哀愁メロディーと名バラードの宝庫!

 

アメリカはユタ州出身のロック・バンド、The Used(ザ・ユーズド)の2nd“In Love and Death”。

 

 

彼らを知ったのは、ベストヒットUSAで“Take It Away”が紹介されているのを見たからだったように記憶している。大学生だった自分は、その頃ヘヴィ・ロックやパンク、ラップ・ロックのような重たくてヘヴィーな音楽を求めていて、激しい音楽に飢えていた。どんだけストレス溜まってたんだ(笑)

 

 

世間的には、スクリーモというジャンルを確立したセルフタイトルの1stが名盤とされているのだろうけど、僕は初めて彼らに出会ったこの2ndを推したい。

確かに1stは血管ブチ切れスクリーム満載で、ヘヴィーさ・音圧すべてがリリース当時は衝撃だったに違いない。対して2ndは、ザ・ヴァインズの2nd同様、良く言えば1stを掘り下げた進化、悪く言えば売れた手法の使いまわしといったところになるが・・・、それでも今作には1stでは影を潜めていた哀愁が一気に顔を出し、美しいメロディ・センスが花開いている。

音楽に“哀愁”を求める自分としては、この美メロが多数聴けて、かつストレートな名バラードが収録されている2ndこそが、彼らの代表作にして名盤であると断言したい!

 

1.“Take It Away”

彼らの魅力をすべて凝縮した名刺代わりの一曲!ライブでの大合唱が想像できる超絶ラウド&キャッチーな名曲!

 

2,“I Caught Fire”

開放弦を活かしたギターのイントロが印象的なこれまたキャッチーな名曲。オープニングとは異なり、スクリームは抑えられメロディを聴かせることに重きを置いているところも良い。バートの歌声って、スクリームもいいけど、このクリーンボイスが何よりエモいのだ!

 

3.“Let It Bleed”

前曲同様、キャッチーなミドルテンポで来るかと思いきや、サビ後にバートの不敵な笑い声から、激烈スクリームが繰り出される転調が面白い!

一聴時は、この急展開いる?と思っていたが、繰り返し聴くうちに、スクリーム・パート早よ来い!と待ち望むほど中毒になっていた(笑)

 

4.“All That I’ve Got”

優しいイントロから名曲確定な美メロ・バラード!

この曲があるから、本アルバムが名盤入りしていると言っても過言ではない(笑)

PVのシアトリカルな仕上がりも、曲の雰囲気に合っていて素晴らしい。

 

5,“Cut Up Angels”

前曲からの流れを踏襲したミドルテンポのバラード。イントロのアルペジオ・ギターからのリズム隊の入りがクール!サウンドは前曲よりはロック寄りで、サビ後の「feels like gun」の「ガッガッガッ」の歌いまわしがロックでかっちょいい!

終盤の伸びやかに歌い上げるパートなんか、彼らの作品史上においても最も美しく、かつ哀愁も漂っており、イントロと同様のフレーズを弾くギターと絡んでからは昇天もの(笑)

バラードを続けて持ってくるところに、本作に懸ける彼らの意気込みを感じる。

 

6.“Listening”

前曲から打って変わって、出だしからリズム隊のボトムが効いた重たいナンバーへ!しかし、サビは超絶キャッチー!サビ後は、転調とベースのうねりからの絶叫スクリームパートが用意されており、1st好きには待ってましたソング!

 

7.“Yesterday’s Feeling”

彼らの引き出しの多さを再確認できる、まさかのユーズド流ワルツ。優しく語り掛けるよう歌うバートの声に癒される。

 

8.“Light with a Sharpened Edge”

哀愁たっぷりの単音ギターから始まるロック・バラード。サビの“It’s not me”に悲壮感が漂っており、今作中最も切迫感があるが、サウンドが壮大さを演出しているという素晴らしいバランス!そしてやはり涙腺崩壊のグッド・メロディー!

 

9.“Sound Effects and Overdramatics”

一転、今作中最も重くてヘヴィーなサウンドへ!バートの絶叫もここでピークを迎える。スクリームに、ヒップホップでよくある野太い声を重ねているところなんかもかっちょいい!リズム隊の奏でる重厚なサウンドと存在感が凄い!

 

10.“Hard to Say”

4.の名バラードに勝るとも劣らない、こちらも美メロの涙腺崩壊正統派バラード! バートのハスキーでエモーショナルな声の生かし方だけを取れば、今曲がベストテイクなのでは。

こういった普遍的な曲を書けることが、後追いスクリーモ・バンドたちにはない強み!

 

11.“Lunacy Fringe”

7.に続き、またもや彼らの新たな一面を垣間見ることができる曲。まさかのジャズ!しかも、かなり嵌っている!こういったジャンルの垣根を超えたアプローチができるのも、リズム隊の柔軟さとスキルがあるからだろう。

しかし、なんでドラマーのブランデンはランシドに加入してしまったのか・・・。ランシドももちろん大好きだが、彼の多様な技術と引き出しの多さを生かせるのはこのバンドだと思うと惜しい・・・。

 

 

12.“I’m a Fake”

ラストは、オープニングにも通じる激走ラウド・ロック!バラードではなく、叫んで本編をクローズする姿勢にロックを感じる。

 

13.“The Black of Your Mouth”

国内盤ボーナストラック。この頃からシアトリカルな路線をやっていたのかと、今となっては妙に納得!3rd以降の楽曲よりも断然いいのが悲しい・・・(笑)

 

3rd以降、ライバルのマイケミのシアトリカル路線を取り入れたり、美メロを活かした正統派なエモ、エレクトロを導入したりと試行錯誤を繰り返していくことになる。

作品を重ねるごとに、純度MAXな迷いのないエモーショナルさが薄まり、自ら築いた1st、2ndの壁をなかなか超えられず、一ファンだった自分も作品は購入するが、リピート率は明らかに落ちていた。そして、6作目“Imaginary Enemy”購入後遂に離脱・・・。

久しぶりに彼らの新作を聴きたくなり、2017年発表の7作目“The Canyon”(ロス・ロビンソンがプロデュース!)を遅ればせながら購入!過去作を十分に復習してから聴こうということで、今作を再聴した次第。

 

 

時代を感じさせない美メロと、ジョン・フェルドマンのプロデュース特有のドラム缶みたいなドラム音と鋭角なサウンドが素晴らしく、青春時代を思い出させてくれる。また、ロックとバラード、静と動の配置とバランスが完璧で、全編通して全く飽きさせない。

ザ・ユーズド入門としては、やはり1stではなく、普遍的なメロディとサウンドを確立した本作をオススメしたい!

 

評価★★★★★(星5つが満点)

 

オススメ曲

1.“Take It Away”

定番曲過ぎて、敢えてオススメに挙げなくても・・・と思っていたが、やはり即効性があり、彼らの魅力が凝縮されているってことで(笑)

 

4.“All That I’ve Got”

とにかく今作はバラードの名曲が多いため選曲に迷うのだが、やはり群を抜いて素晴らしい!哀愁バラードが大好きな自分にとって最高の一品(笑)古今東西のハードロックからポップス等、全ジャンルと比較しても確実に上位に入る美メロ曲!