知的余生の方法を読みました。
著者は34年前に「知的生活の方法」を書いている渡部昇一さん80歳です。
人間いくつになっても学ぶことは良いことですし、今の人たちは長生きなので仕事が一段落する時期(退職とか)には自由な時間がたっぷりありそうです。
ですからその過ごし方は大切です。
まずは自分の興味がどこにあるかを知ることです。
著者は楽しくて仕方がないことなら犯罪行為でなければ思う存分やれば良い、と言っています。
また人は神様、仏様といった宗教的な事に興味を持つと飽きることなくやり続けることができ知的生活を形成していくのだと言います。
この辺りは私にとってはそんなものかなという感じなのですが、写経などはハマるとやればやるほど哲学的な境地へと導かれるらしいです。
次に知的生活を送るためには何といっても肉体的健康がたいせつです。
著者は呼吸方と栄養に気をつけている、と言っています。
栄養について詳しく知りたい方は、前にご紹介した三石巌先生の著書をご参考ください。
規則正しい生活が脳細胞に良いのではとも言っています。
その他には老人の転倒には気をつけるようにとか、ストレスは過度にならなければ良いのだと付け加えています。
三番目に留意したいのは住む場所です。
著者は年をとったからこそ刺激のある便利なところが案外正解なのではと言っています。
さらに知的生活を維持するために著者は財産や対人関係にまで言及しています。
財産はあったほうが好ましいと言い、対人関係では持ちたくない友を挙げています。
それは思想、信条の違う友、経済状態が極端に違う友、教養の差が大きい友を挙ています。
対人関係において日本人は「愛しています。」とはなかなかいいません。
日本語の愛には元来「かなしい」とか、「かわいそうだ」という意味と「可愛い」という感情が入っていて、お釈迦様が人間を見る時に感じる気持ちに通じるのだとか。
著者はその感情は藤沢周平の作品、蝉しぐれのラスト近くの場面を挙げて説明しています。
この本は私も読みましたし、映画でも見たことのある場面なのですが、日本人の愛が美しく「かなしい」事を実感させるものでした。
著者によれば読書家は長寿が多いそうです。
読書は脳細胞を鍛えるのではないでしょうか。
どんな本を読めば良いのか、著者が本を一冊勧めています。
それはパスカルが書いた「パンセ」です。
パスカルは弱冠16歳で「パスカルの定理」を発見した天才数学者であります。
人間は考える葦である、クレオパトラの鼻がもう少し低かったら世界は変わっていただろう、という言葉がこの本に書かれています。
内容は宗教と信仰と人間はどのように関わっているのかについてです。
死後の世界や神というものは確立論的には絶対存在すると考えて生きたほうが良いと言いたいようです。
最後に著者は、精神的に活発に活動し、朝の著述を終えてちょっと横になったまま亡くなったカール・ヒルティを尊敬し著者自身も本を読みながら本を抱いて死にたいそうです。
いいかもしれません。