田舎をドライブ中の4人の若い男女が、車が故障したため足止めを食らう。しかし、そこには恐るべき食人一家が住んでいて、彼らを恐怖のどん底に陥れていく、というホラー。

 

 

今作、「人肉村」という邦題だが、村全体がイカレ食人族というわけではなく、イカレているのはごく一部、いや一家族、いやいや三兄弟+親戚一人の計4名だけである(笑)それ以外の村人は登場せず・・・。

 

ホラー映画にはありがちなストーリーである。能天気でアホな若者たちが、サイコ野郎によって無残に殺害されていく。

また、今作のテーマ、食人についても、これまで幾度も取り扱われてきたテーマであり、真新しさは全くなし(笑)

 

それでも、捕食者である兄弟のうち、特に暴力的な長男オーウェンや、彼に馬鹿にされながらも従順で怪力な次男オズワルドのキャラの濃さ、そして兄弟の餌食となる4人の若者たちそれぞれのキャラ立ちが良いため、飽きずに鑑賞することができた。

 

 

クールなジェナと誰とでも寝るビッチのテイラー、ジェナに想いを寄せるオタク気質なクリス、ジェナの恋人で浮気性でイケメンのマイク。

ホラー映画ファンなら、このキャラ設定を見ただけで誰がすぐに死ぬか速攻で分かるはず(笑)

 

過去に監禁した女性を妊娠させたり(ジェナが拘束を解くためナイフを渡し一緒に逃げようとするのだが、彼女は待ってましたとばかりに自身の大きくなった腹を刺しまくり自害・・・)、人間をモノのように扱い、クリスとテイラーを何の躊躇もなしに殺害するわ、マイクの股間に執拗にスタンガンを当てて楽しむ兄弟の所業は、観ていて胸糞悪くなる。

 

 

そんな胸糞悪さをぶっ飛ばしてくれるのが、イケメンマイク!

やられっぱなしの彼だったが、ジェナが拘束されているマイクを見つけ助け出す。ジェナは一緒に逃げようと言うのだが、マイクは逃げることよりも兄弟への復讐を選択する。

散々自分を痛めつけた憎き長男オーウェンを銃で殺害するシーンは、今作のハイライトだ!

しかし、彼の出番もここまで・・・。あえなく兄弟の親戚ウィラードに刺し殺されてしまう。

そのウィラードを、恋人の復讐!とばかりにジェナが銃殺→逃げる彼女だったが、次男オズワルドが小屋に閉じ込めていた三男オックスフォードを解き放つ!

 

 

人肉を食らい怪物のような容姿と化した三男オックスフォードによって、ジェナは捕食され死亡・・・というまさかの4人全員死亡という悲劇のラスト。

しかし・・・まるでゾンビのような容姿のオックスフォードが登場した時には、唐突すぎて別ジャンルへシフトチェンジした?とお口あんぐり状態に!

 

 

人体切断シーンや殺害シーンは、基本影になっていたり映りこまないため直接的なグロシーンは全くなく、スプラッター・ホラー初心者でも楽しめる。逆に言えば、そこがコアなスプラッター・ファンの方には刺激は少ないかも。それに、邦題がインパクトありすぎて名前負けあり(笑)

それでも、1時間30分とコンパクトな制限の中で、それなりにハラハラドキドキさせるシーンが盛り込まれており、中弛みもせず最後まで一気観することができる好作品。

 

評価★★★(星5つが満点)