ロックを捨て、ひたすらいい楽曲を!
デンマークはコペンハーゲン出身の3人組ロック・バンドNew Politics(ニュー・ポリティックス)の2ndアルバム“A Bad Girl In Harlem”
ニュー・ポリティックスを知ったのは、フォール・アウト・ボーイにドハマりしていた頃、ツアーの前座に起用されたという情報を得て、1stアルバムを購入したことがきっかけだった。
FOBのようにギターロックやエモを期待していた自分としては、そのやんちゃで所々でラップをかますお気楽な音楽性に、これちゃう感が半端なく(笑)、数回聴いてからCDラックにしまったきりとなった。
しかし、この2ndアルバムには驚いた。彼らの特徴であったその陽気な音楽性やガチャガチャした演奏が抑えられ、真逆の落ち着いた哀愁漂う楽曲が並ぶ素晴らしい作品となった。
1.“Tonight You’re Perfect”
オープニングからまさかのパワーバラード!別バンドかと思うくらいミドルテンポで壮大に歌い上げる。
2.“Harlem”
こちらは比較的前作に近い作風で、シンプルなギターリフが引っ張り強引にサビに持っていく展開は痛快!アンセミックで何も考えずノレる楽曲。
3.“Berlin”
2曲目が終わり、間髪入れず気だるげなボーカルで始まり、サビでは「ベルリーン、ベルリーン」と何とも覚えやすいキャッチーさと壮大さ!そしてメロディは切実で哀愁が漂っている。
4.“Stuck On You”
ピアノから始まり、ストレートなバラードを歌い上げる!しかもめちゃ様になっている!こんな曲絶対前作では作れなかった(作らなった)はず!やはり今作の彼ら、前作とは別バンドのようだ!
5.“Give Me Hope”
こちらは前作にも収録されていた楽曲を再録!よっぽどメンバーお気に入りの曲なのだろうか(笑)アレンジも全然変わっていないが、若干ギターの高音が抑えられ、全体的にエッジが取れて丸みを帯びポップになった印象。
6.“Die Together”
人をおちょくったような出だしから、やはりサビでは壮大に盛り上げる!何度目だこの展開(笑)と突っ込みたくなるが、曲が良いから全然OK!何気にベースが良い仕事している!
7.“Goodbye Copenhagen”
前作のモードに比較的近いパワーポップ!しかし、いい意味でどこか落ち着きや作り込みを感じさせる。そして、ただやんちゃなだけじゃない哀愁をまとっているところがGood!
8.Overcome”
ミドルテンポの陽性なリズムに乗せてラップをするが、サビでは一気に哀愁漂うメロディが押し寄せる。
9.“Just Like Me”
やっとこさ前作のお気楽モードへ。やはりこっち路線は微妙(笑)でも今作の落ち着いた楽曲群の中では良いアクセントになっている。
10.“Fall Into The Arms”
ラストに相応しく哀愁漂うミドルテンポに仕上げており、サビの「ウォーオオオー」のところなんかはライブで合唱が起こりそう。さすがにU2まではいかないが、こちらもオープニングナンバーと同様壮大に締める。
正直ここまで来ると、ロックというよりは完全にポップだし、彼らの個性ってなんだっけ?と思ってしまう(笑)
ただし、ジャンルにこだわらずいい音楽を探し求めているリスナーにとっては、グッドメロディの玉手箱になるはず!それに10曲33分というコンパクトさも良し!
オススメ曲
1.“Tonight You’re Perfect”
壮大&キャッチー&アンセミックな、ツッコミどころのない迷うことなきキラーチューン!ピアノも使用されておりアレンジにも幅ができて、バンドの進化も感じられる。
8.Overcome”
ヴァースは心地よいリズムに乗せてラップが歌われ、サビ前に一気に哀愁を帯びてきて、サビですべての哀愁をまとって歌い上げる!このメロディには抗えない(笑)ラップと壮大なサビのギャップも素晴らしい!
評価★★★★(星5つが満点)