。
新しい日常に奔走しながらも、先輩にとって都合の良い位置でい続ける後輩。
二人は何も知らない。
自分のことも、相手のことも。
都合の良さにつけこみ、後輩を連れ回す彼。
先輩のためならと、ひたすら付き添う彼女。
二人は気付きだす。
微妙な距離感や、曖昧な心地よさ。
恋とは呼べない安心感。
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彼は弱い。
泣くほど脆く、
触れぬほど危うく、
甘えるほどに弱い。
彼女は臆病。
知られることにも、
寄り添うことにも、
自分自身にも臆病。
不安定な二人がバランスを取るかのように、
揃って失っていた気持ちを埋め合うように、
お互いのタイミングを悟っていたように、
寄り添い、慰め、触れ合い、旅立ち、求め合い、恋をした。
それを恋とも気付かずに。
まるで陽射と青空のように。
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林檎が色づくように、愛情を深めるように。
今も二人は寄り添って。
飽きるほどの時間も惜しむように過ごし、
無言で過ごすような安心感すらも求めて、
今もシアワセは尽きなくて。
また明日もきっとシアワセな気持ちになれるよと
祈りを込めて今日も眠る。
「おやすみ」
イロヅキコミュニケーション