ライナスの毛布
みなさん、スヌーピーの仲間たちの中に登場するライナスという男の子をご存知ですか?
彼はいつも大切そうに毛布を握りしめている姿が印象的なキャラクターです。
出典:©Peanuts Worldwide LLC.
このライナスの毛布は、心理学の世界では
「ブランケット症候群」や「安心毛布」として知られています。
「ブランケット症候群」とは?
「ブランケット症候群」という言葉を聞くと、
少し不安を感じる方もいるかもしれませんが、これは病気ではありません!
ブランケット症候群とは、
毛布やぬいぐるみなど特定のアイテムを持つことで
精神的な安心感を保っている状態を指します。
ライナスがいつでも毛布を手放せないように、
子供たちがこうしたアイテムに依存することがありますが、これはごく自然なことです![]()
「移行対象」とは?
心理学の分野では、このような「特定のアイテム」を「移行対象」と呼びます。
この概念を提唱したのは、
イギリスの小児科医であり精神分析医でもある
D・W・ウィニコット。
彼は「移行対象は、ほどよい母親と乳児の間に生まれる産物である」と述べています。
つまり、適切な育児の中で自然と生まれるものなのです![]()
タオルケットの思い出
私自身、子供の頃にはお気に入りのタオルケットがありました。
柔らかくて肌触りの良いそのタオルケットを触っていると、何とも言えない安心感が得られたものです。
しかし
成長するにつれて、両親はそのタオルケットを
私から取り上げるようになりました![]()
「もう大きくなったのだから、そんなものは必要ない」と言われ、手放さなければならない日がやってきたのです![]()
その時の私は、本当に悲しくて、大切な何かを奪われたかのように感じました。
安心して眠るためのアイテムを禁止されたことで、心に深い悲しみを覚えました。
もしも、当時
この「移行対象」という考えを知っていたら、
両親も私もお互いにストレスを感じることなく、
もっと理解を持って接することができたのではないかと思います。
今でも、ふわふわしたタオルケットの感触は大好きです![]()
長い間、私はその経験を
「恥ずかしいこと」「おかしいこと」として捉えていました。
しかし、心の世界を学んでいく中で
「ライナスの毛布」という言葉に出会ったとき、
その見方が大きく変わりました。
この言葉は、人が安心感を得るために
物などに執着する状態を指しますが、
私の心理の先生は
「そうした安心する場所や物があることは、心にとってとても良いことだ」と教えてくれたのです。
あなたの「安心毛布」は何ですか?
大人になっても、私たちは安心感を得るための何かを持っていると良いのかもしれません。
皆さんには、安心できる何かがありますか?
それは物であったり、場所であったり、もしかすると誰か特定の人かもしれません。
大人になっても、そうした「安心毛布」を持つことは、心の安定にとって大切なことかもしれませんね![]()
