日本のおかげで助かった・・・売上高0ウォンの紙ストロー会社、破産の危機から脱出

 

韓国国内でプラスチックの使用規制が予告なしに延期されてしまい、破産直前だった紙ストローメーカーが日本から注文を受けたおかげで倒産の危機から脱した。失業状態だった従業員を再雇用し、今月中に生産を再開する予定だ。

 


ヌリダオンは昨年11月にプラスチックの使用規制が施行されるタイミングに合わせて生産量を増やしたため、3億ウォン分、2,500万個余りの紙ストローが在庫として蓄積されることになった

 

忠清南道瑞山市の紙ストロー会社「ヌリダオン」は22日に日本の某卸売業者から3億ウォン(=約3,300万円)分の注文を受けたことを発表した。日本にある世界的なフランチャイズカフェとファーストフード店約30ヵ所に納品される物量だ。日本にも紙ストローメーカーがあるが、日本人のバイヤーが韓国に居住した経験があり、ヌリダオンが破産することになったという本紙の報道を見て注文を入れたのだ。

 

ヌリダオンは環境部のプラスチックストロー規制を機会と考え、2018年に設立された。ヌリダオンのハン・ジマン代表は、「規制が予定通り施行される」という環境部担当者の話を信じて設備を増設、規制施行に先立ち紙ストロー約2,500万本(3億ウォン分)を在庫として積んだ状況だった。しかし、政府が昨年11月にプラスチックストローの規制を突然無期限延期すると、注文が0に急減した。

 

その後、中小ベンチャー企業部の技術保証基金の支援によって融資された1億8,000万ウォン(=約2,000万円)は返済日の繰り越しが認められず、生産設備の一部に差し押さえの赤札が貼られ、結局は財務の負担に耐えられず、企業を清算するための書類を準備していた状況だった。ヌリダオンは規制の延期によって倒産することになる紙ストロー会社の初めての事例になるところだった。

 

ヌリダオンは従業員を全員解雇していたが、日本からの注文で一部を再雇用した。技術職の従業員4人は3ヶ月間アルバイトを転々としながら事実上失業状態だったという。日本政府は2022年4月からプラスチックストローを使用する客に別途料金を賦課しており、紙ストローの需要が堅調なために3ヶ月に一度追加注文を入れる計画だ。

 


ハン・ジマン代表

 

日本でも紙ストローは「異臭がする」といった反感がある。匂いの原因はリグニン、いわゆる松脂から出るもので、洗浄を十分に行ったホワイトストローは臭いがしにくいというのが関連業界の説明だ。「紙ストローはリサイクルできない」という疑念はポリエチレン(PE)でコーティングしたストローだけに提起されるもので、接着式のストローは問題なくリサイクル可能だ。

 

日本のバイヤーはハン代表に「食用接着剤」は本当に食べられるのかを問い合わせてきたという。ハン代表は、幼稚園に通う息子が接着剤を口にする姿を見て、わかめや卵白など、人体に無害な食用接着剤を開発していた。化学製品が全く入っておらず、食品医薬品安全処も安全の検査は必要ないとしていたが、それを証明するために国内のある大学で法廷検査を受け、有害性は水道水レベルに低いという結果を得た。

 

ヌリダオンは食用接着剤としての特許を受けた上で、ストローを水に浸して2日経過しても溶けないように開発した。コロナ以前は紙ストローをアメリカに輸出していた。

 

日本から注文がある前は、政府や地方自治体の建物に入居するカフェやレストランに営業の電話をかけていたが、1件も注文を得られなかった。ハン代表は「日本から注文を受けられたのはメディアの報道もあるが、品質を着実に改善してきたおかげ」とし、「国内の需要に支えられれば紙ストローは輸出産業として育成できる」と強調した。