1971年、5人の娘を持つペロン一夫妻は、田舎の一軒家に引っ越してくる。が、娘たちに次々と怪奇現象が襲いかかり、危険を感じた妻キャロリンは、超常現象研究家のウォーレン夫妻に調査依頼をする。
数々の超常現象を解明してきたウォーレン夫妻か、「最も邪悪で恐ろしい事例」としてこれまで封印してきた、1971年に体験した衝撃の事件を基に描くホラー。



まず、超常現象研究家のウォーレン夫妻の魅力に尽きる!

霊能力者、悪魔研究家といったら、インチキ感プンプンで冷めてしまうところだが、娘を持つ親として命に関わる職業を続けて良いのか?それでも人を助けたいという使命感の狭間て苦悩する夫妻か丁寧に描かれており、そんな感情は一切感じさせなかった。



それもエドを演じるパトリック・ウィルソンと、ロレインを演じるヴェラ・ファーミガの魅力と演技の説得力かあるからだろう!

また、ウォーレン夫妻の他、アジア人でエドの助手ドルー、霊を信じないが除霊を手伝うことになる警官からなる仲間も魅力的だ。



正直、幽霊や悪魔は、THEアメリカ的なモンスター感があり全然怖くない(笑)
ラストの目玉である悪魔祓いシーンも、取り憑かれた母親はまるでゾンビのようで、やはり怖くないし、あれ?この映画もしかして前に観たことあったっけ?と感じるくらい既視感満載だった(笑)
でも、悪魔祓いは流石にバリエーションないよねっ、と得心。



その代わりに家に纏わる過去が明らかになってくるくだりはサスペンスとして楽しめた。幽霊がところどころ現れてヒントを与えるところなんか、謎が一つ一つ丁寧に明かされて好感が持てる。

物が勝手に動いたり幽霊が出現するシーン、それ自体は怖くないが、音にビビる(笑)
それに、庭に干していたシーツが突如として人型になって二階に舞い上がり、窓から侵入する演出は斬新で感心した!

死霊館シリーズの核となっていく呪いの人形アナベルも、ウォーレン夫妻宅の博物館でちゃっかり登場し(笑)、登場シーンは少ないが、娘を襲い少しの恐怖と不気味さを提供している!

一家が怪奇現象に悩んで誰も信じてくれず、ずっと孤軍奮闘する…といった定番の流れも全くなく、それどころか一家以外の人間の前でもバンバンモノが動いたり音がしたり、ど派手にポルターガイストをかましてくれる!そのため、みんな一家をすぐに信じてめっちゃ協力的なのだ!よって、早く信じて助けてあげてっ、というストレスが一切なし(笑)



信仰心や神父といった日本では馴染みのない文化を取り扱ってはいるけど、それでも楽しめたのは、ただのホラーではなく怪奇現象の元凶を解き明かしていくサスペンスとしての要素が説得力を持って描かれているからだとろう。
また、ウォーレン夫妻の人間味を前面に出したことが功を奏した。

ホラー初心者でも楽しめ、誰にでもオススメできる、ホラー&サスペンスエンタメ映画!

評価★★★★(星5つが満点)