臨床留学対策伝授 | アメリカ家庭医療(ファミプラ)、臨床留学通信

臨床留学対策伝授

今回より臨床留学対策に関して少しずつ記述していこうと思う。


私は2004年3月に大学医学部を卒業し、2004年7月よりアメリカにてFamily Practice Residencyを開始することができた。Residencyのポジションを獲得するに当たって、私がもっとも大切だと思うのはきちんとしたStrategy & Planをたてることである。

USMLEの合格さえすればよいと安易に考えている人もいるみたいだが、私にとってUSMLEに合格することは、このレジデンシーポジション獲得に当たってもっとも楽な項目であった。というのも勉強さえすれば、USMLEは誰でも受かるからである。


アメリカResidencyポジションを確実に得るためには、以下の項目をクリアしなければならない。

実際チーフレジデントとして採用する側になった現在、外国人をマッチの上位ランクするには以下のことを重視している。


1)英語力

2)アメリカ臨床経験

3)推薦状(アメリカの医師:できれば教授・助教授クラスを3通用意しなければならない)

4)コネ

5)USMLE点数


英語力に関してであるが、これは日本人の先生にとっては最も難しいところだと思う。しかしアメリカ臨床留学を目指した以上、まず一番最初に対策をたてて勉強を開始しなければいけないのだと思う。英会話学校など方法は様々だが、TOEFLで最低250は取得できる実力はつけたい。私は帰国子女のため、幸い英語はNativeであり特に困ることはあまりなかったのだが、それでも在学中はテレビはすべてスカパーの英語の番組を見るなどした。


一応米軍病院での期間もアメリカでの臨床経験とみなしてくれる場合もあるらしいが、できることなら学生中にアメリカで実習して、推薦状をもらっておきたい。というのも医師になってから受け入れてくれる施設は本当に限られてくるからだ。それに対して学生には、結構オープンな病院が多い。Mayo ClinicはVisiting Clerkship Programがあり、この選考に合格すれば、世界トップクラスの病院で1ヶ月実習ガできる。

http://www.mayo.edu/mms/vis-clerk.html



Mayo Logo

有料になるが、Harvard大でもClinical Clerkshipが可能である。親友はこのプログラムをを通じて、6年次にMGHで神経内科実習を行っていた。


私の場合は、大学神内の教授にお願いしてアイオワ大 Department of Neurologyの日本人の教授の下で4週間、5年生の夏休みを利用して実習した。このとき教授に高く評価され、すばらしい推薦状もいただくことができた。そして6年生時には、選択実習期間を利用してイリノイ大、ピッツバーグ大、ミシガン大などで家庭医療実習を行い、最後はMayo Clinic家庭医療科で1ヶ月サブインターンとして実習した。このようにして学生時に計4ヶ月間アメリカで実習を行こない、推薦状も各施設の先生方より得ることができた。さらには卒業後もレジデンシー開始前の期間を利用して、野口財団を通じてハワイ大で内科実習を行った。

そして実習中のコツであるが、やはり熱心に質問したり、頻繁に患者さんの病態ををチェックした。アメリカ人の学生は5時にはすぐに帰ってしまうが、私はなるべく病棟に残り、少しでもアメリカ人学生と同レベルになれるよう努力した。知識の差は特には感じられなかったので、とにかくレジデンシー開始前に習得しなければならないのはH&P特にhistory takingであり、そしてプレゼンテーション方である。