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久しぶりに、929RR。
秋、夜。真上にはまん丸お月様。
Tシャツ、Gパンに冬ブルゾンライナー抜き、
「ブーツはまあいいか」でスニーカー。
 
行き先は決めずに東北道下り線。
6速4000回転、流れに乗って一定速度。
少しだけ先走りそうになるエンジンを宥める感じになりますが、
「チェーンの上を張る」程度のイメージで駆動をかけて、のんびりと。
やはりバイクは良い。
 
普段は
どこまでが自分で、
何を背負っていて、
既に何を落っことして、
この先何を落っことしそうになってるのか
そんなこんながごっちゃになって
自分の領域、こころ、そして身体感覚さえ怪しくなりがち。
 
それが クラッチを握り、ギアを「ごつん!」1速に落し、
始めそろそろと、クラッチが完全に繋がったら少しラフにアクセルを捻ると
「ごちゃごちゃ」は後に置き去り。
 
どこまででも停まらずに走っていけそうな高速道路で
加速も減速もなし、
踵を内側を捻ってステッププレートに密着。
手の平の小指側と小指でアクセルとハンドルを保持。
下腹を突き出し背を軽く丸める。
背筋を意識、
全身リラックス。
更に何かが剥げ落ちていく感覚。
 
運転操作からは意識が離れ、
いろいろな事をかんがえ、思い出しては
どんどんどんどん流れ落ちていく。
 
何かのきっかけで奥のほうからちょっと烈しい想いが浮かび上がる事もある。
それに引き摺られて、あるいは振り払う様にアクセルを捻ってしまうと
あっという間に非現実的な速度域に。
それは単に危険が増すだけですぐにその速度にすら慣れてしまう。
無意味な行為。
 
そんな事を考えていると佐野をすぎ、北関東道の関越道方面分岐を超えてしまう。
ああどうしよう、栃木で降りて大平山か?それとも北関東道を水戸方面?
ちょっと違う、と思っているうちに栃木を通過。
ああ、と鹿沼で高速を降りる。
ICのぐるぐるを回っている間に
「R293で佐野へ 上手い具合に開いているラーメン屋があったら寄る」というプランを立てた。
 
R293は適度にカーブが連なり信号、通行量共に少なくなかなか気持ちが宜しい。
夜だから風景という程のモノもないけど
峠みたいな所にぽつんと建つ住宅の2階、古風な木枠のスリガラスに灯りが燈ってたりすると
あの中にはどんな人が、などと取りとめもなく考えてしまう。
 
適度にキモチよく佐野田沼IC通過。ここでR293とはお別れ。
おなじみの50号に出て佐野藤岡IC方面。
この間、全国チェーンの飲食店は数多くあるが、ついに佐野ラーメンの店は見つけられず。
結局そのまま東北道に乗り、帰還。
 
約2時間、120Km程の
ツーリングともいえない、深夜徘徊でした。