大学の歴史教師のアダムは、地味で冴えない生活を送っていた。ある日、知人からオススメされた映画に自分と瓜二つの俳優が出演していることに気付く。
興味を惹かれたアダムは、その俳優アンソニーの居場所を突き止める。二人はホテルの一室で会い、顔、声、生年月日すべてが一致していることを確認する。戸惑うアダムは会ったこと自体が間違いだったと言い逃げ出すが、その日以降アンソニーはアダムの身辺調査を開始する。
アダムに美しい彼女メアリーがいることを知ったアンソニーは、妊娠6カ月の妻ヘレンがいるにも関わらず、アダムに妻と寝ただろうと難癖を付け、入れ替わってメアリーと関係を持とうとする。
二人は彼女と妻をも巻き込みながら、取り返しの付かない悲劇へと向かっていくのだった、というスリラー。
複製された男という邦題から、観始めてから数分はクローン人間の苦悩の話かと思っていた。その後、そうじゃないなと分かってからは、今度はドッペルゲンガー系のホラーか?と自分なりに思案して観ていたが、それも違ったようだ。そして、ヘレンが蜘蛛に変貌し・・・というあの衝撃のラストで頭の中の???は何も解決せずエンドロールへ(笑)
これは完全にお手上げ状態だ!ということで、自分で考えることを早々に放棄し、早速他の方のレヴューをチェック(笑)
いや~凄すぎる!要所要所で出現する蜘蛛や、母親が渡すブルーベリー、そのすべてに意味があることが分かり驚きを隠せない。そして、そんな比喩が隠されていることに気付けることに感嘆してしまった!
巨大蜘蛛が出現した時は、ああやっぱりSFだったんだな、などと思ってしまった自分が恥ずかしい・・・(笑)
しかし、これ、解説や監督のインタビューを見ないと絶対に分からないだろうとも思ってしまう。今作を鑑賞しただけですべてを理解するのは、やっぱり難しいのでは・・・と。
アダム→アンソニーが創り出した別人格(真面目なアダムが、チャラいアンソニーを生み出したのではなかった・・・)
蜘蛛→母親や妻からの抑圧/支配から逃れたいという不安や葛藤
ブルーベリー→母親への愛憎
それでも多くの謎が残ってしまう。
指輪の跡はいままで見えていなかったのか?とか、実際に交通事故は起こったようだが、メアリーと一緒にアンソニー同乗していたけど、あのやり取りはどゆこと?等
細かな点を突っ込みだしたら作品を楽しめないのかもしれないけど、やっぱり腑に落ちない。
こうなると開き直って、単純に2人の全く同じ容姿の人間が、妻に内緒で入れ替わることで、それが悲劇を招いていくというスリラーとして楽しむのでいいや(笑)
ジェイク・ギレンホールの演技は危うげで惹き込まれるし、メアリーとヘレンの超絶的な美しさと体を張った演技だけでも十分に魅力的だし。
うん、自分はそれでいい!←完全に開き直り(笑)
評価★★★(星5つが満点)