全曲泣きの名イントロ祭り!
アメリカはカリフォルニアのロックバンド、ウィーザーの5thアルバム“Make Believe”
まさかのリック・ルービンによるプロデュース!轟音ギターは鳴りを潜め、代わりにピアノやシンセを多用しており、全編に渡り各楽器の音色がくっきりと浮かび上がってくるクリアなミックスでまとめられている。
1.“Beverly Hills”は、これまでの作品の延長で、彼らのファンでも安心して楽しめるミドルテンポのロック。自分としては可もなく不可もなくといった感じ(笑)
2.“Perfect Situation”。はい来ました名曲パート①!ワウペダルを使ったイントロ、ピアノの高揚感、サビの「Oh ho,oh ho, oh ho whoa」のライブ会場で大合唱が起きそうなアンセミックなサビ。ヴァースのピアノも高揚感アップに貢献していて良い!
3.“This Is Such a Pity”は、まさかのウィーザー版ニューウェーヴ!これまでにない音作りだが、メロディはどこを切り取ってもウィーザー節!リバースの裏声も効いていて哀愁たっぷり。
4.“Hold Me ”は、どことなく名盤ピンカートン期を感じさせるミドルテンポのバラード。これまたイントロのアルペジオからたまらん!
5.“Peace”は、まるで演歌のような枯れたリードギターの哀愁に序盤からやられる。この曲、秋の少し寒くなってきた時期の散歩道を歩いているときに聴いてしまったら号泣必至!
6.“We Are All on Drugs”は、ミュートしたザクザクディストーションギターとハードロックばりのギターソロが存分に味わえる、今作中最もロックしている楽曲。この曲を聴くと、このアルバムが大好き過ぎて、バンドスコアを購入してギターの練習に耽った頃を思い出す。
7.“The Damage In Your Heart”。はい来ました名曲パート②!イントロの単音リードギターのこの哀愁といったら・・・。そしてリバースの絞り出すように歌うサビを聴いてしまうと完全にノックアウト!
”8.“Pardon Me”は、これまたミドルテンポの名ロック・バラード。ミュートギターが効いているヴァース部分が特にお気に入りだ。壮大なサビでの懇願するようなリバースの「Pardon Me」の繰り返しにまたもや心を持っていかれる。
9.“My Best Friend”、10.“The Other Way”は、アップテンポで思いっきりキラキラしたギターポップに振り切れている。でもメロディは高揚させるのにエモーショナルに響いてくるところなんか、やはりさすがは我らナード達の救世主ウィーザー!
11.“Freak Me Out”は、エレキギターの優しいイントロからラストまで、静かに包み込むようなサウンドが印象的なバラード。
ラスト12.“Haunt You Every Day”。はい来ました名曲パート③!ピアノとほんのり歪ませたエレキギターの哀愁漂うイントロが流れた瞬間にコレ来た感が!ヴァースのピアノとギターの単音も素晴らしく、サビ前なのにすでに涙腺崩壊しそうになってしまう。当然サビのリバースの絞り出すように歌う声で完全に決壊(笑)
今作、バラードが名曲揃いでレベルがめちゃ高い!そして、とにかくイントロから泣きメロ度が尋常じゃないのだ。
いや~、本当に隙がない!各楽曲のクオリティはもちろん、バラエティに富んだメロディとアレンジ、随所に最強のバラードを挟み込むことで流れも完璧!名盤ピンカートンにも匹敵するこれまた彼らの名盤!
オススメ曲
当然、名曲①~③になってしまう(笑)
2.“Perfect Situation”
今作のキラーチューンといったところか。ちなみに、アルバムとシングル・バージョンではサビの歌いまわしが若干異なっている。どちらのバージョンも良いので甲乙付け難い!PVもこれまた名作で、これぞナードなロック小僧の夢想(笑)といった感じの仕上がり。
7.“The Damage In Your Heart”
今作、バラードの出来が秀逸で、この曲もその内の一曲。シンプルなフレーズなのに(だからこそか?)、心が動かされずにはいられない。最後の「I can’t tell you」の悲痛な連呼にグッと心を持っていかれる。
12.“Haunt You Every Day”
こんな名曲をアルバムラストに持ってくるとは驚きだ。何のギミックも無い正統派バラード。故に、この孤独に寄り添うような絶妙な哀愁メロディが際立つ。
評価★★★★★(星5つが満点)