ネコの名前の付くバンドに
Stray Catsと言うのが有った
19の頃随分流行していたが
個人的にはそれほど好きではなかった
バイト先の3つ年下のSさんは
バンドでベースをやっていて
Stray Catsのファンだった
一人暮らしのアパートに
時々遊びに行って良く聴かされた
Sさんには看護婦の彼女が居たが
彼女は寮暮らしだったので
時々しか会えないのが寂しそうだった
その彼女のお陰で
アパートは割合綺麗では有った
しかし
トイレの横の小さな部屋に
ちょっとエッチな下着が干してあったり
カセットテープの入った箱から
避妊具が出てきたりした
その頃の私は
何処までも広がる砂漠の
真ん中に立ちすくみ
行き場を失って居るような
感覚の中にいた
二人が並んで座り
ニコニコと話しかけて来る姿を
羨ましく感じたのも本音では有ったが
他人の妙にリアルな生活感は
20歳前の私には
興奮するとかいう感情よりも
何処かしらもの悲しく感じた
Stray Cats