私はゲイである。
細かく言うと、恋愛は女性に、性的なことは男性にだけ感じる。
初めて男に特別な感情を抱いたのは、中学生の時。
部活に入ってきた後輩が小柄で生意気で、可愛かった。
自分だけを見てほしいと思った。
けれど後輩は私にさほど興味がなく、高校に入ると関わりはあっという間に消えていった。
高校生になって、女子と付き合っても友達の域を越えない。
恋愛として好きになっているのに、友達程度の関わりで満足していた。
そして「なぜ手を出してこないのか」と問い詰められたのちに別れ…ということが数回。
これは、『メゾン・ド・ヒミコ』という映画で、ゲイ役のオダギリジョーに対してベッドの中で言った柴咲コウの言葉がしっくりくる。
「触りたいところが、ないんでしょう」
通常の男女が同性に触れたいと思わないように、私も女性に対して触れたいと思わない。
不思議なものだと思う。
なぜみんな、女性と触れたいと思うのだろうか。
それどころか年々、好意を持たれると嫌悪感が生まれるようにすらなっている。
別にそれでもよかった。
1人で生活することに慣れていたし、寂しさや人恋しさを感じたこともなかった。
食事もカラオケも遊園地も映画も、1人で行くことに抵抗もなかった。
むしろ、その気楽さが良かった。
何も背負わなくて済むのだし。